マルクス哲学、MMT、れいわ新選組(I)

はじめまして!
わたしは、おかみ。

とある小料理屋の大将に惚れて押しかけ「おかみ」をしています。店の常連のにゅんさん(MMTオタク)と大将(マルクスのファン)がいつもやっている話が面白いから拡散しちゃうよ。

ご参考 にゅんさんブログから。ここに登場するお店です。
プログレッシブ宣言! feat. 大石あきこさん!

初回の今回は、この社会の格差(分配)を決めているのは政府だよっていうにゅんさんのMMT話が中心かな。
みんなもおいで\(^o^)/(にゅんさん風)

分配(格差)は政府が決めているよ!

[おかみ]
(最後の客が帰ったのでのれんを降ろしている)
あらにゅんさん、いらっしゃーい

[にゅん]
こんばんはー、今日もう閉めちゃうの?
良ければちょっと寄らせてほしいんだけど。

[おかみ]
にゅんさんなら大丈夫でしょ。どぞどぞ。

[にゅん]
あれ、ここにポスター貼ったんだね!れいわ新選組の?

[おかみ]
ああ、いいでしょ。
先々週だったかな、店先掃いてたられいわのボランティアらしき人がきて、ポスター貼らせてくれませんかって頼まれたんだけど、なんかその人が頑張ってるからほだされちゃって。私は太郎さん応援してるしね!

[にゅん]
そうなんだ。こういうポスターってやっぱ反応あるもんなの?

[おかみ]
結構あるね。お客さんが話題にしているのもよく聞こえるよ。

[にゅん]
(カウンター席に腰掛けながら)
この、「あなたを幸せにしたいんだ」っていいよね。

[大将]
やあ、にゅんさん。
そうなんだよね。おお、おれを助けてたいのか!ってなるわけ。
消費税が上がっちゃってもう大変だよ。にゅんさんもツケ払ってくれなきゃ。

[にゅん]
ごめん、今日半分払うから。
でも大変そうだねえ。。。

[大将]
まあ増税のせいだけじゃないけど、お客さんもみんな大変そうだね。災害は多いし、職場でも学校でも、家族問題とかもね。なんか息が詰まる世の中になったねえ。

[にゅん]
そうだよねえ。そういうのって、にゅんみたいな××業より大将みたいにお店やってる人の方が肌で感じるものなんだろうね。。

[大将]
まあ、あれだ、そういう言うに言われぬ「生き辛さ」みたいなのが広がってて、れいわ新選組に勢いがあるのも、山本太郎って人がいろんな人のそういう苦しみみたいなのを拾おとして見せてるからじゃねーの?

[おかみ]
そうそう、入国管理局に通うとか、年末の炊き出しとかもねえ。

[にゅん]
そうみたいね。大石さんが言ってたんだけど、ボランティアに参加したら「山本さん頑張って」だけじゃなくて「山本さんありがとう」、「休んで~!」みたいに言って募金してくれた人がいたとか。
「あなたを幸せにしたいんだ」ってのは刺さるんだね。

[大将]
みんな疎外されてるからね。

[にゅん]
ああ、疎外...
大将はマルクス主義者なの?

[大将]
そういうわけじゃないんだけどね。マルクスのファンだけど、言い方を間違えると過激派か!とか、昔のアレねって受け取られちゃうから営業に差し支えるわけよ。

[にゅん]
そっか。でも海外ではそうでもないみたいよ。ソ連の崩壊から四半世紀たつし、アメリカでさえ若い世代は社会主義に抵抗が無くなってきてて、それだからサンダースやAOCが支持されるわけでしょ。

[大将]
まあそうやね。
で疎外だけど、やっぱこの業界もチェーン居酒屋ばっかりになりつつあるし、サラリーマンするかつっても、キツくて給料安いとこしかないし、政府はアレだし、疎外されたままだなあ思うよね。

[にゅん]
そうだねえ…

[大将]
「帝国」の大発展によって、疎外は労働者だけでなく民衆の隅々までいきわたってしまっているせいで、人間がみんな生き辛くなっちゃってる。れいわってのは疎外されたマルチチュードの怒りの運動の焦点になってて…

[おかみ]
(にゅんさんの隣席に座る)
なんだなんだ、よくわからんぞ。にゅんさんにお酒出したの?

[大将]
おっとごめん。

[にゅん]
大将はすぐ突っ走るからなあ。。。組織で生きていけないのよくわかるよ。

[おかみ]
まあ、そこはこの人のいいところなんだよね。

[にゅん]
はいはい。
そだマルクスといえば、ここでにゅんが最初にMMTの話をするようになった頃、大将が「なんかそれマルクスに似てるな」って言ってたのが気になってるんだよね、どういうこと?

[大将]
(にゅんにグラスを渡しながら)
そんな初期に言ってたかな。我ながら勘がいい(笑)
にゅんさん話を聞けば聞くほど知れば知るほどそう思うね。

[にゅん]
実はさ、ミッチェル(注: MMTの創始者のひとり)が来日して京都でやったセミナーの前日に薔薇マークの人と一緒にご飯食べたんだけど、そのとき、そのミッチェルが「MMTの源流はマルクスだよ」って言ったんだよ。大石さん大喜びでハイタッチ。

[おかみ]
大石さん、会いたーい。前にいらしたとき私まだここに押しかけてなかったから悔しいよ。
まあでも、そもそもMMTって何だかよくわかってないな、私?(笑)

[にゅん]
思うんだけどね。MMTって「政府は金銭的な制約なく支出することができるとする理論」、みたいに語られるよね。
でも、MMTは結局のところ、「お金の分配つまり格差ってのは、政府が決められるし、実際に政府が決めているし、ずっとそうだったしこれからもそうだよ、ということを示した話」だってことと思うんだよね。

[おかみ]
それ当たり前では...

