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映画『THE FIRST SLAM DUNK』を見て思ったこと🏀

こんにちはmaimaiです🐌

みなさんは、映画『THE FIRST SLAM DUNK』はご覧になられましたか?
昨年の12月3日に公開された映画『THE FIRST SLAM DUNK』は、原作『SLAM DUNK』の連載、アニメの放送が1996年に終了してから、26年ぶりのアニメ映画です。

この『スラムダンク』は国民的なバスケの漫画として、熱狂的なファンも多いですね。私も世代ではないのですが、昨年友人の勧めでアニメを一気に見ました。そこからは見事にドはまりしてしまい、今回の映画ではムビチケを販売初日にしっかりゲットするほどでした。。。生まれる前の作品なのに、こんなにも楽しめるアニメはそうそう無いのではないかと思います。(ちなみに推しは「宮城リョータ」です。)

今回の映画はかなり楽しみにしていたのですが、想像以上に公開前の評判は悪かったように思います。もちろん熱狂的なファンが多いからこそ、公開前から注目も集めていましたし、期待値も高かったように思います。それも相まってか、度々炎上していた記憶があります。どんな炎上だったのでしょう。

○炎上理由その1

「声優の世代交代」
これはかなり話題でしたし、私自身もアニメ派だったのでかなりショックでした。てっきりアニメの声優のまま映画も・・・と思っていましたから。

○炎上理由その2

「あらすじや映画の内容がほとんど公開されないまま劇場公開」されたこと
公式Twitterでは
「わたしたちは “映画館で最大限の驚きと喜びを体感していただきたい” という想いから、映画の内容をあまり公開しないようにしてまいりました。」と情報をあえて制限していたことも明かしています。
情報過多なこの社会において、あえて「わからない」状態にしておくことは正直、ハイリスクだと思います。「わからない」からこそ気になるという側面もあれば、そのことへの不平不満の声も上がる。

また、このnoteのプロデューサーをされている徳力基彦さんは、同じように映画『THE FIRST SLAM DUNK』についての記事を書かれているのですが、事前情報をほとんど出さない非常識なアプローチに言及していました。
(以下、徳力氏の記事を私なりに簡単にまとめています。)

通常、映画館で公開される映画においては、公開直前から様々な形で情報を出していくことで、盛り上げを演出していくのが「常識」です。公開初週の興行収入が最も重要なため、そこに向けて予告編の公開や、あらすじの公開、関係者のインタビューやメディア露出をさまざまに仕掛けていくのが一般的になります。しかし、今回の映画『THE FIRST SLAM DUNK』では制作陣も東映も、徹底的に映画に関する情報をほとんど出さないという選択をしました。「あらすじ」すら公開しなかったことや映画館で配布するチラシも作らなかったことから、映画業界から言えば「非常識」なアプローチだと言えるわけです。
また、世間の映画に対する注目度が高いのに対し、メディアとしては数少ない話題から記事を書くしかないため、批判記事が必要以上に注目を集めた結果になっていました。


少し脱線しましたが、徳力氏も言及している通り、実際は「情報量の少なさ」と「声優の変更」の二点が炎上の大きな理由になっていると思います。

○それでも映画『THE FIRST SLAM DUNK』はよかった

作中では、各登場人物(主に宮城リョータ)の過去に触れる場面と山王戦の試合の場面が交互に流れる形式が取られていました。知らなかった登場人物達の『リアル』なドラマは、その人物に奥行きを持たせ、時に胸に強く迫るモノもありました。
また、試合の場面は、従来のアニメ版とは異なり、CGによるものでした。動きに覇気がないと、バスケのスピード感が損なわれてしまうのでは、という不安もありましたが、実際はとてもスピード感のある映像で、ドリブルの音やバッシュと床の擦れる「キュキュッ」という音もかなり臨場感がありました。私は本物の試合を見たことはありませんが、バスケットの試合を見ているかのような映像だったと思います。

また、ネット上では前評判はあまりよくなかったのに対し、放映後はスラムダンクに関するツイートが多く、66,000件を超えてTwitterにトレンド入りしました。
徳力氏も「映画が非常に革新的なつくりでもあり、完成度が高いからこその秘密主義だった」と述べています。
ただ、原作を知らないとついて行けない部分も多いため、『スラムダンク』をみるのが初めての人にとっては、各登場人物の説明が少ない気もします。主要キャラ五人の過去については作中で触れている部分もありますが、観客席にいるキャラへの説明は少ないです。
たしかに限られた時間の中でそこまでの説明を含めた上で山王戦と宮城リョータについて取り上げるのは難しいと思います。
そういう意味で、割と原作を知っている読者やファンにフォーカスした映画だったかもしれません。桜木花道ではなく、次期湘北のキャプテンである宮城リョータを主人公に据えたのも、そのキャラの人らしさ(悩みや葛藤とそれを乗り越えていく姿)を際立たせるためだったのかも・・・とか考えたりもします。

○最後に

今回は映画『THE FIRST SLAM DUNK』の炎上、そしてその炎上を乗り越え、大ヒットとなったことについて少し掘り下げてみました。記事を書いていて思ったことは、スラムダンクのようなコアなファンが多い映画であれば、従来のメディアなどを積極的に活用した宣伝ではなく、ファンの推測や口コミで作品についての情報が拡がっていくということです。
これは新しい映画の宣伝方法になり得ると思います。「ファスト映画」なんて言われて、ネットで調べればすぐにどんな映画かが分かってしまう現代で、観客に「どんな映画なのか」と思わせるだけの余白を残しておくことで公開前から様々なツイートや口コミがされる。面白いアプローチだなと思います。(このアプローチで大きな効果を得るにはまだまだ検討すべきことも多いように思いますが)

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