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【翻訳記事】ウォーハンマーRPG第4版:娯楽と利益のためのモンスターハンティング/WFRP: Hunting Monsters for Fun and Profit

Cubicle7の、2020年3月18日の記事を翻訳しました。上記リンクより原文が読めます。ウォーハンマーRPGの卓準備に役立ててください。


#WarhammerWednesday

本日の内容はウォーハンマーRPG編集者、Pádraig Murphyより怪物(モンスター)について――追跡する意味は何か、そして狩り方について!GMがプレイヤー達を驚かせたり喜ばせるために利用できる、珍しい狡猾なけものどもを、Pádraigがお送りします!

では、読み進めて危険なけものどもを狩って気を紛らわせてください!!ウォーハンマーRPGルールブックのご注文はこちら、私たちのウェブサイトかPDFをここでご購入できます。

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娯楽と利益のためのモンスターハンティング/Hunting Monsters for Fun and Profit

やあみんな、怪物狩りは、いろんな意味で、あらゆる種類のロールプレイイング・ゲームで容易く達成できるものだ。酒場で冒険をスタートしたり、地下室の大ネズミ駆除と同じように、「ココに行ってアレを殺れ」の典型だ。以下にはあなたのゲームを同じようなものにする3つのポイントがある。

お約束のベストな所はそれを覆す所/The Best Part of a Trope is Subverting It

旅人も滅多に来ず、政治の場でもほとんど話題に上がらないような小さな村で問題が一つ。怪物が村を脅かしているのだ――家畜を殺め地元民を恐怖させる。すでに旅人も道端で殺しているかもしれない。こんな彼らを誰が助けてくれるのか?はたして少し汚く妙によく武装し偶然にもぶらりとやってきた、見知らぬ集団が救うのか?

プレイヤーたちは、まさしくこのタイプの冒険へあまりに慣れてるために、私たちは彼らの期待を覆すチャンスがある。怪物なんていなくて、山賊の一味が証跡を消すための口裏合わせかもしれない。あるいは怪物は本物だが、手ごたえのある狩猟のために地元貴族が領地に放ったのかもしれない。もしくは怪物は地元の事件の原因では全くなく、エンパイアの小作農による恐怖と迷信のためのスケープゴートなのかもしれない。機会はいくらでもある。

我々だって英雄になれる(1日に限り)/We Can be Heroes (Just for One Day)

時々、直球に物事を進めた方が意味が通る時がある。オールド・ワールドにおいて品行方正な英雄なぞ希少種で、PCも例外ではないからだ。ウォーハンマーRPGは白黒がはっきりつかないものが多い、微妙な物語を伝えてこそ生き生きとする。貪欲な怪物から村を救うことは、より複雑な物語の合間に挟めるよい息抜きとなる。 キャラクターの動機が純潔であるべきだというわけではない――素敵な報酬を約束されてやっと手を挙げたのかもしれない――しかし、せめて世界が彼らの行いでわずかばかりに安全になったという前提で得たコインを楽しめるだろう。

怪物は面白い!/Monsters Are Fun!

オールド・ワールドは暗く恐怖で満ちている一方、プレイヤーが特定の脅威をよく理解しているあまり日常茶飯事と認識し始めることがある。スケイヴンはエンパイアの住人たちにほとんど知られていない恐ろしい脅威であるが、あなたのプレイヤーたちはスケイヴンのアーミー・ブック(※)に目を通し内容を熟知しているのかもしれない。もしかしたら、あなたより詳しいのかもしれない!とはいえ、単発の怪物、魔法の落し子、混沌、はたまたさらに古なる勢力は、GMに未知で不思議な脅威を紹介させる機会を与えてくれる。

※訳注:「ウォーハンマー・ファンタジーバトル」における勢力ごとの部隊データや固有ルール、設定が載った書籍のこと。

ウォーハンマーRPGルールブックに載っている多くのクリーチャーは、複数の”クリーチャー特徴”が選択肢にあることに気が付くだろう――使え!クリーチャーを驚異的にさせるだけでなく簡単に予想できなくさせる。クリーチャーを自作しよう――ドラクヴァルトや最果て山脈、古の倒壊都市モーダイムの納骨堂からはいったいどんな新しい恐怖が這い出てくるだろうか。