[にゅん]
まあ聞いて。お金って札束のイメージあるよね。だから「お金の分配」というと、人々や企業がお札を何枚づつくらい持っているか、っていう感覚になってない?
金持ちがうなるほどの札束を持っていて、庶民にはちょっとしかない、みたいなイメージ。

[おかみ]
そうだけど?

[にゅん]
現実はもっと深刻なのよ。お金ってのは「数字」だからマイナスになることも普通にあるってことなんだ。お札をちょっと持っている、というのとマイナスを抱えているというのはだいぶちがうよね。お札のイメージだと問題の深刻さが伝わらない。奨学金問題とかさ。
たとえば、大将は商工中金とかから資金借りたりしてないの?

[大将]
お世話になってるよ。そういうのが無かったら店が回らないって。でも首くくる寸前(笑)

[おかみ]
えー、そうだったの! 別れようかな…

[大将]
あっはっは。このまま籍入れたりしないのが無難かもよ(笑)

[にゅん]
それで「政府がお金の分配を決めている」というのはね、マイナス分、つまり借金も含めた分配ってことなんだよ。
100万円の預金残高があるからと言って100万円の札束をイメージしたらだめで、大将に500万円の借金があるなら、大将の分配結果はマイナス400万円。

[おかみ]
別れなきゃ!
でも大将にはにゅんさんへのツケが10万円以上あるんだけど、これはどうなるの?

[にゅん]
大将には「にゅんへの貸し」という資産が10万円あるわけだから、正味はマイナス400万円じゃなくてマイナス390万円だったということだね。

[大将]
計算上そうなるのはわかるけど。。。
まあ、次の借入返済に回せるか。

[にゅん]
いま話しているのは「ある一瞬」を切り取った時にお金の分配がどうなっているか、なんだね。
じゃあ、次に。
にゅんが今日10万円を全額払うとしよう。(払えないけどね)
もしそうすれば、大将のお金は+10万円ってなるけど、にゅんのお金が10万円減るよね。数字が大将に移動するだけで、トータルのお金は変っていない。
第三者から見たら、なにも起こってないようなものだよ。

[おかみ]
わかるけど、それで何が言いたいの?

[にゅん]
ここで言いたいのは、民間の貸し借りでお金が増減するっていうけど、お金の残高がマイナスになることをちゃんと考えたら増減しないやん!ってこと。
札束イメージをやめて、「お金は数字なんだ」ということをちゃんと考えると、民間の経済活動だけで「民間のお金の総量」は増減しないということがわかるよ。

[おかみ]
大将がローンを10万円返済するとどうだろう。

[にゅん]
大将のお金が10万円減って、銀行のお金が10万円ふえる。やっぱり民間トータルでは不変。

[おかみ]
ふうむ、頭ではわかってきた...気がする...

[にゅん]
でも、政府だけはお金を増やしたり減らしたりできる(とりあえず貿易を無視)。たとえば、毎月介護保険料とか、復興税とかが引き落とされるけれど、これがなかったら?

[おかみ]
そか。大将もにゅんさんもお金が増えるね。あ、私も払ってたから、わたしのも、増える\(^o^)/

[にゅん]
まあ形式的に介護保険料は政府というか自治体に払うけど、国民の生活に関わることだからここは政府の一部と考えるべきなんだ。
でね。
そういう引き落とし額や支出額を政府が決めていると言うことは、政府が分配を決めているじゃんってことになるよね。政府支出というのはある誰かに支払っているのだし、ある誰かから徴収しているのだから。
首相や首相夫人の近くには重点的な支出があったり、特区とかで税が優遇されてたりしてるでしょ。

[大将]
なんか、「税の増収分は自分の経済政策のおかげなんだから、使い方も自分で決めていいだろ」みたいな感覚でやってるよな、あいつは。
MMTレンズで見ると、そういうのは「ただ分配をそっちに向けてるだけ」っていうことなんだよね。

[にゅん]
まさに。先に言われちゃった。

[大将]
ここ、MMTがマルクスと似てるところの一つだなと思うんだよね。マルクスの経済学は、資本主義社会において労働者への分配がどのように決まっているかを分析したものだとも言える。共産党宣言だと、こう。
「賃労働の平均価格は、賃金の最低限、すなわち労働者を労働者として生かしておくために必要な生活手段の合計である」。

[にゅん]
ほうほう。。。
つまり資本家と労働者の間の分配は、資本側の利益が最大化するように決まる、と言っているよねこれは。MMTマクロでも26.3のところ、これは金融不安定に関する章なんだけど、マルクス理論で言えば、金融危機は資本主義の本質に由来するのであって、市場の暴走や、政策の失敗に紐づけるべきものではない話なんだと。

[おかみ]
なるほど。ユニクロやソフトバンクやZOZOの人たちが偉い人の分配が多いのも、確かに政治の結果だね。
これは、財政政策だけでなく、派遣労働の推進や金融自由化といった制度変更と連動した政治の結果ということだと。
私も興味が出てきた。

[にゅん]
介護保険料は、そもそも集める必要がないんだ。「もし集めなかったら、人々がお金を持ちすぎることになるからインフレになってしまう」なんてことはあるわけがない。

[おかみ]
「財源が必要」って普通に言うよね。

[にゅん]
その考えが有害だったんだねえ。。。

次回に続くよ

次はマルクスとMMTの世界観の類似についていろいろと。



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