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新卒フリーランスという生き方で、あふれだす自分のハッピーを循環させる人

「新卒フリーランス」という言葉をご存じですか。大学在学中に、好きなことや、やりたいことをみつけ、卒業後も企業に就職はせずそのままフリーランスとして働くことを言います。

大学を卒業したら企業に就職するのが当たり前と思っていた私からすると、新卒でフリーランスで生きていけるの?と不安に思い、猛烈に働かないと食べていけないのかな……と恐れすら感じます。笑

しかし、2023年3月に大学を卒業し、パワフルに新卒フリーランスを体現している、もんちゃんこと前田紋華さん。

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"愛を最優先に生きる自分”をコンセプトに、暮らしも仕事も自分らしく生きるためのコーチング・プログラム「ナエドコ」でもんちゃんと出会った私。
そこで、各自が描いた「理想の暮らし」を共有する回にて、もんちゃんのある一言に強烈に興味をそそられました。

もんちゃん : 生きるためのセーフティーネットが、生活保護のような行政サービス以外にも「人とのつながりのある世界」であったらいいなと思っているんですよね。

当時もんちゃんは、大学4年生。その時点で、社会課題について自分なりの考えを持ち、しかも理想があることに驚いたのです。

もんちゃんは、大学で栄養学を学びながら「旅するおむすび屋」そして「ミライモ」の活動で全国を回っています。どちらの活動も各地で農家さんや漁師さんなどの生産者さんたちに会い、人となりや商品の魅力を、デザインやコミュニティを通して伝えるのがもんちゃんのお仕事。

生産者さんとのつながりができていくことで、お顔が見える「食」をいただく経験が増えたもんちゃん。お仕事の対価として食材をいただくことも多く、これだけのつながりがあれば、食べることに関しては困らず生きていくことができるかも、と感じたそう。そしてその世界観を広げていきたいとも考えています。

もちろん大学でも活動的なもんちゃん。アメフト部のマネージャーとして選手のパフォーマンスをあげるためスポーツ栄養学を実践してみたり、学内のチャレンジ奨励金を獲得、食品衛生責任者や営業許可などの申請も一人で行い、大学の一室を改修しておむすびを提供してみたり……とにかくパワフルなのです。

そして、いつももんちゃんの活動の中には、「食」「デザイン」「未来」というテーマがあります。

その世界観とパワフルさにとにかく刺激を受けた私。もっともんちゃんの話を聞きたい、そしてもんちゃんの存在が広まりハッピーな生き方を選択できる人が増えてほしい、と思い今回インタビューをさせていただきました。

もんちゃんがなぜそのような生き方ができるのか、その根源とこれから思い描く未来を紹介していきます。

幼い頃から体験を重視して培ってきた価値観たち

目的意識を失わない強さ

私が進む方向はこっち!と言っているような幼き頃のもんちゃん

もんちゃんのご両親は自営業。毎日お忙しく、もんちゃん自身は託児所代わりのテニスクラブで日々を過ごすことが多かったそうです。当時はテニスをすることがトイレに行くのと同じくらい生活の一部になっていたそう。

しかし、もんちゃんが中学生のときクラブ内で指導者との信頼関係が崩れるような問題が起こり、同世代がどんどん辞めていく事態に。

もんちゃん : 問題が起こりいろいろ傷ついたけど、私はクラブに残ったんです。その理由はここに「テニスをしにきている」という目的がありました。

私がもんちゃんの立場だったら、周りと一緒に辞めてしまうことが容易に想像されます。しかし、この環境に何をしにきているかという目的を見失わず意思をもって練習をつづけたもんちゃん。このときに目的意識を大事にする姿勢が培われたようです。

「わかるひとにはわかる」の良さ

テニスに打ち込み続け、高校生の時にはアメリカに遠征へ。そこで、選手が練習に打ち込めるようたくさんの人が関わっていることに気がつきます。

もんちゃん : 遠征先はスタッフの数が多くて。例えば、トロッコの運転手や掃除をしている人、ごはんを作っている人……。本当に多くの人がこの施設に関わって、選手が練習できる環境になっていると気づいたんです。それで支える人ってかっこいいと思ったんですよね。

テニスの技術を強化するために行った遠征ではありましたが、選手を支える人たちがいるからこその環境があるということを目の当たりにしたもんちゃん。

そして、同時にある価値観にも気づきました。

もんちゃん : 支える人のかっこよさって、私がその施設に行ったから見えた景色だと思うんですよね。多くの人が知っているわけじゃないけど、わかる人にはわかる、そういうのが多分好きなんだと思います。