怪物と戦うものは…/He Who Fights Monsters…

大半の放浪する冒険者たちは、怪物狩りへ専念する十分な理由があるが、いくつかのキャリアは特に適している。狩人と魔狩人は当然な候補だとして、多くの学者たちだって発見したもので手柄をあげられると信じ自分の本の山から出て旅をするかもしれない。街道巡視員や河川巡視員は幾匹かの怪物を、コソ泥や難破船荒らしと同等の脅威とみなし、放浪する騎士たちは最も危険な化け物と戦うために己の技術を買われるかもしれない。似非魔術師たちはかつて壁の向こう側からの襲撃を恐れるどんな農民もが真っ先に頼る先であったが、近年はそんな風習も途絶えた。とは言え、似非魔術師はエンパイアと荒ぶる”向こう側”の間の古の境い目を注視しており、小規模のコミュニティの安全を脅かされそうになれば、それを最初に言及しがちだ。

狩りを始める/Beginning the Hunt

文明に対する脅威を理由に多くの怪物が討たれる必要があるが、キャラクターがけものを狩りたがる理由は多岐に渡る。一部の怪物、と言うより一部の怪物の部位は薬学上や魔術師たちの強力な試薬となる。例えば、姿変えのポーションには変わった後の姿の怪物の血、髪、鱗や角が必要で、竜の血液は永続する魔法効果の生成に必須だと言われている。あるイカの足爪には強力な薬学的効果があると噂されていつつも、多くの場合イカ自体があらゆる病と同等に危険性があるのだ。

野獣を斃す他、生け捕りにも需要があることが多い。 アルトドルフにある帝立動物園には様々な怪物に対して懸賞金がかけられており、中には実在する生き物もいる。デミグリフ、グリフォン、それに熊だって騎乗として軍事的に一定の価値があり、健康なあらゆる種類の生物に良い金額を支払ってくれる旅するカーニバル、動物園、それに秘められた組織がごまんといる。

どこに杭を打つ?/Where Do I Put the Stake?

怪物と言ったら、奴らの強みより、弱点こそが定義づけるものだろう。血を啜る肉体的に強力な怪物でも、日光、銀やニンニクへの弱さが無くても、吸血鬼(ヴァンパイア)と言えるのだろうか?キャラクターたちにはそんな弱点を発見し利用できる機会が設けられるべきだ。むやみに突っ込むより思慮深いアプローチにご褒美を与えられる。

これらの弱点は目撃者の証言から発見できるかもしれない――怪物が聖なるシグマーを上に掲げた扉がある家への侵入を避けた、もしくは家の主人が冬じゅう炉床でサンザシを燃やしていた所、震える老婆に見られていた、など。彼らはそのような情報を怪物に関する古文書の中に見つけるかもしれないし、全盛期は怪物狩りに乗じていた存命の専門家から聞けるかもしれない。エンパイアの狩猟長官/Huntmarshal、マーカス・ウォルフハートは天下のあらゆる怪物を追い、奴らの弱点を知ったとされるが、彼はあまりに謙虚なため自らそんな主張はしない。

怪物を生け捕りにするには、網、投げ縄、ボーラ (ウォーハンマーRPG p.295) が必須と認められるだろう。マンドレイクの根や夜の帳 (ウォーハンマーRPG p.306) などの毒や薬草で怪物を昏睡させるのも有用な戦術だろう。どうにか怪物に調合物を投与できるならば。

怪物のための銀/Silver for Monsters

魔狩人の所持品 (WFRP 92) には下記に詳細のある、「銀製の刃」が含まれる。銀製の武器は何ができるのか?これらは特にヴァンパイアに対して有効で、この夜の恐怖に攻撃する時「損傷」の特性を得る。魔狩人の中には他のアンデッドに対しても有効であると主張するものもいる。これらのクリーチャーは伝統的な武器でも倒されうるが、いくつかの怪物は魔法をかけられても祝福されてもいないような武器に完全耐性を持つ。そのようなけもの達には銀製の武器は実証された戦術である。

クリーチャー特徴:完全耐性(普通の武器)

このクリーチャーは普通の武器からのダメージ(致命的負傷を含む)に完全耐性を持つ。これは銀が塗布されているか、魔法的である武器か、「魔法的」のクリーチャー特徴をもつクリーチャーの攻撃を含まない。

銀の武器の作成/Creating Silvered Weapons

銀塗りの刃に必要な銀の両は意外と少ない―基本的な片手用武器なら1GCくらい、ダガーやナイフなら10/-、より大きな刃なら2-3 GC。

どんな鍛冶師も通常の武器の価格に加えて上記の通りの金額でそれに合った銀の刃を作成できる。例えば、銀塗の片手用武器は2GCかかる。

銀塗りの武器はすぐに切れ味が落ちてしまう。銀製の武器は、それで行ったいかなるテストの結果がゾロ目かつ失敗してしまった場合、あなたが研ぎなおすまで非致傷の欠陥を得る。価格3/-の一般的な砥石と、数分の努力があれば普通は十分だ。

