クリスマスに関するトラウマ
クリスマス。
街はイルミネーションで煌めき、子供たちはサンタさんからプレゼントにウキウキワクワクしている。
数あるイベントの中でも特にファンタジー要素がデカくトキメキが半端なかったため、私はクリスマスが大好きだった。
この時期が近づくと自然と目が輝き、目に映る全てがキラッキラしていた。
もはやクリスマスのために1年を過ごしていると言っても過言ではなかったくらいクリスマスが大好きだったので、8月くらいから「もうすぐクリスマスだね〜!!」と言って浮き足立っていたのを今でも覚えている。
さて、ここまで大のクリスマス好きだった私だが、実は今はそうでもない。
いや、好きな気持ちは変わらないが、昔ほどの胸がはち切れそうなくらいの
トキメキやキラメキは無くなってしまった。
正確に言えば、“奪われてしまった”のだ。
あれは忘れもしない、小学4年生の冬。
クリスマスの3日ほど前の事。
クリスマスを目前にしてルンルンランランしていた私は、神妙な面持ちをした両親に「話がある」と突然リビングに呼び出された。
なんだ、なんかやらかしたか?
説教か?だり〜
くらいにしか思っていなかった私に、両親から衝撃の言葉が浴びせられた。
「あのね、実は…サンタさんは、ママとパパだったの。」
え?????
は???????
私は耳を疑った。
10年間信じ続けていたクリスマスの魔法は全て幻想だった、だと…?
ぽぽちゃんも、こえだちゃんの木のおうちも、DSiも、
ワミー(コクヨから販売されている子供向けブロックおもちゃ)も、
み〜〜〜んなサンタさんが魔法の力で出してくれたんじゃなく、
ママとパパが買ってくれてただけだったの…??
頭が真っ白になった。
実際1年生の頃からとっくにプリキュアにはなれないと悟っていたし、
ルキウゲ・ルキウゲ・ロフォカーレと唱えても魔術が使えないことくらい分かっていた。
でも、クリスマスだけは。
聖なる夜だけは、世界に魔法の力が存在すると、本気で信じていたのだ。
その幻想に満ち溢れた日を糧に生きていたのだ。
「そ、そんな…」
気づけば私は、大粒の涙を流していた。
その後両親は、あまりにもずっとサンタさんの正体に気づかない我が子が心配になったから流石にそろそろ言わなきゃ…と思った、とか、プレゼントを一緒に選べる方がいいと思ってたから…などと衝撃告白の言い訳をしていた。
が、私の耳には一切届かなかった。
心に深く、深く傷を負った。
この日以来、私は人生の輝きを半分くらい失った…。
というわけで、世の中の“サンタさん”たちはくれぐれもネタバレの仕方に気をつけてくれよな!!!!!!!!!
おわり
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