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ChatGPTプラグインの未来予想図。半年〜5年後への影響について考える。

ChatGPT Pluginsがとうとう広く利用され始めてきますね。

ここ1ヶ月半ほど、ChatGPT Pluginsについて重点的に調べてきました。その中で見えてきたことについてまとめます。


先に結論まとめます

ChatGPT Pluginsは、現在のChatGPT UIのインターフェース(ブラウザ)ではなく、より新しい形のインターフェースで利用され、日常生活に溶け込まれていくことになるはず。

プラグイン提供側は、それを見越した意思決定と開発をしていくべし。


ChatGPT Pluginsを分解して考える

ChatGPT Pluginsが登場した際、これはiPhoneで言うところのApp Storeが誕生したほどのインパクトだ、といった感じでTwitter界隈が盛り上がっていました。

しかし実際に開発をしてみると、インターフェースが限られていると言う制約があり、ユーザー体験の革命が起きるとは正直あまり思えませんでした。つまりバブルでよくありがちな「期待>>実態」と言う構図が起きているのではないかと。

しかし改めて考えを整理したところ、以下のように分解するとChatGPT Pluginsについて適切に向き合えると感じました

  1. ユーザーに回答するインターフェース

  2. 外部APIと連携するための規格とそれの普及

  3. 外部APIを取り扱う処理

社会に及ぼしたChatGPT Pluginsの影響として大きいのは2だと考えています。LLMが外部APIと連携をするための規格を定め、それを普及させた(今後普及していく)ことは将来的に見てかなり大きなインパクトになると思います。

一方で、1.インターフェースについてはこれが適切であるとは個人的には思えません。

ChatGPT UIインターフェースについて個人的に不足している点を挙げてみます(日常生活に浸透していくレベルの体験を想定した時のギャップをイメージしてます)

  • テキスト入力による操作負荷と、適切に意図を伝える限界

  • PUSH通知が送れないため、非同期に起きたイベントを認知できない

  • 毎回ブラウザを開いてChatGPTページに移動する必要がある手間

  • 前提となる情報(位置情報、最近の関心など)の共有が自然にできない

  • 何か作業をしながらChatGPTは利用しにくい(タブ切替する必要がある)

  • プラグインは3つまでしか選択できない(5/16現在)

などなど。

個人的な見解としては、まだ外部Pluginsを活かせるプラットフォームは発展途上であり、他社サービスを含めて、新しいサービスに取って代わる、あるいは共存していく余地はまだまだあると思っています。

なぜかというと、サービス実装するにあたっての参入障壁が1,2,3を見た時にまだあまり無いからです。2は各社の判断に委ねられPluginsはオープンに開かれているものが多く、3は確かにOpenAIは知見を持っているものの、オープンソースの技術が日々進歩しています。

PoeやチャットAI(LINE Bot)などのChatGPT APIを利用したサービスが、少なくない利用者数を獲得していることを考えると、自社サービスのセグメントも踏まえながら、ChatGPT UI以外のサービス動向についても追っていく必要があるなと感じます。


将来的に、ChatGPTがモバイルアプリに

5/16現在時点では、もうすでに求人はなくなっていましたが、以前OpenAIはChatGPTのモバイルエンジニアMgrを募集していました。

ChatGPTのモバイルエンジニアMgr

このことからも、将来的にChatGPTのモバイルアプリが出てくることは可能性としてかなり高そうです。現状のブラウザでは実現できない/ユーザー体験として微妙なところも、改善されていくと思われます。

GPT-4に聞いたブラウザとモバイルアプリの差分

リアルタイムの通知: モバイルアプリはリアルタイムのプッシュ通知を利用できるため、ユーザーがアプリケーションを開いていないときでも、特定の情報やアップデートを直接ユーザーに提供することができます。これは、ブラウザベースのインタラクションでは一般的には困難です。

デバイスのセンサー: 位置情報に加えて、モバイルデバイスは光センサー、加速度計、ジャイロスコープなど、多くの異なるセンサーを含んでいます。これらは、特定のコンテキストでGPTに更に情報を提供することができ、より具体的な応答を可能にする可能性があります。

オフラインアクセス: モバイルアプリは一部の機能をオフラインでも利用できるように設計することができます。これは、特定の情報をローカルにキャッシュすることで、インターネット接続が不安定な場合や存在しない場合でも、一部の機能を利用できるようにします。

ネイティブ機能: モバイルデバイスはカメラ、マイク、ブルートゥースなどのネイティブ機能を備えています。これらはGPTに更なる入力を提供し、それに対応した出力を可能にする可能性があります。

ユーザー認証とセッション管理:モバイルアプリケーションでは、一度ログインするとアプリを閉じてもログイン状態を維持できます。これに対して、ブラウザでは通常、クッキーやローカルストレージを利用してセッション情報を保持しますが、その長期間の保持はユーザーのプライバシー設定に依存します。モバイルアプリでは、生体認証(顔認証や指紋認証)を用いてセキュリティを向上させることも可能です。

UI/UXのカスタマイゼーション:モバイルアプリはブラウザベースのインターフェースよりも、ユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)をカスタマイズする機会が多いです。アプリはデバイスの全画面を利用し、オペレーティングシステムのネイティブ機能(スワイプジェスチャーなど)を活用することができます。