確かに、この欠陥を持たない、長持ちする銀製武器はある。値は張るが。正しく武器を銀塗するには腕の良い鍛冶師が正しい比率の銀と、銅と3つ目の秘密の材料による合金を作る努力が必要だ。出来上がった刃は十分研ぎ澄まされつつも、吸血鬼や、他の不浄な血肉を焼いてしまえるだけの銀を含んでいる。

鍛冶の専門家、例えば最高級の人間鍛冶師か、熟達したドワーフのみがこれを成しえる:経験の豊富な魔狩人は間違いなくそのような才能ある者と縁があることだろう。このようなエキスパートは自身の技術どれくらい貴重なのか、かなり理解している傾向にあり、それ相応の請求をする。このような達人によって鍛えられた片手用武器は最高30GCもかかることがある。時には、鍛冶屋の方が 魔狩人の援助を必要としていることがあり、報酬代わりに少し武器の鍛造をしてもらうよう頼み込める。

銀の矢弾は、その寿命が些末な懸念であるため、比較的単純である。銀の矢は10本で5GC で買えることだろう。たやすく矢尻が曲がってしまうため、それぞれ一回だけ使える。銀の銃弾の作成はさらに簡単で、10発につき3GCで買えるが、多数は鉛が十分有効だと気づく。ラッパ銃のケースでは、特殊弾は片手間で準備できてしまう――銀のコイン一握り程を銃口に詰めればあらゆる吸血鬼に対する素晴らしき対抗策だ。少なくとも多くの御者はそう主張する。

かいじゅうたちのいるところ/Where the Wild Things Were

驚異的な常連どものいくつかを狩るためにあなたのキャラクターを出立させる理由を一つ二つあることを期待している。そうすることで栄光と金を浴び、少し運があれば生き残り四肢の大半を残せることだろう。もしあなたがプレイヤーに投げつける怪物のアイデアを探しているなら、下記のフェンビーストの亜種は楽しい狩りを作ってくれる。加えて、たとえ怪物が倒されても、これを生み出した者はいったい誰なのか、という秘密は好奇心の強い冒険者たちへのきっかけとなるだろう。

フェンビースト/Fenbeasts

フェンビーストは泥、湿地、そして魔法の生物であり、多くが死んだ大規模な戦いがあった沼地で集められた物質で組み立てられている。怪物はアルビオンの神秘的な島とのつながりが多少あるが、 詳しいことは エンパイア有数の学者たちから仮説が立てられているのみである。オールド・ワールドにおけるフェンビーストの存在は基本的に何かしらの魔法の使い手が居ることを示唆しているが、製作者の真の理由や意図は謎に包まれている。

ライクランドには、少なくとも1体のフェンビーストがいるという噂がある。ヘイバークライブス西端はハヴェルファート村周辺にいるそれを、地元民は理由は不明ながらも「虚ろなる古き子(ホロウド・オールド・サン)」と呼び始めた。地域のぬかるみは賢明帝マグヌスの時代に大きな戦の舞台となった所で、何千人も殺害されたとされる。 死んだ兵士の骨によって、悪臭放つフェンビーストの姿は当時の武器や防具によってでこぼこしており、その中には少なくとも一つは何世紀も沼に沈んであったのに、刃にしては妙に保存状態の良いものがあるのだ…

移:5 【武技】40【射技】–【筋】50【頑】60【機】10【敏】15【器】10【知】–【志】–【協】–
耐:44

クリーチャー特徴:暗視、サイズ(大型)、魔法構築物、ナワバリ意識、恐怖(1)、完全耐性(生命の魔法体系)心理特徴無視、感染、沼渡り、武器+9

特殊:沼や湿地にいる時、フェンビーストは再生と不死のクリーチャー特徴を得る。もしフェンビーストを少なくとも1時間以上、湿地からおびき出したなら、フェンビーストは干からび始める――サイズ分類が中型まで縮む。これにより耐久値は22減少し(最低1)、いかなる火の発生源にも触れたならば炎上状態を5つ(各ターン1d10+4のダメージ)を受ける。
注釈:サイズ(大型)のためフェンビーストの攻撃はエルフ、ドワーフ、人間に対してのみ損傷の特性を得て、ハーフリングのみ、それに加えてダメージが2倍になる。〈近接攻撃〉を用いた防御は-2SLのペナルティを受けて、この怪物は優位を1消費することで踏みつけ攻撃(+5)をより小さいクリーチャーたちに行える。さらにこれは薙ぎ払いを得て、成功する限り1ターンに4体までの異なるキャラクターに対して攻撃できる。間近に相対するには実に恐ろしい生物だ!

Pádraig.

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