ニュージーランドが公式に不況入りした

ニュージーランドは不動産投資が加熱しており毎年不動産価格は10%程度の上昇をし続けている異常な国だ。

これは国民が凄まじい勢いで豊かになっているのではなく実際はひたすら国民を貧乏にしながら海外からの投資家たちに不動産を献上する形で実現している。

さも景気がいいように語られるニュージーランドの実態は凄まじい貧富の差に苦しむ人たちを置き去りにした国と言ってもいいだろう。日本もいずれそうなる可能性がある。

ニュージーランドの貧困の問題は実は非常に単純で誰にでもできる安い給料の仕事、需要のない安い給料の仕事、というものが存在しており少なくない人数がそこに従事しているということでもある。彼らは自立した生活を営めるほどの年収がない。

日本では海外では給料がいいようなまやかし言葉を喧伝する人もいるが、そのくらいあってやっと生活が成り立つ数字でしか無いことは予め言っておくので、海外で年収10万ドルを手に入れても大した意味はない、数字がでかいので満足するかもしれないが。

数年前に起きたコロナショックによってニュージーランドはジャシンダ・アーダーン率いるレイバー政権のもと強烈なロックダウンによってノックダウンされた。ロックダウンは当初は封じ込めに成功したが、適宜海外から何故か変異種が輸入されることによって結局いつまでもコロナを撲滅することはできなかった。

そればかりか国の経済を見かけ上問題ないように見せかけるために膨大な国債を発行し、労働者の味方レイバー政権はトラブルになれば将来の国民を犠牲にしながら今の国民を救う、そしてそんな未来が今始まった、ということだ。

海外では評判の良いジャシンダ・アーダーンだが、ニュージーランドに住んでいた人たちの話を聞けばどれだけでたらめなことをし続けたかはすぐにわかるだろう。

コロナショックに伴って政府が発行した国債はこちらに詳細があるので見てみるといいだろうが、今のニュージーランド政府は国債をコントロールすることはできなさそうだ。

61.6ビリオンダラーという凄まじい金額の国債を発行したニュージーランドの国債残高は現在どうなっているかはこちらのグラフを見ればすぐにわかる

端的に言うならばコロナショックによって国債を二倍以上に増やしその後も増え続けているということだ。

発行した国債は一体どこに流れたのか、と言うならば生活保護やワクチンの購入だろうか。このあたりのデータを探すのはくたびれるのでやらないが、ジャシンダ・アーダーンが世界的な評価を高める裏で一体どれだけの国債が発行されたのかは知っておいたほうがいいだろう。

野放図に発行された国債によって一体何が起きるのか、というとニュージーランドの財政が借金で借金を返すようなサイクルに落ち込むという点だ。先程紹介したリンクには国債残高のグラフが掲載されており、コロナ以前は一定の水準を守っていたように見えるのはこのせいだ。

ある程度の余裕を持った数字をキープすることで健全な財政を実現していたのだろうと思われる。

ニュージーランドの今後の税収や経済発展などを鑑みたときに、国債がこの数字を超えてしまうと政府は国債をもはや制御することができなくなる、ということだ。

国債残高は40年以内に2トリリオンドルになるとまで言われている。これを解決するには高齢化問題などに対処しなくてはならない、つまり、今後も発展的で安定的な税収基盤を整えなくてはならない、ということだ。

そんな中レイバー政権は次なる選挙に向けての予算案を策定した。

全体的に見るならば将来を犠牲にして公共事業をやる、支払う金は借金だ、というのはあまりにも邪推にすぎるかもしれないがそういう予算に見える。更に言うならば、現在の子育て家庭も犠牲にしているように見える。

つまり政府としてできる事業に予算を振り分けでほかは知らんと言っているようにも見えるが彼らは口がうまいから国民を納得させるロジックを考えることだろう。

ちなみにこの他にやろうとしたのが老齢年金の開始年齢引き上げだが、流石に支持者が黙っていなかったようだ。すぐに取り下げた。

さて、こうやって国債の問題を蚊帳の外に押し出しつつなんとなく国民に負担を押し付けつつ解決を図ろうとしたという陰謀論的な解釈のうらでニュージーランドは正式に不景気入りした。

