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夜も更けて すこし開けた窓の外からは、風の吹く音が静かに聴こえてきていた。 京都の夜は暑…
パチンコ店で中原に接近した。 なんとか台の釘読みに成功した俺は、 ヤツよりも先に店のなかに…
捜査を始めて5日目になった。 そろそろ一旦東京に戻らなくてはいけない。 起きがけのセブンス…
その日は、京都駅前にあるビジネスホテルに泊まった。 ふぅ…と部屋越しに窓の外に映る京都タ…
今日はそろそろ中原さんが来る頃だな。 じぶんでも馬鹿みたいに心臓が高鳴っているのが分かる…
くそっこんなつもりじゃなかった。 家に帰るとボストンバック片手に出掛けようとする馨と遭遇…
京都祇園夜の街… 繁華街を通り抜け、花見小路を抜けたところに その高級クラブはあった。 ドアを開けるとカランコロンとベルが鳴る。 「あら、いらっしゃい。 山ちゃん久しぶりじゃないの。何年ぶり? 元気にしてた? でもねせっかく来ていただいたけど、まだお店はやってないの…」 高そうなしつらえの着物を着たママが出迎えてくれた。 歳の頃は40半ばか…。 「いや、ママ違うんだ。 今日来たのは客としてじゃないんだ。 ママ、少し前に働いていた奏音(かのん)という子を知らないかい?」
ねぇ、わたしは何のために生きているの? 夜になるといつも思う。 こころの奥底に仕舞い込ん…
車を走らせながら、僕は馨とのあの日を思い出していた。 その日、馨は夜遅くまでフロアに残っ…
「今日は会食で遅くなるから、飯はいらない」煙草を吸いながら馨にメールを送った。 ついてね…
月が満ちる夜が明け、朝となった。 白く曇った窓ガラスの冷気に寒さを覚え、体を起こした。 む…
「お前は俺の言うことを黙って聞いとけばいいんだよ!!」 仕事帰りいつもどんな顔で彼が待っ…
空高く登る月を2人でいつまでも見ていた。 座席のシートを少しだけ倒した車のなかで、蒼白く光…
「月の果てまで逃げ切ってやる。君の細い手を導いてー…」 スネオヘアーの共犯者がカーステレオから流れてきた。 今宵月が丸いうちに決行する。 君との共謀。 どんな奴を敵にしたって、僕は君と逃げ切ってみせる。 そうこの歌のように月の果てまで…。 車の窓越しから辺りを照らす満月を眺めていた。ふとバックミラーをみると君が慌てて走ってくるのが見えた。 肩まで伸びたウェーブの髪を揺らしながら、君は足早に車の扉を開けて僕の隣へと滑り込んできた。短いヒールの珊瑚色のパンプスとオフホワイ