パズルスクエアパズル紹介(その1、人気パズル編)
こんばんは。パズル作家のにょろっぴぃです。
コロナウィルスの影響により、首都圏を中心に不要不急の外出が自粛となり、暇つぶし出来ることがしたいという方が、以前よりも増えているのではと思います。
そんな皆さん、パズルスクエアというパズルサイトはご存知でしょうか。なんと、150種類以上、全種類合計7000問以上のパズルが完全無料で遊べる、日本最大級のパズル投稿サイトです。
…と前置きを書いてみましたが、この記事を読んでいる時点で、読者のほとんどは既にパズルスクエアを知っているか、twitterなどでパズルに興味を持った方だろうと思います。そこで今回は「パズルに興味はあるけど、パズルスクエアが良く分からない!」という方を主な対象に、パズルスクエアのパズルを紹介したいと思います。具体的には、こんな方向けの記事です。
・twitterで色んなパズルが流れているけど、種類が多すぎて良く分からない
・「ヤジリン」を知ってパズルに興味を持ったけど、他のパズルは良く分からない
・パズルスクエアは知ってるけど、問題や種類が多すぎて、何を解いたら良いのかが分からない
現在、twitterでは7日まで「#ペンシルパズルデビュー週間(第2回)」が開催されていますが、これでパズルを知ったような方にもオススメです。
本記事はその1ということで、パズルスクエアでの人気パズルを主に取り上げます。次回はそれ以外のパズルのうち、筆者のおすすめパズルを取りあげます。
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0.はじめに
・パズルスクエアそのものの紹介や基本的な利用方法については、過去記事「パズルスクエア利用ガイド」を参照ください。開設直後の記事のため、問題数などのデータは全く異なりますが、基本的な利用方法は現在も変わっていません。
・パズルスクエアでは、難易度が5段階に分かれています。難しい問題も多いため、パズル初心者の方は★1だけ、あるいは少し慣れている方でもはじめは★1と★2だけを解くことを強くお勧めします。難易度欄にチェックをした上で「適用」ボタンを押すと、その難易度の問題だけを抽出することが出来ます。
・「v」という赤字のマークが付いているパズルがありますが、これは「variant(変種)」の略で、追加ルールがあることを示します。初心者は飛ばすことを同じく強くお勧めします。
・パズルスクエアでは「いいね!」と思った問題に♥を付ける機能があり、♥の数が問題ごとに表示されています。ジャンルによっては、問題の質に差があったりするのですが、ひとまず♥が10以上付いているパズルは安心して解けると思って大丈夫でしょう(ただし、♥の付きやすさ自体、ジャンルによって差があります)。
・本記事ではパズルスクエアの人気パズルを、投稿数順に紹介していきます。その際、各パズルには以下の4つの項目を掲載しています。
(1)分類
パズルスクエアには様々なパズルがありますが、特に人気上位のパズルは「パズル通信ニコリ」という、パズル雑誌発祥のパズルが大多数です。
もっとも、同誌も創刊から約40年が経っており、長い歴史の中で、過去には載っていたものの、現在はほとんど載らなくなったパズルも少なくありません。また、パズルスクエアでは、ニコリ本誌では数回程度しか載らなかったにもかかわらず(現在、ニコリ本誌は170号まで刊行されています)、「発掘」されて、人気が上がったパズルも少なくありません。
そこで、本記事では、全体を以下の3つに分類します(サイトのフィルタでは、定番/定番以外に分かれているのですが、この定番以外を大きく2つに分けたとイメージしていただければと思います)。
・ニコリ(定番) ニコリ発祥のパズルで、現在もニコリ本誌や別冊で定期的に掲載されているパズル。ぬりみさきなど、いわゆるオモパパズルは非定番扱いにしています。
