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美術館を解こう その1・基礎編

こんばんは。パズル作家のにょろっぴぃです。
今年もよろしくお願いします。

今年やってみようと思っていることの1つとして、色んなパズルについて、主に初心者を対象に、パズルや解き方の紹介をしてみたいと思っています。ということで、早速ですが、第1回として美術館を紹介したいと思います。

基礎編の本記事は、ルールの確認と、初級~中級ぐらいの解き方を紹介します。この記事の内容が分かれば、ニコリでいうおてごろ、Puzzle Square(以下、パズスク」)でいう★2までの問題は、大体解けるようになると思います。その2の応用編では、主にたいへん~アゼン、★3~4で出てくる、高度な解き筋を紹介します。

ちなみに、難易度ですがニコリでは「らくらく・おてごろ・たいへん・アゼン」の4段階、パズスクではこれに最高難度のハバネロを加えた、★1~★5までの5段階です。概ね対応していますが、パズスクの方が若干難しめだと思います。あと、パズスクだと時々難易度詐称があります。

美術館のルール


ニコリのサイトより引用)

1 盤面のいくつかの白マスに照明を置き(○を書き)ましょう。
2 盤面の数字は、その数字の入っているマスにタテヨコに隣り合う白マスのうち、照明が入るマスの数を表しています。
3 照明は、そのマスから上下左右に、黒マスか外枠にぶつかるまでの範囲を照らします。ナナメの位置にあるマスは照らせません。
4 照明どうしが照らし合ってはいけません。
5 どの照明にも照らされない白マスがあってはいけません。

ルールは5つと、パズルの中では比較的多めですが、直感的に分かりやすいルールが多いと思います。例題でルールを確認してみましょう。
例題のリンクはこちらです。

例題
解答

ルール1、2は解答図を見ればわかると思います。
ルール3は、例えば「3」の周りにのみ照明をおくと次のようになります。実際に、例題の盤面で照明を色々置いてみると、イメージがつかめるかなと思います。

残りのルール4と5は、下の図を見て下さい。下から3列目には、照明が2つありますが、これはルール4に反します。また、ルール5が少し難しいのですが、一番上の「1」の右のマスを見てみましょう。このマスは、下にも右にも照明が入らないため、このマスに照明が置かれないと、ルール5に反することになります。このルールを使って、照明の位置が分かる場面もよくあります。

美術館の解き方・初級


ルールの紹介はこれぐらいにして、実際に美術館の解き方をいくつか見ていきましょう。

4など、照明の位置が決まる数字

ルール1,2から決まる基本的な解き方で、図のように、盤面中の4、外周の3などはすぐに照明を置くことが出来ます。また、逆に0であれば、全ての方向が白マス(ここでは・で表現)であることが確定します。
高難度の問題でも入り口に使うことが多いので、問題を開いたらとりあえず大きな数字から探してみるといいでしょう。

救出

こちらはルール5を使い、白マスに注目して照明の位置を決めていく考え方です。上の図で、左上の部分はルール5より照明の位置が決まります。また、左の0の下のマスは白マスになっていますが、このマスを照らすように照明を置くには、左下に照明を置くしかありません。
0を中心に、数字が小さい方が使うことの多い解き筋で、問題によっては若干見えにくいこともあります。0など、照明が置かれないと分かったマスには、とにかく白マスを打つことをおススメします。

練習問題その1

ここまでの2つで、らくらく・★1の問題は解けると思います。練習問題を2問用意しましたので、ルールと基本的な解き方に慣れてみましょう。

練習問題1

練習問題2

美術館の解き方・中級


続いて、中級として、ニコリでいうおてごろ、パズスクでいう★2あたりでよく使われる解き方を2つ紹介します。応用が利く解き方で、ニコリでいうたいへん、パズスクでいう★3レベルで使われることもあります。
慣れると条件反射的に反応できるようになりますが、最初のうちは丸暗記をするよりも、なぜそうなるかを理解した方が良いかと思います。今後の手筋にも共通するのですが、美術館の手筋は基本形を発展させて使うことが多く、原理を理解していた方が応用が利きやすいからです。

ナナメ手筋

とはいえ、この手筋はとてもシンプルで、変形も特にありません。
あるマスの数字が最大数よりも1つ少ない場合に使える手筋で、ナナメのマスが白マスになります。このマスに照明を置くと、数字の個数照明を置けなくなってしまうのですね。

手筋はシンプルかつ地味なのですが、上図のように、連鎖的に使うことが出来るのがこの手筋の特徴です。小回りが利きやすいので、小サイズでもよく出てきます。数字が桂馬上に配置されている場合には、この手筋を意識すると良いでしょう。

練習問題その2

この手筋をメインで使った練習問題です。2問目は、筆者が以前パズスクに投稿した問題で、ここまでの考え方だけで解けます。

練習問題3

練習問題4


13手筋


名前は今適当に付けました。何か名称があれば教えて下さい。
数字が斜めに接している時に使われる手筋で、上の図のように、いろいろなパターンがあります。照明の位置を決める場合にも、白マスの位置を決める場合にも使え、小回りも利くため、こちらも色んな場面で使われる手筋です。基本形であればおてごろ、発展形だとたいへんレベルになることが多いです(筆者の感覚では、左下のみたいへんレベル、他はおてごろレベルかなと思います)。
個々の解説はここでは省略します。それぞれ、なぜこのように決まるかを考えてみて下さい。


練習問題その3


練習問題5

練習問題6

今までの解き筋を使った練習問題です。
練習問題6は少し難しめの問題です。卒業問題として、挑戦してみて下さい(本記事と同時にパズスクに投稿しましたので、リンク先はパズスクになっています)


おわりに


ここまで、美術館の初級~中級手筋を紹介しました。以上の手筋をマスターすれば、らくらく~たいへん(のうち易しめ)ぐらいの問題までは解けるようになるかと思います。

本記事をきっかけに、美術館や、色んなペンシルパズルに興味を持つ方やその結果パズル沼にはまる方が増えれば幸いです。

最後に、美術館が解ける場所をいくつか紹介します。

①Puzzle Square JP
練習問題の一部で同サイトの問題を紹介しましたが、現時点で700問以上の問題が載っています。
色んな問題がありますが、ひとまず★1~2の問題であれば大体解けると思います。美術館は、低難度の問題も多く、解く問題には困らないと思います。迷った場合には、新しい問題からいくつか解く、いいね数が多い問題からいくつか解く、などの解き方をお勧めします。

②ニコリの出版物
ルール文のところで紹介しましたが、同社から出版されているパズル本に、美術館が掲載されています。ただし、メイン誌である「パズル通信ニコリ」には毎号は掲載されていなく、概ね2号に1回の掲載なのでご注意ください。最新号の177号には掲載されているため、次号の178号には掲載がない可能性が高いです。

③スマニコリ
同じくニコリ社がアプリとして出しているもので、スマホで遊べます。このアプリ、遊べるのは数独と美術館だけということで、なんと、美術館はあの数独(ナンプレ)と肩を並べる人気パズルです。
問題は10×10と10×18のみで、難易度は幅があります。美術館は元々は紙のパズルでしたが、パズルの性質上、画面で解いた方が解きやすいパズルなので、個人的には②よりも①③の方が好みです。


それでは、また後半・応用編でお会いしましょう。


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