マルクス哲学、MMT、れいわ新選組(II)国債の真実、的な

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おかみ じゃあ次はマルクスのファンである大将から見て、MMTがマルクス哲学とどう似て見えるのかをしゃべってもらおうか…と思ったんだけど、その前に、私まだMMTがよくわかってないから、にゅんさんもう少し教えて。\(^o^)/

「財政支出に制約はない」という言説

おかみ にゅんさんは、MMTの重要な帰結は、国民のお金の分配(つまり格差)は政治が決めているってことだって言うんだね。でも一方で世間には「政府はいくらでも支出できる」っていう言い方をする人がいるじゃない。もちろん、政府が買える物には限りはあるけどっていうことだろうけどね。

にゅん うん、「政府支出の制約は実物資源」みたいに言うね。

おかみ 私的な理解としては、基本的にお金ってのは政府日銀がこれまでどんどん作って来たし将来もそうだから、経済成長につれて貨幣量は増えていくのが当然ってことだなって話なんだけど、あってる?

にゅん うん、まあ、あってるか。

おかみ この話を最初に聞いたときはびっくりしたんだけど、ああそうか!って気が付いたらなるほどってなった。政府は赤字になる方がむしろ自然で、むりやり減らそうとすると無理が出そうだなー、とか。

国債危機を煽る言説について

おかみ でもよくわからないのは国債でね。政府やマスコミはこう言うよね。「国債残高が大変なことになって、いつか大変なことになる」とか。

大将 大変なことになるなら大変なんだろうな。

おかみ やめてよ。ええと、彼らのパターンとしては
 ・「財政破綻する」
 ・「利払いが嵩んで大変になる」
 ・「ハイパーインフレになる」
 ・「円が暴落する」
このくらいかな?どう理解したらいいの?

にゅん うーん、どうしよう。答え方としては「結局はこうこうだから問題ない」ってなるか「議論のスリカエだ」ってことになるのかな?

おかみ ふむ。

国債の真実!

にゅん たぶん「国債はお金の一種じゃん」って理解するのがいちばん手っ取り早いと思う。MMTの創始者であるモズラーって人はそういう説明をしてて、にゅんはそれがいちばんわかりやすいと思っているんだけど。

おかみ やってみて。

にゅん うん。お金には二種類あって。預金や現金は利子がほぼつかないお金で、国債は国が利子をちゃんと払うお金だっていうことだけで。これだけ覚えて!

おかみ 覚えるよ\(^o^)/(にゅんさん風)

にゅん じゃあ確認していこう。まず、財政支出っていうのは必ず民間のお金を増やす!これはいい?

おかみ OK!お金を渡すんだから、そりゃ増える!

にゅん けど、政府にお金がないときはどうしたら?おかみに100万円払いたいんだけど、みたいなとき。

おかみ あれ?そういう時もあるのか。っていうか、財政赤字が常態なんだから、基本的には政府にお金はないね。

にゅん ここで政府日銀はすごい技を使うよ。普通のお金は出せないけど、利子付きのお金なら出すよってことに。

おかみ むむ?なんだかおかしいね?

にゅん そう、おかしい。政府はおかみさんに100万円出したいだけのはずなんだ。でも、残高がないことになっていると。そんなとき政府は、どこかのお金持ちが持っている100万円(普通のお金)を国債(利子付きのお金)に両替するんだ。本当に変な話だよ。無利子のお金は出せないのに、自分が利子を払うお金は出せるっていうんだから。

おかみ んん?

にゅん とにかくね。政府は金持ちに国債(利子付きのお金)を渡して金持ちから普通のお金(利子なし)を受け取る。その普通のお金をおかみに払うんだ。

おかみ なにそれ?

にゅん 何度も言うけどおかしいんだよ。
単に、おかみに100万円払えばいいところ、どさくさに紛れて、金持ちの100万円を利子付きのやつに「両替」しているわけだよね。

おかみ そうなるね。。。

にゅん これ、ほとんどの人はこう刷り込まれるところなんだ。
「政府の財布に残高が無いときは、民間に国債を発行することによってお金を借りて、そのお金を支出する。」

おかみ そう思ってた。。。

にゅん 世界中のほとんどの人がそう思ってた。「民間に国債を発行することによってお金を借りて」って、本来はぜんぜん必要ない。特に「民間に国債を発行」というところ。金持ちたちは知ってて言わなかったんだろうね。でも、モズラーが気づいちゃった。この、実は不要な国債金利が長年もかけて複利で運用されて、これほどまでに金融資本が拡大するエンジンになったんだよ。っていうか、いまも。

大将 途方もない話だよなあ。

にゅん 今の話がしっかり腑に落ちたら、さっきおかみが挙げた「国債残高でこれから大変なことになる」という言説がどんだけ与太話かわかるよ。
これね。
 ・「財政破綻する」
 ・「利払いが嵩んで大変になる」
 ・「ハイパーインフレになる」
 ・「円が暴落する」