・ニコリ(非定番)ニコリ発祥のパズルで、現在はニコリ本誌や別冊ではほとんど掲載されていないパズル。大部分はオンラインエディタに対応し、オンラインで解ける一方、紙媒体では入手しにくい。
・その他 ニコリ発祥以外のパズル全て。言葉系など、一般的に有名なパズルや海外では有名なパズルから、マイナーパズルまで幅広い。種類によるが、有名なパズルは紙媒体や、各種サイトでも入手しやすい。
(2)ジャンル
パズルスクエアではパズルの種類を大きく6つに分類しており、フィルタによって種類ごとに分けることが出来ます。
・数字系 数独(ナンプレ)など、数字を埋めるタイプのパズル。紙では人気が高いのですが、オンラインとの相性が悪く、パズルスクエアでの投稿は少なめ。
・線引き系 ヤジリンなど、線を引くパズル。全体的に人気が高く、問題数の半分弱を占めます。
・黒塗り系 主に黒マスを塗るパズル。紙で解くと、手や盤面が汚れやすいジャンルで、オンライン向けのジャンルと言えるでしょう。
・記号配置系 記号など、主に物体を配置するパズル。配置するものも様々で、パズルによってルールの違いが大きいのが特徴です。
・領域分割系 盤面を分割するパズル。図形パズルの性質が強く、他のジャンルに比べると理詰めよりも直感・試行錯誤系の問題が多めです。
・言葉系 クロスワードなど、言葉系のパズル。一般的には人気ジャンルなのですが、オンラインとの相性が極めて悪く、パズルスクエアではほとんど投稿がありません。
(3)ルール難易度
ルールの分かりやすさを5段階で示しています。★1が分かりやすく、★5が難解なパズルです。もっとも、難解なパズルは難解ゆえにマイナーになるパズルも少なくありません。
なお、上記の通り「v」が付いているパズルは、追加ルールが付いています。ルールが分かりにくいパズルは「v」付きが多いです。
(4)パズル度
ペンシルパズルの中でも特に数理系は、決まったパターンを覚えたり、解き方を身につけることで上達し、難しい問題が解けるようになったり、解くのが早くなるパズルが多いです。数独(ナンプレ)とクロスワードの違いをイメージすると分かりやすいと思います。こうしたパズルは上達を実感する楽しさがある一方で、覚えることが多く、とっつきにくいという側面を持っています。
こうしたペンシルパズルっぽさを、同じく5段階で示しています。★1が最低、★5が最高です。理詰め度と言っても良いかもしれません。★1と★5のどちらが良いというものではありません。これは筆者のイメージですが、数学やプログラミング出身などで、理論的考察が好きな方は★が多いパズルを、逆に謎解き出身などで、ひらめき、直感が好きな方は★が少ないパズルを好む方が多い気がします。
前置きが長くなりました。以下、パズルの紹介です。
1 ヤジリン
分類:ニコリ(定番)
ジャンル:線引き系
ルール難易度:★★★
パズル度:★★★★
オンライン、パズルスクエア共に圧倒的な人気を誇るパズルで、投稿数は2位の約2倍、なんと、もうすぐ1000問に迫ろうとしています。ヤジリンだけは知っているという方も多いのではないでしょうか。
人気パズルですが、ループの要素と黒マスの要素があり、意外とルールは多めです。また、このパズルの特徴として、ニコリとオンラインでは問題の傾向がかなり異なることが挙げられます。ニコリでは軽めの論理を中心とした理詰めのパズルですが、オンラインでは仮定を使う問題も多く、別パズルと言っても良いでしょう。なお、問題数が多い分、問題ごとのばらつきも大きいです。
2 へやわけ/∀人∃HEYA
分類:ニコリ(定番)/その他
ジャンル:黒塗り系
ルール難易度:★★★★/★★★★★
パズル度:★★★★★
