小話 貨幣の価値は政府が決める

おかみ にゅんさん、あたし最近noteにハマっちゃって、いろいろ記事見てるんだけど、こんな話があったよ。こないだの話にかなり近いね。

にゅん うーむ。こんなこと言われちゃってるわけね。

MMTでは法定通貨の価値は納税手段とされることによって生じるが、現実はそうではなく、経済の生産力と国家の徴税力が通貨価値を保証している。

にゅん でも、なんか誤解だよこれ。「MMTでは法定通貨の価値は納税手段とされることによって生じる」って誰が言ったのかなあ。MMTは税が貨幣を流通させている、とは言うけれど、価値を決めているとは絶対言わないって。

おかみ そういえば、その話はこの人の別エントリで見たかも。。。

にゅん どれどれ。。。いやー犯人、井上さんでしたか\(^o^)/ この記事だね。でも、例の本にもこの記述合ったような気がする。うろ覚えだけど。 

おかみ ネムロ氏にならって引用しよう。

モズラー氏が実際に体験したというこの小話から三つのことが導けます。
一つ目は納税より先に政府支出がある(...引用者省略)
二つ目は、納税によって貨幣は、価値をもつようになるということです。名刺はただの紙切れなので、パパへ上納すべきチケットでないかぎり、子供たちはそれを欲しがりません。同様に、紙幣はただの紙切れなので、納税すべきチケットでもないかぎり、誰もそれに価値があるなどと思わないというわけです。
三つ目は、租税は財源ではないということです。(...引用者省略)


にゅん モズラーの親子クーポンで説明しようとしているんだね。もちろんこれでもちゃんと説明できるよ。

おかみ やってみて。

にゅん クーポンの価値が納税で決まっていないことは少し考えればわかるよ。だって、子どもがクーポンを受け取る仕事はなんだっていいんだよね。

おかみ そうだね。庭仕事とか、洗濯物をたたむとか、買い物とか、肩たたきとかいろいろあるね。

にゅん 庭仕事だったら大変だから二枚、とかできるわけでしょ。だから。。。

おかみ そうか、クーポンの価値は、回収の時じゃなくて配っているときに発行者が決めているね。税とは関係なかった。

にゅん そう。JGPの基本的な発想はこれなんだよね。仕事の値段を政府が決めるわけ。

おかみ ん?

にゅん JGPというのは、仕事を望む人全員に仕事を与えますよという考えだから、逆に言うと誰でもできる仕事でなければいけない。だから最低賃金がここで決まることになる。

おかみ なるほど。

にゅん じゃあいくらにしようかっていうのは、計算で決まるものではなくて社会的な合意で決めようよってわけ。日本だったら、憲法で保障した最低限の文化的な生活ができる水準っていうことになるだろうね。

おかみ 結構必要になるよ。月に20-30万円くらいかな。

にゅん まあ、住宅事情とか学費とか諸事情で変わるけど、とにかく社会的合意。これを生活所得と呼ぼう。生活所得を政府が保障しようというのが基本的な発想なわけ。

おかみ そうか。JGPの月給を30万円にするということは、国民にとって一か月の生活に必要な所得の価値を30万円に決めましょうという意味になるんだね。

にゅん うん、とにかく貨幣価値は納税が決めるんじゃなくて、政府が支出の時に決めているってわけ。いまだって、実は失業者の可処分所得が貨幣価値を決めているようなものなんだよ。生活保護だってそうだよ。どんどん切り下げているでしょう。だから物価が上がらない。
参考に、これ読んでね。

MMT、モデル、分野横断学」BY パブリナ・R・チャーネバ(2019年4月8日)

(おかみ読む。にゅん、そっと去る)

おかみ 読んだよ。なんかこれ、深い話だね... あ、にゅんさんお勘定!

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