不景気のことを英語ではrecessionというのだが、ニュージーランドではこの辺も定義がされている。ニュージーランドがいかに不景気になったのかというのは現地に住んでいる人たちはなんとなく感じているだろうが、例えば道路を運転している人々の運転が明らかに荒い、交通違反なんかもかなり行われており相当心が狭くなっている、凄まじい渋滞、CBDというニュージーランドのビジネス中心地の閑散とした雰囲気からわかると思うが、これが正式に不景気として国によって認識されたことになる。

もっと言うならば、コロナショック後の凄まじいインフレや労働市場の高騰を見れば企業にとっては苦しい時代に入ったことはよくわかる。

ニュージーランドは不景気を「連続した実質GDPの低下」と定義している。2007年だか2008年に起きたグレートリセッション以降何回のリセッションがあったかは知らない。

ニュージーランドのリセッションは来年まで続きそうだという観測もある。

リセションがなんで起きたかといえばコロナショックによる経済が停滞した状況の直後に利上げというあまりに乱暴なことをしたからだ。このあたりはアメリカのFRBも同様のことをしているので、コロナショック以降世界中で起きたことがニュージーランドでも起きたと行っていいだろう。

更に言うならば大規模なストームによってオークランドが打撃を受けたというのも大きいだろう。そこら中の家が浸水して住めなくなってしまった。

日本にいる人たちはこの話はわからないかもしれないが、このサイクロンの影響は未だに残っており、オークランドはあちこちが未だに土砂崩れや洪水のリスクにさらされている。ちなみに治水性能が日本だったら単に大雨が降った、で済んでいたが、ニュージーランドはそこまで性能のいい国ではない。そしてこれから到来する冬、オークランドは雨が降ったままになる。おそらくガブリエルの後遺症からこれまで以上にひどい水害が起きるかもしれない。

ニュージーランドは大慌てで治水のアップグレードをしているようだが、すでに地下に張り巡らされた排水パイプを交換するなどできるわけもなく、なにかしているが何も変わっていないのが現状だ。

そいうわけでコロナショック以降ニュージーランドに起きるありとあらゆることがだめな方向に向かうように起きるという凄まじい状況になっており、ニュージーランドの未来はこの2期によるレイバー政権のもと暗雲が立ち込めてしまった。

そんなニュージーランドのリセッションだが、キーは人口だ。若い世代がどんどん増えて働いてもらい、税金をどんどんと収めてもらわなくてはならない。移民国家ニュージーランドはこのあたりを移民に強く依存しており、もはや生命線と言ってもいいのだが、相変わらず移民を受け入れない制作を続けている。

移民はなんで移民国家に来るのか、といえば、日本のようなとんだ国の人々は「経験がほしい」くらいの考えで来るが、「母国にいたら終わる」からくるというのが多い。要は「永住権がほしいから来る、手段は問わない」という人が大多数でもある。とはいえ受け入れる国も誰でもいいわけではないので、健康で犯罪を犯しておらず若い人(あと最低10年くらいは働いてくれそうという意味で若いと言っている)、というのが前提条件だ。

次にくるのが、この国で自立して生活できる人、だ。ここに言語能力や持ち前のスキルなどが加味される。

国としてほしいスキルというのは常に公開されており、基本的にはあまり大きく変わることはないが、ときとともに増減を繰り返していく。

そういう技術を持った人に渡すビザをスキルドマイグラントビザという。金持ちが申請する投資家部門や結婚する人が申請するパートナーシップ部門とは別物であり、まさに国にとって有益な労働者を手に入れるためのビザと言える。

このビザは未だにひたすら厳しくなってきているがこれについてはそのうち書くこともあるだろう。

いずれにせよ不景気に突入したが裏目に出そうな政策ばかり実行しているように見えるのが今のニュージーランドと言えるだろう。

そういうわけでニュージーランドに来ることはおすすめしない。

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