自分で実際に見て気がついたことで理解し納得したという言葉には熱がこもっていたように感じました。

では、なぜもんちゃんは「わかる人にはわかる」という価値観をもっているのでしょうか。それはご両親からの学びが大きかったようです。

ご両親からの学び

もんちゃんは幼い頃から、ご両親に「わかる人にはわかる」という価値観を大事にすることを教えられていました。

実はインタビュー前、ご両親から新卒フリーランスについて反対されたと聞いていたので、外向けに良いところを見せたり、世間への見え方を大切にされたりしているから……?と感じていました。

もんちゃん : 新卒フリーランスについて、世間体とか誰かにこう思われるからという理由で反対されていたわけではないです。両親が経営者で、働くことの大変さを知っているから、純粋に自分のことを心配していたのだと思います。

新卒フリーランスへの反対は、素直にもんちゃんのことを心配していたから。そして、「わかる人にはわかる」という価値観は、ご両親が自営業で中にいる人を大切にするということから発生したものでした。もんちゃんが素敵な理由はご両親が素敵だからだな、と納得。

そして、もんちゃんがご両親から影響をうけたことは他にもあります。

もんちゃん : 自営業だから従業員さんより働いているし、休みも週1くらいで。仕事に対する姿勢とか量的なところは、一般的な感覚より多かったと思います。朝から夜遅くまで働く、そういう姿を見ていました。

ご両親が非常にお忙しいことが伝わってきます。そんなご両親をみて寂しさや反発はなかったのかという問いに、寂しさも反発も全部あったと答えたもんちゃん。それでもご両親が何のために働いているかということを感じ、理解していました。

もんちゃん : これくらいの量を働いてこれくらい稼げは、私が過ごせているような生活が自分の子どもにもさせられると思っていました。でも私たちのために働いている両親をみていて、「自分のせいで申し訳ない」という気持ちになったこともあったんです。

それで最近、両親に「もう子育ても落ち着いたんだしそんなに働かなくていいんじゃない?」と聞いたら「お客さんが来てくれるのは有難いことだからね、手は抜けないよ」と言われて。

自分が働くようになり、改めて両親の働く姿を見たときに、目の前のお相手一人ひとりに真摯に向き合い仕事をしていることに気がつきました。

「前田さんがそういうならそれにしよう!任せるよ」と言ってくれるお客さんも多いそうで、両親が目の前の人に向き合って積み重ねてきた信頼の厚さを感じるんです。

両親の会社は地方の小さな販売店ではあるけれど、毎年取引先から表彰を受けたり、社員研修で登壇者として呼ばれたりしていて。そういった結果につながるということを両親の働く姿から教わりました。

私も目の前の人、一人ひとりに向き合って、自分のできることを全力で行いたいと思います。

ご両親が、お客さん一人ひとりに向き合い積み重ねてきた信頼や成果。そのために熱量高く働いていた姿をみて、もんちゃんのパワフルさが形成されていたことがわかりました。

続いて、もんちゃんが現在の活動を行うに至るまでのエピソードをお伝えしていきます。

今のもんちゃんを作る人達との出会い

理想の働き方に気づくきっかけとなったインターン時代

大学2年生のとき、人材紹介の会社でフルタイムのインターンをしていたもんちゃん。1年半勤務した感想は「もっと自分らしく働きたい」だったそうです。

そう思った理由は仕事の内容というより、働く大人の様子や通勤中の雰囲気にしんどさを感じたから。

もんちゃん : 忙しそうだったり、疲れたりしている人をみると心が痛くなってしまうんです。社内でも疲れている人をみると自分も疲れてしまって。あと、通勤中の人たちをみるのがつらかったです。歩いている人が冷たいというか、暗くて青いオーラをまとっているような感じがしました。

自分はいいことも悪いことも人に影響されやすいから、と話してくれたもんちゃん。この体験が、後に新卒フリーランスという理想の働き方に気づくため重要になるのです。

「旅するおむすび屋」菅本香菜さんとの出会い

何気ないきっかけから「旅するおむすび屋」の菅本香菜さんとお会いしたもんちゃん。初めて香菜さんに会ったとき、あたたかいオーラが見えたそう。そして全国を回りながらお会いする生産者さんや地域のおばあちゃんたちはみんなそうだ、と言います。

「旅するおむすび屋」の菅本香菜さんは拒食症経験者。拒食症を完治させたときに、食べる喜びを感じた香菜さんはこんな目標を持ち活動されています。

「食べることは生きること。そして生きる喜び」だということを1人でも多くの方に共有し、次の世代へ“美味しい”を繋いでいくこと。

「はじめまして。旅するおむすび屋です。」より
https://note.com/kana314/n/nba716645fe2f

日本のソウルフードである「おむすび」を、全国各地で、その土地でとれた食材を使用し地元の人にふるまう。そして「美味しい」体験を日本のみならず世界中に伝えていこうとされています。

そんな香菜さんや生産者さんたちをあたたかいと感じた理由を、もんちゃんはこう語ります。

もんちゃん : 自分の手段を使って叶えたい世界観を持っていて、それ自体がその人の生き方になっている感じかな……香菜さんだったら「おむすび」が手段ですよね。

それから、暮らしという大きな枠の中に、働くがある方が多いかと。これまでは暮らすと働くが別々だった方が多かったんです。もちろんどちらがいいということではないのですが、あえていうならこの生き方に自分の理想があるかなぁと!

