マルクス哲学、MMT、れいわ新選組(III)総剰余価値と財政赤字

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おかみ 前回であたしはMMTの秘密をひとつ掴んだよ!
国債が危ないとか政府は言うけれど、国債も政府が発行するお金の一種じゃんってことやね。国債はなくてもいいんだけど、利子を受け取れるものなら受け取りたい人がいるから、そういう人向けに国が普通のお金を国債に両替してくれる制度があるだけってことだね。債務残高とか心配してて損したよ。ちょっとだけだけどね\(^o^)/

にゅん んだね。にゅんも実は以前はそう思ってた...。本当に主流経済学ってのはろくでもないよ。国債は普通のお金が両替されたものなんだから、心配するなら「お金の総量」であって、その中から「国債だけ」を問題視するのって、本当に馬鹿馬鹿しいよね。

大将 それで、今回はマルクスの話につなげろっての?オレが?

おかみ やってみて

大将 ほとんど思い付き部分もあるから、あまり信用するなよ。

お店の儲けと剰余価値の話

大将 じゃあ、「国債も合わせたお金の総量」。これな。おかみも第一回で言ってたけど、お金の総量は基本的に経済成長に合わせて増えていくだろうなっていう感覚。

おかみ まあ、そうなんじゃない?

大将 一方マルクス的にはだ。資本家は資本金というお金を使って原材料や生産手段や労働力を購入して作った商品をその総額以上の価格で売ることによって利潤を得る。オレの店もそうだ。そうしないと商工中金に...

おかみ あたしに給料はらったり。

大将 この過程で投下したお金Gが、G´に増えている。

おかみ Gって何?

大将 ドイツ語でお金はゲルト(Geld)なんだけど、Gで始まるからG。

おかみ カッコつけちゃって。

にゅん 大将はドイツ文学やってたんだよね。

大将 やってたんじゃなくて、オレはいつも詩と愛に生きてるから♡

おかみ あら♡

にゅん いいから!GがG´になるっていうのは利益が乗ったってことかな。

大将 そう。GがΔG増えてG´に増えるわけ。この秘密はオレとおかみの労働力を搾取することにあって、ΔGがその搾取分に相当するわけだ。

おかみ さくしゅ?

にゅん 搾り取られたと。

おかみ まあ、あたしはもっと給料もらう資格があるってことかな。

大将 理屈としてはそうで、おかみだけじゃなくてオレの労働分も含めて。でも、利益を出し続けないと店が潰れてしまうってのが資本主義の矛盾というか。

おかみ そういう話聞いたことあるけどなんか古臭いよね。あたしはプログラマもやってるんだけど、たとえばゲームソフトという商品は、ヒットすれば会社大儲けで給料上がるし、コケたらつぶれるって世界でしょ。プログラマの搾取と会社の利益って関係あるかな。

大将 まあ、そういう凸凹はあるけど平均すれば大資本が有利になって行って...みたいな話なんだけどね。

おかみ まあ、ソフト業界でもそういうことはあるね。ソフトバンクがパズドラの会社を買収したとか、そういう話か。

大将 そうやって業界が大企業の独占に近くなるとカルテルとかで消費者が不利になっていくから、独占禁止法とかの規制でそれを防いでいきましょうということになっている。現代はね。

にゅん マルクスは産業革命後の大量生産化の時代の人だから、労働者にしわ寄せが行く資本主義の矛盾がありありと見えたわけだね。

大将 それでもだ。今だって、うちの店みたいな一企業、とか、もっと広く飲食業界というまとまりで捉えると、全体で利益、つまりΔGがプラスになっている必要があって、GがG´つまりG+ΔGになる。この構造は変わっていない。

おかみ そうだね。

社会全体の総剰余価値?

大将 もっと広げて、全産業を合わせてもそうなっているわけだ。

おかみ なるほど。飲食業もゲーム業もインフラ産業も何から何まで全部あわせて、結局はGをG+ΔGに増やしている。そうでなければ社会が成り立たないよね。税を取れないし。

大将 うん、税ね。。。こう考えるよね。全産業の儲けΔGから政府が税金(T)を取る。政府はこうして得たTを社会インフラや社会保障に「回す」。資本家の取り分は税を引かれるからΔG-Tとなる。

にゅん わかってきた。そういう解釈をしているけど、MMTレンズで見たら...

大将 国全体で捉えると、全産業の剰余価値の合計はどうなるだろう。総剰余価値って言うんだけど、それを円という貨幣価値で表すとすれば?

おかみ ああ、そっち側から見るわけね。大将頭いいね♡

にゅん ん??

おかみ にゅんさんが第一回で教えてくれた話。民間のお金を増やしたり減らしたりできるのは政府だけ、だったでしょ?国債を含めた民間のお金は財政支出でしか増えないし、減るとすれば税とかを取られるときだけ。つまり、ある期間に民間に増えたお金って、その期間の財政赤字、つまり「財政支出から徴税等を引いた金額」とぴったり同額だったよね!

大将 そうなんだよ。資本主義経済が機能して諸産業が発展するならば、産業で生み出された剰余価値とぴったり同額の財政赤字が計上されるものなんじゃないかな。

おかみ で、これもにゅんさんの説明してくれた通り、分配を決めるのも政府だったから...

にゅん そうか。理論的には搾取はなくせるんだな...?でも、財政黒字はどう考えたらいいんだろ。総剰余価値がマイナスになったってこと?

おかみ あらにゅんさんは頭悪いね。大将が言っているのは、政府が成長する産業資本にちゃんと併せて貨幣を供給できたような場合だよ。

大将 そうだね。産業が成長しているにもかからわらずお金の量が減っていたら、それは分配が相当歪んでいるってことなんだ。

次回は...

おかみ 今日はもう遅いけどそのへん、もうちょっと語り合ってみたいな♡

にゅん 分配がゆがむ、にもいろいろありそうだね。

大将 それとね。そもそもMMTの社会観とマルクスのそれはすごく似ているところがあると思ってて。その辺も絡めてやってみようか。

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