ChatGPT Pluginsがとうとう広く利用され始めてきますね。
ここ1ヶ月半ほど、ChatGPT Pluginsについて重点的に調べてきました。その中で見えてきたことについてまとめます。
先に結論まとめます
ChatGPT Pluginsは、現在のChatGPT UIのインターフェース(ブラウザ)ではなく、より新しい形のインターフェースで利用され、日常生活に溶け込まれていくことになるはず。
プラグイン提供側は、それを見越した意思決定と開発をしていくべし。
ChatGPT Pluginsを分解して考える
ChatGPT Pluginsが登場した際、これはiPhoneで言うところのApp Storeが誕生したほどのインパクトだ、といった感じでTwitter界隈が盛り上がっていました。
しかし実際に開発をしてみると、インターフェースが限られていると言う制約があり、ユーザー体験の革命が起きるとは正直あまり思えませんでした。つまりバブルでよくありがちな「期待>>実態」と言う構図が起きているのではないかと。
しかし改めて考えを整理したところ、以下のように分解するとChatGPT Pluginsについて適切に向き合えると感じました。
ユーザーに回答するインターフェース
外部APIと連携するための規格とそれの普及
外部APIを取り扱う処理
社会に及ぼしたChatGPT Pluginsの影響として大きいのは2だと考えています。LLMが外部APIと連携をするための規格を定め、それを普及させた(今後普及していく)ことは将来的に見てかなり大きなインパクトになると思います。
一方で、1.インターフェースについてはこれが適切であるとは個人的には思えません。
ChatGPT UIインターフェースについて個人的に不足している点を挙げてみます(日常生活に浸透していくレベルの体験を想定した時のギャップをイメージしてます)
テキスト入力による操作負荷と、適切に意図を伝える限界
PUSH通知が送れないため、非同期に起きたイベントを認知できない
毎回ブラウザを開いてChatGPTページに移動する必要がある手間
前提となる情報(位置情報、最近の関心など)の共有が自然にできない
何か作業をしながらChatGPTは利用しにくい(タブ切替する必要がある)
プラグインは3つまでしか選択できない(5/16現在)
などなど。
個人的な見解としては、まだ外部Pluginsを活かせるプラットフォームは発展途上であり、他社サービスを含めて、新しいサービスに取って代わる、あるいは共存していく余地はまだまだあると思っています。
なぜかというと、サービス実装するにあたっての参入障壁が1,2,3を見た時にまだあまり無いからです。2は各社の判断に委ねられPluginsはオープンに開かれているものが多く、3は確かにOpenAIは知見を持っているものの、オープンソースの技術が日々進歩しています。
PoeやチャットAI(LINE Bot)などのChatGPT APIを利用したサービスが、少なくない利用者数を獲得していることを考えると、自社サービスのセグメントも踏まえながら、ChatGPT UI以外のサービス動向についても追っていく必要があるなと感じます。
将来的に、ChatGPTがモバイルアプリに
5/16現在時点では、もうすでに求人はなくなっていましたが、以前OpenAIはChatGPTのモバイルエンジニアMgrを募集していました。
このことからも、将来的にChatGPTのモバイルアプリが出てくることは可能性としてかなり高そうです。現状のブラウザでは実現できない/ユーザー体験として微妙なところも、改善されていくと思われます。
現状のブラウザ版を見て、良い体験を提供できないと感じて、ChatGPT Pluginsの開発の優先度を下げてしまう判断はリスクだと思います。
プラグインマーケットの動き
ユーザー視点から見た時、最大3つまでしか選択できないと言うのは課題として認識される仕様だと思います。また数多あるプラグインから選択するのもかなり大変な作業です。
これらの課題を解決する仕組みが出てくると思います。
個人的には、いくつかの方向性が出てくるんだろうなと思っています。
公式がプラグインの選択可能数を増やす、スレッドの途中でプラグインの付け替えが可能になる
公式がプラグインマーケットで、どのプラグインがおすすめかをレコメンドする機能を実装する、チャットで検索できるようになる
OSS的に3個以上のプラグインを使えるような仲介プラグインが開発される(ただし精度は劣る的なデメリットがあると思う)
企業がプラグインを利用してもらうための便利な組み合わせパッケージプラグインを提供する、組み合わせ方のノウハウ記事を発信が盛んになる
現在のプラグイン市場はまだ序章で、これからより複雑なマーケティング領域となってくると予想されます。ここのノウハウを貯めていく上でも、早めに参入しておくことが有利になってくる可能性があります。
最後に
ChatGPTのインターフェースは変わっても、ChatGPTによって普及されていくPluginsによる、プラグインエコシステムはより自然な形で日常生活に普及していくのだろうと考えています。
GPT-4に、5年後の未来でどのように活用されているかについて聞いてみたので、それで本記事は締めようと思います。