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交換日記

自分がイメージしていた『教師』とは少し違う業務をこなしている日々に、刺激を感じたり、虚しさを感じたりと、、、

僕は今、いわゆる教育困難校と言われるような職場で働いています。

平凡な家庭に生まれ、極々普通の幼少期を過ごし、小学校、中学校、高校、大学と、今まで何不自由なく生きてきました。

当然僕の周りも同じような境遇の人ばかりでした。

今の学校に異動になった時、僕は戸惑いました。

自分の人生の中で関わってきたことがないような人間がたくさんいる、、、。

そんな僕も、今年で赴任7年目を迎えます。

この7年で色々なことがあり、その都度成長することができました。
今となってはこの学校に来て良かったと心から思います。

様々な教育実践を行いましたが、その中でも今年で続けて4年目になる取り組みがあります。

今日はその取り組みについてお話しさせていただきます。


『担任ってだけやん〜!』


今でもはっきりと覚えてるんですが、生徒がそんな発言をしました。

別に悪意ではなく、むしろ冗談めいた感じで言われた言葉です。

なので、特にショックとかそんなのは全くなかったんですが、なぜか心に残りました。

『確かに、、当たり前やけど、自分って4月にこの生徒の担任って決まっただけで、この生徒の家族でもなければ友達でもない』

『こんな自分に本音でぶつかってくれるんだろか?』

家族や親友ほどではないにしても、1人の人間として認めてもらわないと、生徒が困ってる時に声すらかけてもらえないんじゃないだろうか?

少なくとも僕は、昨日今日担任になった大人に、自分を曝け出して夢を語ったりはしないし、悩みを打ち明けたりはしないな〜、、、

ただ、クラスの生徒全員と深い信頼関係を築き上げることなんて不可能です。

けど、生徒が少しでも『コイツは自分のこと本気で見てくれてるんだ。』と思ってくれれば、

より本音を僕に伝えてくれるんじゃないだろうか? 

ここぞという時に、しっかりコミュニケーションがとれるんじゃないだろうか?


そう感じた僕は


交換日記を始めました。



1人に一冊、交換日記を4月の学級開きの際に配布しました。 
毎日必ず何かを書いて提出することがルールです。
その日記に対して僕が赤ペンで返事を書きます。

クラスの3分の2程の生徒は毎日必ず提出してくれます。

実際に生徒が日記に書いた内容については
『だるい』
『眠かった』
『楽しかった』
『頑張った』といった一言パターン

自分の趣味などについて語るパターン

今日の1日を振り返った長文パターン

絵しりとりパターン

などがありました。

残りの3分の1の生徒は忘れたり、めんどくさがったりして出してないのですが、放課後に机の中から取り出して、空白に対して返事を書いています笑


1番嬉しいのは日記を書いてくれることではなく、交換日記を生徒に返したら、チラッと僕の返事を見てくれてる瞬間です。

普段クールな生徒、普段やんちゃな生徒、交換日記をそもそも出してない生徒、とにかく日記を返却したらみんなとりあえずチラッと見てくれます。

その光景を見ることで、また明日も返事をたくさん書こう!という気持ちにしてくれます!

交換日記をすることで、生徒の考えだとか、進路意識だとか、悩みなどが分かるという訳ではありません。

生徒への理解が進むとはお世辞にも言えません。

けど1番の目的である
『コイツ、自分のこと見てくれてる?』
って感じてもらうという点においては、ある程度手応えを感じています。

4年もこの活動を続けていると、

もし交換日記をやめてしまえば、担任としての自信が湧いてこないような気がします。

それくらい僕にはなくてはならないものになりました。


そして、返事の書き方の自分なりのテクニックを身につけました!

ある日の僕の返事です。

『A君、今日は体育でめっちゃ頑張ってたみたいやねぇ!!次の授業ではタイム計測があるみたいやからええ成績出るといいね!ファイトやでぇ〜!A君〜!!』

ポイント①
自分の日記に対して返事を書いてくれてる!という感情になって欲しいので、生徒の名前を書くようにしてます。

ポイント②
ビックリマークの数や語尾で、実際に話しかけてるような雰囲気の文章にしてます。

ポイント③
とにかく返事の文章量は生徒よりも多く。

正直、自己満足と言われたらそれまでなんですが、一応これが僕の意識してることです。

もちろん1番大切なのは直接会話をしてコミュニケーションをとることです。

返事を書くために、生徒と関わる時間がとれないといった本末転倒なことにはならないように注意していきますね!笑👍

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