おかみ そっかー。。。これ、まず上の二つはバカみたいな話だね。そもそも不要な利払いをやってたんだから、それで大変になるとかアホでしかないね。
下二つは。。。やっぱ、おかしいよね。金持ちに利子を払うからハイパーインフレになるなら、払うのやめればいいやんね。

にゅん 下二つは、問題のスリカエと言っていいと思うよ。財政支出をやりすぎて、たとえば、おかみだけでなくて国民全員に毎月100万円払うなんてことをやったらインフレにもなるよね。
だからこれは、財政支出をし過ぎてしまう問題を国債の問題にすり替えてる。

おかみ なるほど。。。

にゅん もし国債が暴落しているなら、そのとき通貨も暴落しているだろうね。投機とかで円建て国債だけが値下がりしたら、喜んで買えばいいんだ。税は円で納めるのだから、必ず買い手が現れる。

大将 なんか、国債暴落煽る人いるよね。にゅんさん激怒してたのは阪大の大竹先生...

にゅん ああ、それね。そのへんは別記事でちゃんとやろう\(^o^)/

大将 でもさ、国債利子の複利運用で金持ちが大儲けしたって話だけど、今は世界的な低金利だし、日本はマイナス金利だから金融資本の収奪は収まったっていえるのかな。

にゅん 大将、それとんでもないよ。

大将 あと、日銀が市場から国債を買うのだから、政府から直接買うのと同じになっているっていう先生も...

日銀が市場国債を買うなら国が利子を払うと同じ、いや、もっと悪いよと言う話

おかみ なんか、かなりマニアックな話に突入...

にゅん 酷い話だよ。。。これ、前提のところがちょっとだけ高度な話になるんだけど、つっても大学二年生程度と思うけど、その話をしないと。

おかみ 私にわかるようにお願いします\(^o^)/

にゅん まずは、市場で債券が売買される価格はあたりまえだけど、市場で決まる。日銀が好きな値段で買えるわけではない。あ、日本国債も債券の一つね。

おかみ オッケーです。

にゅん もともと国債は最初財務省が売り出すわけだけど、日銀が国債を買うときの価格は基本的に財務省の売り出し価格より高くなる。これがあるから、債券ディーラーは利益を上げることができるんだ。

おかみ 利息だけじゃないんだね。

にゅん 利息は債券価格の中に「織り込まれる」っていうんだけど。

おかみ うう。。。

にゅん 二種類の日本国債が市場で売られていて、残存期間は同じだとして。片方は国から受け取れる金利が1パーセントで、もう片方は2パーセントだったら、後者の国債の方が高値で取引されるだろうなってことはわかる?

おかみ そりゃそうだよね。利子が多いんだから。

にゅん 利息が債券価格に織り込まれる、っていうのはそういう意味。債券を持っている人は、そのまま持っていれば利息は受け取れるのだから、それ以上に魅力的な価格でないと基本的に売らない。

おかみ うんうん。

にゅん つまりね。日銀が市中の国債を買うと言うことは、政府が国債金利を払う以上のメリットを日銀が売り手に渡すということに他ならない。

おかみ そういうことになるね!

にゅん 通じた\(^o^)/
ということで、こういうことなんだね。
財務省が国債を市場に売り、日銀がそれを買うというシステムがある以上、財務省が国債を売るときと、日銀が買うときの、最低二回は債券市場に利益を与えている。マイナス金利だろうがこれは変らない。

大将 そうかあ。。。金額にしたらどのくらいなんだろうね。

にゅん それがわかりにくくて、素人だと日銀の決算書に乗っている簿価と取得価額の差で見積もるくらいしかないんだけど、年間2兆円くらいとおもう。もっとディスクローズしてほしいんだけどね。。。

大将 しかし本当だ。国債を日銀が市場から買えば日銀が直接引き受けしたのと同じっていうのはとんでもなかった。ポイントは市場に国債を出すか出さないかであって、市場に出しちゃったら利払いしたとおんなじなんだね。

にゅん 政府貨幣論とか公共マネー論っていうのが昔からあって、これもまた国債の利息が問題だから政府が直接貨幣を発行せよっていうんだけど、国債をやめればいい話だと思うんだよね。

大将 彼らは、民間銀行が利子を付けて企業に貸出すことも禁止したいんじゃなかったかな。

にゅん ああ、その気持ちはわからないでもないね。でもまあ、少なくとも最終的に利子をなくしたいと本当に考える人なら、日銀が市場から買えば直接引き受けと同じだとは言っちゃだめだよね。でなければ、本気じゃないってことになるよ。

次回こそは...

おかみ おっしゃ。まあ、私のとりあえずの疑問は解決したよ。にゅんさんありがとう。それじゃ、次回こそタイトル負けしないようにマルクスの話に入ってね、大将\(^o^)/(にゅんさん風)

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