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不思議の国のアリスと統合失調症

統合失調症を調べるうちに、『不思議の国のアリス』という本に辿り着きました。

全世界で聖書の次に読まれている本が『不思議の国のアリス』だそうです。ご存知でしょうか?

『不思議の国のアリス』の著者は数学者でもあるチャールズ・ラトウィッジ・トドソンが、ルイス・キャロルの名前で書いた物語です。
芥川龍之介も日本語訳に関わっています。

私が何故、『不思議の国のアリス』が気になり始めたのかというと、私が統合失調症になって体験したことがまるで不思議の国のアリスのようだったなと思ったからなんです。
それで調べていくと、一説に著者のルイス・キャロルも統合失調症だったと言われていることに辿り着いたんです。

私が体験したのは信号機がやたらと小さく感じたりゲームの中で自分が生きているような感覚や、逆に自分が小さく感じてしまうことや、時間がすごく長く感じてもの凄い時間が経ったと思って時計を見たらまだ3分しか経っていなかったなど。
家族がみんな全く知らない他人のように感じてしまい、どうして自分がここにいるのかわからなくなってしまって急に泣き出してしまったり。幻聴がどこからかいつも聞こえてきて実体の見えないものたちと心の中で話していたり、部屋が歪みはじめて部屋が小さくなっていく感覚に襲われたり。常に誰かにつけられている気がして監視されているといつも思っていたり。現実を生きているのか夢の世界を生きているのか、わからなくなっていました。今まで生きていた世界とは全く違うように世界を捉えていました。

統合失調症ってどんな感じ?と言われた時に、"不思議の国のアリス"のような世界と言うとみんなの頭の中にはすでにイメージがあるので、伝わりやすかったです。

統合失調症ってどうしてなってしまうかというと、『運動脳』という本には、沢山ある情報を普通人は流して生きているんだけど、統合失調症の人は大量の情報を流さずに受け止めようと生きているというようなことが書いてありました。
それじゃ、脳も混乱して機能障害を起こしても仕方ないと思われます。

過去にゴッホやムンク、ルイス・キャロルや夏目漱石、芥川龍之介も統合失調症だったということを知って、寂しさが和らぎました。
だって昔から同じような症状に苛まれながらも、もがきながらも表現活動をして生き切った人たちがいるんだという事実は、紛れもなく希望の光をもたらしてくれました。
草間彌生さんは統合失調症の幻覚を描くことで世界的アーティストになっています。
100人に1人はいるということも希望でした。
自分1人じゃないんだと。

これは決して特別な病気(症状)ではないんだと思えてきました。

私の周りに誰ひとり同じような症状を抱えた人はいなかったのですが、私がカミングアウトしたことで実は知り合いにいます、とか、家族にいます、とか私に個別にメッセージを送ってきてくれるようになったんです。すごいことです。

『不思議の国のアリス』は私を救ってくれた。
今はそう思えるんです。

自分は変なんじゃないか?おかしいんじゃないか?人と違うことはダメなんじゃないか?

そんなことはなくて、誰でも変わってる所はあるし、それも個性と認めて生きていけばいいんじゃないか、と思います。

私はあの『不思議の国のアリス』の世界観が好きです。不思議の国のアリス症候群という病名もあるくらいです。色々な人がいる。私は統合失調症になったことで、本当に世界を見る目が変わったと思います。

必ずしも自分が見ている世界をみんなが同じように見ているわけではない、ということもわかりました。

そして自分の人生は自分のもの。
誰にも奪えない。
だからこそ大切にして欲しいと思います。
自分を生きて欲しいと思います。

この記事には、ルイスキャロルが統合失調症だったのでは?ということも書かれています。


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