パズル度の高いパズルの代表的なパズルです。∀人∃HEYAはさらに「各部屋に入る黒マスの位置は点対称になる」というルールが加わったパズルで、へやわけ本体の人気からか、バリエーションでは圧倒的な人気を誇っています。パズル度が高い数理系パズルが好きな方だと、一度はへやわけにハマる時期がある方が多いのではと思います。
ニコリでは、難しい問題は部屋同士の複合や、部屋が分割される問題が多いのに対し、パズルスクエアでは大きな数字の処理が求められる問題が多い印象です。これらのパターンを覚える必要はないのですが、基本パターンの応用が多く、覚えることは多めです。
3 シャカシャカ
分類:ニコリ(定番)
ジャンル:記号配置系
ルール難易度:★★
パズル度:★★★
記号配置系に分類されていますが、実際は図形パズルの要素も含んだ黒塗り系に近いパズルでしょうか。解きあがり盤面のきれいさと独特さに定評のあるパズルです。数字の影響が思わぬところまで及ぶパズルで、ニコリ本誌に比べると、数字が少ない問題が多い印象です。筆者は解く・作る共に非常に苦手なパズルなので、このパズルについてはこれぐらいで…。
4 ましゅ
分類:ニコリ(定番)
ジャンル:線引き系
ルール難易度:★★
パズル度:★★★
ルールが分かりやすい上に作りやすく、解き手にも作り手にも初心者にお勧めのパズルです。パターンは色々あるのですが、白丸と黒丸の性質から導けるものが多く、線引き系で比較対象となるヤジリンやスリザーリンクに比べるととっつきやすいパズルです。ニコリとの差もほとんどなく、パズルスクエア経由でニコリに興味を持った方にもおすすめのパズルです。
5 ぬりみさき
分類:ニコリ(非定番)
ジャンル:黒塗り系
ルール難易度:★★★★★
パズル度:★★★★★
ニコリ本誌では二軍パズルですが、ヤジリンと共にオンラインで爆発的な人気となりました。全ての「岬」が表出、全ての白マスがひとつながり、白マス黒マス共に2×2禁止と、独特かつ制約の強いルールが重なっており、ヒントがない場所でも決まっていく面白さがある一方、ルールや性質の理解が難解なため、初心者にはお勧めしません。なお、ニコリ本誌とオンラインでは別パズルと言っても良い状態で、オンラインではパズル度の高い方向に進化しているのですが、ニコリの基本路線とは外れやすいので、今後の動向に注目したいパズルです。
6 美術館
分類:ニコリ(定番)
ジャンル:記号配置系
ルール難易度:★★★
パズル度:★★★★★
ルールは長めですが、要するに、全てのマスを照らすように照明を配置するパズルです。様々な解き筋がある上、照明によって遠くのマスにも影響を及ぼすことが出来るため、ロジカルな問題が多めです。
ニコリが提供している「スマニコリ」でも遊ぶことが出来るため、興味を持った方はスマニコリもお勧めです。筆者も時々問題を作っています。
7 さしがね
分類:ニコリ(非定番)
ジャンル:分割系
ルール難易度:★★★
パズル度:★★★
ニコリではかなり前に掲載が消えたパズルだったのですが、熱狂的なファンがいたこともあり、パズルスクエアでは人気パズルとなりました。ぬりみさき、LITSと共に、パズルスクエアならではのパズルと言えるでしょう。
覚える手筋は多くはないのですが、全ての形がL型になるという性質が強力なことと、数字・数字無し○・矢印という3種類の記号があるおかげで、多彩な解き筋を楽しめます。大部分が同一作家作なこともあり、全体的に問題の質も非常に安定しています。
8 LITS
分類:ニコリ(非定番)
ジャンル:黒塗り系
ルール難易度:★★★
パズル度:★★★★
ニコリ本誌でもたまに載るパズルで、定番と非定番の間ぐらいのパズルです。海外では非常に人気が高いパズルです。
タイトルの通り、4種類のテトロミノを同じ形が隣接しないように配置するパズルで、黒塗り系ながら、図形パズルの性質も強めです。出題されるパズルも大きく、ひとつながりルールや2×2禁をメインとした、黒塗りパズルっぽいパズルと、直感気味に図形を配置していく、図形パズルっぽいパズルに分かれます(ニコリではほぼ前者しか出ず、逆に海外は後者が多めです)。作者が少なく、さしがね同様問題の質が安定している上、全体的に♥の数も多めです。