バッテリーとデータ使用量:モバイルアプリはバックグラウンドで稼働することが可能で、これによりリアルタイムのアップデートや通知を可能にします。しかし、これはデバイスのバッテリーやデータ使用量に影響を及ぼす可能性があります。これは特に、データプランが制限されているユーザーやバッテリー寿命が短いデバイスにとって重要な考慮点となります。

GPT-4

現状のブラウザ版を見て、良い体験を提供できないと感じて、ChatGPT Pluginsの開発の優先度を下げてしまう判断はリスクだと思います。


プラグインマーケットの動き

ユーザー視点から見た時、最大3つまでしか選択できないと言うのは課題として認識される仕様だと思います。また数多あるプラグインから選択するのもかなり大変な作業です。

これらの課題を解決する仕組みが出てくると思います。

個人的には、いくつかの方向性が出てくるんだろうなと思っています。

  • 公式がプラグインの選択可能数を増やす、スレッドの途中でプラグインの付け替えが可能になる

  • 公式がプラグインマーケットで、どのプラグインがおすすめかをレコメンドする機能を実装する、チャットで検索できるようになる

  • OSS的に3個以上のプラグインを使えるような仲介プラグインが開発される(ただし精度は劣る的なデメリットがあると思う)

  • 企業がプラグインを利用してもらうための便利な組み合わせパッケージプラグインを提供する、組み合わせ方のノウハウ記事を発信が盛んになる

現在のプラグイン市場はまだ序章で、これからより複雑なマーケティング領域となってくると予想されます。ここのノウハウを貯めていく上でも、早めに参入しておくことが有利になってくる可能性があります。


最後に

ChatGPTのインターフェースは変わっても、ChatGPTによって普及されていくPluginsによる、プラグインエコシステムはより自然な形で日常生活に普及していくのだろうと考えています。

GPT-4に、5年後の未来でどのように活用されているかについて聞いてみたので、それで本記事は締めようと思います。

5年後、2028年に、ChatGPTプラグインは大幅に進化し、あらゆる面でユーザー体験を向上させる革新的なツールとなっていると予想されます。

インターフェースの進化は驚くべきものとなります。ブラウザやアプリベースのチャットから、AR/VR、音声アシスタント、さらにはIoTデバイスまで、あらゆるデバイスと環境でChatGPTを使用することが可能になります。例えば、スマートグラスやARゴーグルを介してChatGPTと対話することで、リアルタイムで周囲の環境を理解し、対話に役立てることができます。これにより、ユーザーが「近くのレストランを教えて」と尋ねた場合、ChatGPTは具体的な方向や距離を視覚的に示すことが可能になります。

また、VR環境では、ユーザーは仮想空間内でChatGPTと対話し、情報を3Dで視覚化することができます。例えば、ユーザーが「人間の体を教えて」と尋ねた場合、ChatGPTは3Dの人間の体を生成し、それぞれの器官や構造を詳細に説明することが可能になります。

プラグインの数と種類も大幅に増加します。ユーザーは自分のニーズに合わせて最適なプラグインを選択し、複数のプラグインを組み合わせて使うことができます。プラグインは外部APIに接続し、さまざまなサービスとデータにアクセスできます。例えば、ニュースプラグインは最新のニュース記事を提供し、翻訳プラグインは複数の言語間でリアルタイムに翻訳を行います。これにより、ChatGPTは単なる会話ツールから、情報検索、学習、エンターテイメントなど、さまざまな用途を持つパーソナルアシスタントへと進化します。

また、プラグインはユーザーが作成することも可能になり、個々のニーズに合わせたカスタムプラグインが作成されます。例えば、特定の業界の専門知識を持つプラグインや、ユーザーの趣味に特化したプラグインなど、あらゆるニーズに対応する多種多様なプラグインが生まれます。こうしたプラグインは、プログラミングスキルを持たない一般のユーザーにとっても作成しやすい形となり、プラグインマーケットプレイスを介して共有されるでしょう。

ChatGPTプラグインは、企業が自社のサービスや製品をプロモートするための新たな手段としても利用されます。自社のAPIをプラグインとして提供することで、自社サービスの視認性を向上させ、新規顧客を獲得することが可能になります。一方で、ユーザーにとっては、こうした企業のプラグインを使うことで、製品やサービスに関する直接的な情報を手に入れることができ、より賢明な消費者意識を持つことができるでしょう。

プライバシーとセキュリティも重要なテーマとなります。ChatGPTプラグインが多様化し、ユーザーの個人情報を扱うことが増えるにつれ、その情報の保護はより一層重要となります。このため、OpenAIはプラグインのセキュリティ基準を厳格に定め、ユーザーのデータを安全に保つための技術を進化させることが求められます。ユーザーは自分のデータがどのように扱われ、どのように保護されているかについての明確な情報を得ることができるでしょう。

5年後のChatGPTプラグインは、単なるテキストベースのチャットボットを超え、各ユーザーのライフスタイルに深く結びついた、パーソナライズされたAIアシスタントとなるでしょう。それは情報を提供するだけでなく、学習、娯楽、仕事、日常生活のさまざまなタスクを支援し、ユーザーにとっての新たな可能性を広げる存在となることでしょう。

GPT-4

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