もんちゃんが日々お会いしている生産者さんたちは、叶えたいことが自分の中にありその夢にむかって日々を生きているそう。そして、もんちゃんも暮らしという大きな枠の中に仕事がある形で生きていきたいと考えているのです。

「旅するおむすび屋」の香菜さんと出会ったときの詳しい状況はもんちゃん自身がnoteにまとめています。こちらもぜひ合わせてどうぞ!

それでは、もんちゃんが新卒フリーランスとして叶えていきたいことはどんなことなのか、覗いていきましょう。

もんちゃんが見据える未来

「ミライモ」と未来にむけて行動する

のり漁師である相澤太さんが発起人の「ミライモ」という生産者向けコミュニティで、デザインと運営を担当しているもんちゃん。「ミライモ」では商品だけではなく、全国の生産者が横でつながり一緒に未来も育てることをミッションとしています。そして、もんちゃん自身、このコミュニティにほれ込んでいるそう。

もんちゃん : ミライモは、関わっていて自分でもいいコミュニティだと思います。だから生産者さん同士の新たなつながりや発想の場にもっとしていきたくて。

これは私得ですが、生産者さんのこだわりをたくさん聞いて、しかもその方の食べ物を食べられるのが本当に最高なんです!この感動をいろんな人と共有できるように生産地ツアーやイベントを企画中です!

一番左がもんちゃん。発起人の太さん(右から2番目)と、ミライモメンバーである牡蠣漁師さんの誕生日をお祝い! photo : tange megumi

そもそも「ミライモ」は環境問題を解決したいという太さんの想いからはじまったそう。

もんちゃん : 太さんは、普段海に稼がせてもらっているから、恩返しをするつもりで海の環境を伝えるというワークショップをされていて。こういった動きができる、「未来も育てる一流の生産者」を増やしたいということでミライモができたんです。

環境問題の根本的な解決には、生産者だけではなく食べる人も一緒に問題に向き合っていく必要があるというのが「ミライモ」のスタンス。もんちゃんは食べる人の立場が近いと思いますが、生産現場をたくさん見てきている中で自分に何ができるかを考え行動しています。

ただおいしい食を提供するだけ、食べるだけではなく、未来につながる選択で未来を育てていく。

テニス遠征や「旅するおむすび屋」での活動と同様、自分の目でみてお腹や肌で感じた実体験が、もんちゃんの原動力になっているのです。

「ハッピー人間」を増やしていきたい

その原動力でもんちゃんが叶えていきたいことはどんなことなのでしょうか。それは、食を通してハッピーな気持ちを持った人を増やしたいというものです。

人は基本的に毎日食事をします。そして、毎度自分で何を食べるかを選択しています。その食事が幸せな時間になれば、日々が幸せになり、積み重ねで人生がハッピーになるのではと語るもんちゃん。そういった積み重ねをしている人を「ハッピー人間」ともんちゃんは呼んでいます。

もんちゃん : 私の周りだけでいいから、「ハッピー人間」が増えたらいいと思っていて。それは、インターン時代の経験から、いい影響を与えてくれる人の周りにいたいと考えているからでもあるのですが。

「ハッピー人間」を増やしていきたい、自分に関わる人がみんなハッピーになってほしいと考えているんです。

そして自分が「ハッピー人間」の体現者であるがゆえに、もんちゃんには大切にしていることがあります。

もんちゃん : 私は、生産現場をみているからこそ、その人が命を懸けて食材を育てていることを知っています。私はその「命」をいただいている。だから、「命」で成り立った自分を大切にしたい、自分自身がハッピーでいたいと思っています。

毎日の食を通じて、自分をハッピーに満たす。そのあふれた部分を循環させ周りの人をハッピーにしていく。

もんちゃんの叶えたい世界とそのために自分を大切にするという言葉に、勇気と感動をもらった私。自分自身もいろんなつながりがあっての自分たるということを忘れないでいたいと思いました。

もっともんちゃんのことを知りたいあなたへ

もんちゃんファンの私は、「aiyueyo」というメディアでもインタビュー記事を書かせていただいています。こちらでは、もんちゃんが食で日常が変わった体験やデザインで何をしていきたいかについても書いてあります!

私のようにもんちゃんに惚れてしまったあなた、ぜひ覗いてみてくださいね!

また、各種SNSの発信もぜひご覧ください!

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さぁ「ハッピー人間」になろう!!!

取材・文:ノゾミ
SpecialThanks:久保みのり | kubomi 、かなえーる

サポートいただきありがとうございます☺️あなたに良いことが起こりますように🫶