チーム胃薬。という人たちがいる。

 二次創作、ファンアート、そういう文化があるのはご存知だろう。たぶん。

 何かしらのコンテンツのファンがそのコンテンツをテーマにして創作するファン活動だ。そう思って概ね間違いない。

 イラストや小説、漫画などの形がメジャーだろう。


 俺はアイドルマスターシリーズが大好きなのでアイドルマスターシリーズのファンアートをよく見たり読んだりする。

 そんなある日見つけたのが胃薬。さんだ。チーム胃薬。という人たちがいるんだ。

 チーム胃薬。(正式な表記がよくわからない)はMr.ストマックさんとトミザワさんからなる二人組のユニット。アイドルマスターをテーマにしたファン活動をしている。

 彼らの創作物は説明するより見てもらう方が早い。

 彼らの表現形態は音楽。ファンアートの世界で音楽という形態自体はそう珍しいものではないが、その多くは作品の楽曲のカバーであったり、もしくはキャラクターをイメージした音楽だったりする。そういうのも好きだ。

 だが彼らがやっているのは、なんだ。なんなんだよ。これは。キャラクターへの思いを歌にしている。それもとびっきりネチョネチョした思いだ。


 さっき紹介した楽曲、『私は飴になりたい』はアイドルマスターシンデレラガールズの双葉杏へのネチョネチョした下品な思いを歌にしたものだ。

 俺はこれを聞いてめちゃめちゃに感動した。めちゃめちゃにだぞ。

 初めて聞いた時「アーー!! その手があったか!!」とその場で転げ回った。悔しいとさえ思った。コンテンツへの愛を表現するのにこんな方法があったなんて。俺が先に思いつきたかった。そういう悔しさだ。

 そしてもう一度聞いた。やっぱり感動した。


 まず曲がかっこいい。俺が音楽を語る語彙を持ち合わせていないのでバカみたいな表現になるが、なんか爽やかでチョーかっこいい。

 そして何より歌詞だ。飴になりたいというテーマで詩を書いたとして

 「君の歯列で泳ぎたい」

 なんてフレーズ、俺が一生かかっても捻り出せねえ。


 もう一曲紹介しよう。

 タイトルからしてド直球に下品だ。最低と言ってもいい。爽やかな歌声で歌い上げる歌詞もよく聞いたらマジでクソ下品だ。

 しかしただ下品なだけじゃないんだ。いや下品には違いないが。

「私は飴になりたい」も「鷺沢さんがトイレに入ったら耳を澄まそう」も、彼らの他の楽曲も、どの曲を聴いても胸に浮かぶ一つの感想。


「俺もそれやりたい」


 俺も杏の飴になりたいし、鷺沢さんがトイレに入ったら耳を澄ましたい。

 もちろん彼らの曲を聴くまでそんなこと全く思いつきもしなかった。なのにとても力強く共感してしまう。

「ケーキ食べたい」「俺も」という共感の形があったとしよう。この時ケーキが素敵なものだと皆知っているので共感が生まれる。

 胃薬。の歌詞が教えてくれるのは、新しいケーキだ。今まで思いつきもしなかったけど、確かに素敵にちがいない。そういうものを教えてくれる。爽やかに、クソ下品に。

 胃薬。今後も応援していきたい。


 胃薬。さんとこのツイッター


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なんか縁ができて今度胃薬。お二人が不定期に行なっているニコニコ生放送にゲスト参加することになった。イェーイ。

6/8(金)の22:30あたりから胃薬。さんのニコニココミュニティにて放送される予定だ。多分。


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