9 ぬりかべ
分類:ニコリ(定番)
ジャンル:黒塗り系
ルール難易度:★★★★
パズル度:★★★
ひとつながりルールと2×2禁を中心とした黒塗り系パズルで、ルールはやや難解ですが、覚える解き筋は少なく、ルール以上に手を付けやすいパズルです。黒塗り系の中では、初心者にお勧めのパズルです。
と、これはニコリでの話。パズルスクエアでは理詰めだけでなく、最密充填のような、直感で解くタイプのパズルが少なくなく(なお、海外でもこの手の問題が多めです)、その2で紹介する、ハニーアイランドに近い雰囲気のパズルとなります。★2ぐらいでもこの手のパズルが混ざっているため、理詰めパズルとはあまり思わない方が良いかもしれません。
10 ダブルチョコ
分類:ニコリ(非定番)
ジャンル:分割系
ルール難易度:★★
パズル度:★★★
白色と灰色で同じ形が接するように盤面を切り分けるパズルです。数理系と図形パズルが合わさったタイプのパズルで、数字が多いと理詰め寄り、数字が少なかったり大きい数字を使う部分だと、図形パズル寄りになります。ルールが少ない上、覚えないといけないことがほとんどなく、こちらもパズル初心者にお勧めです。
ぬりみさき同様にニコリでは二軍パズルなのですが、パズルスクエアでは非常に人気があるパズルで、今後の動向が注目です。
11 スリザーリンク
分類:ニコリ(定番)
ジャンル:線引き系
ルール難易度:★★★★
パズル度:★★★★
有名なパズルで、ニコリ以外の本でも時々載っているパズルです。ルール自体はシンプルで★★ぐらいなのですが、そこから基本パターン(33、03、斜め33など)を理解するまでが少々難しく、★2が一通り解けるようになるまでに覚えることは比較的多めです。
その分、ルールのシンプルさからは想像もつかないぐらい多彩な解き筋があるパズルで、出来るようになると楽しいパズルです。難易度の幅も広く高難度だと、仮定して引きに行くしかないタイプの問題も点在します。
12 ナンバーリンク
分類:ニコリ(定番)
ジャンル:線引き系
ルール難易度:★★
パズル度:★
ニコリの数理系定番パズルでは唯一といって良い、理詰めで解けないパズルで、これまでに紹介した他のパズルとは全く別のパズルと言って良いパズルです(古典的パズルで、そもそもニコリ発祥ではありません)。
解き手、作り手共に個人差が非常に大きいパズルで、★3、4のパズルが最初に解けるパズルになる人も、最後まで解けないパズルになる人もいるパズルです。相性によりますが、人によっては最初に解けるパズルになるため、ひとまず★1の問題を解いてみることを強くお勧めします。また、作家はニコリ本誌でも活躍する2人が大部分の問題を作っており、問題の質が非常に高いです。ニコリ以上と言っても過言ではありません。
以上、上位13種類のパズルを紹介しました。
何から解いて良いか分からない方は、ひとまず各種類の★1を解くことをお勧めしますが、特に、へやわけ、ましゅ、ナンバーリンクの★1を解くと好きなパズルのタイプがつかみやすいのではと思います。具体的には以下の通りです。
・へやわけ 黒塗り系や、パズル度の高い理詰め系向き。お勧めはぬりみさきの他、Tapa、クリーク、スターバトル、バッグなど。
・ましゅ 軽めの理詰めパズル向き。Castle Wall、グラーデヴェグなどの線引き系のほか、橋をかけろなど。
・ナンバーリンク 直感系向き。ハニーアイランド、カーブデータ、Compass、お家へ帰ろうなど。
その2では、上記にも挙がった、スターバトル、Tapa、ハニーアイランドなどのパズルを紹介します。お楽しみに。
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