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ドキュメンタリー映画『正義の行方』観てきた

渋谷のユーロスペースという映画館で、
実際の事件「飯塚事件」の真相を追うドキュメンタリー映画がやっている。

公式サイト⤵︎ ︎

https://seiginoyukue.com/


『真犯人はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』清水潔著

を夢中で読んでいる今、巡り合わせを感じ、無事に観てきた。

福岡で実際にあった飯塚事件のドキュメンタリーだ。
飯塚事件についての概要を知りたい方はWikipediaどうぞ

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%AF%E5%A1%9A%E4%BA%8B%E4%BB%B6

幼い女の子が2人、あまり書きたくもないが色々あった上に無惨な姿で見たかった。
二年半後に犯人逮捕。
異例の早さで死刑執行済み。
この事件は冤罪ではないか?とささやかれている。
ここで冤罪でしたって認めたら検察も警察も大変なことになる。
だが真犯人がいるとしたら野放しだ。

清水潔氏の『真犯人はそこにいる』を拝読すると、警察関係者の言葉にとても重い気持ちになる。
だが映画で肉声を聞くと、受けるダメージが桁違いだった。
(真犯人はそこにいる と この映画の事件が扱っているのは違う事件だが。類似点が多い)

(もちろん正義感を持って仕事をしてくれている警察も検察もいらっしゃると思う)

小学生の頃から殺人を犯した人と対面した記者や捜査官が書いた手記を読むのが好きだった。
なぜ罪を犯したのか、そもそもこの人は犯人なのか、真実を知りたい、という欲求が強い方だったと思う。

そんな中ドラマ『エルピス』を観た。
取り憑かれたように観た。

https://www.ktv.jp/elpis/

めちゃくちゃ面白かった。
参考文献が気になっていくつかの事件を調べた。

時は経ったが参考文献のひとつ、『真犯人はそこにいる』を読み、夢中になった。
何もしていても頭の中にいつでも北関東連続幼女誘拐殺人事件が5%はいる、みたいな感覚だ。

わりと取り憑かれている。

そんな私の「足利事件どう思う?DNA型鑑定ってこんな曖昧なものだったんだね。授業でやった?」という話に付き合い続けてくれている法学部出身の夫には申し訳ない限りだが、ありがたい存在だ。現在IT職なのに。
夫はずっと警察と検察が嫌いだ、と言っていた。
交際から7年以上経って、ようやく夫がそこまで嫌悪する理由がわかった。
今までは、「いや警察でも検察でもちゃんとやってる人はいるでしょ〜」と呑気に聞いていた。
夫の大学時代の友人で弁護士になった人が数人いるが、みんなわりとサッパリしている。
サバサバしてるというか、割り切っている。
病まないように上手くやっている。さすが賢い。
いい意味で「いい加減」に力を抜かないとやっていられないんだろう。
病む人も当然出てくると思う。

さらにそんな中、

YouTubeでこの動画と出会った。

https://youtu.be/lzimV1ah_e8?si=JIcALpPAD1OsWqDT

事件系の動画を見まくってるからオススメに出てきてくれたんだと思う。    

林真須美死刑囚の長男、
北九州殺人事件の息子さん、(この方は被害者遺族であり加害者遺族でもある)
幸福の科学教祖の息子さん
が出演されていた。

林真須美死刑囚は冤罪なのでは?と言われていることも大人になってから知った。
私は「林真須美死刑囚が犯人なわけがない!」と確信しているわけではない。
自ら現場で捜査とかしてないし。
正直わからない。
ただ、自供は一度もない。
物的証拠はあるが、素人の私が聞いても「それいくらでも捏造できるじゃん…」と驚いた。
推定無罪はどうなった?と不思議に思う。
こんな曖昧なのに、幼い私はテレビで林真須美を見ると極悪人と報道されていて、そうなんだなぁ、と素直に受け取っていた。
証拠が曖昧、というニュースにはエンカウントしたことが今まで一度もない。
そういえばリーガルハイではこの事件のことかな?という話があったね。

先の動画で御三方はこう仰る。

親のせいで自分の人生が不幸だなんて考えはダサい。
自分の人生は自分の責任だ。


どう考えても親の影響で大変な思いをしてきた御三方が、悲しいほど大人で、人間として立派だ。
トークが上手く、ユーモラスだ。
おちゃらけないとみんなの輪に入れなかった、と。
彼らをいじめてきた奴らは悪だ。
どんな理由があろうといじめは絶対に悪だ。
近寄りたくないなら何も言わずにそっと距離を置けばいいじゃないか。

勝手ながら、幸せを願わずにいられない。

そんなことを考えながら、資格を取ったりゆるく働いたりゆるく勉強したりしてここ数年を過ごした。

そして今『真犯人はそこにいる』を夢中で読んでいたら、Xのタイムラインで『正義の行方』という映画があることを知った。
これはもう導かれているとしか思えない。
奇妙な縁を感じた。

『真犯人はそこにいる』で扱われているのは、雑に言ってしまうと、足利事件。(本当に雑に言ってる。著者は足利事件の話とは思ってない)
正義の行方という映画は、飯塚事件。

このふたつはDNA「型」鑑定が決め手になって犯人逮捕、死刑求刑、冤罪じゃないかと言われている、という共通項がある。
「東の足利、西の飯塚」と呼ばれているらしい。(このふたつを同列に並べるな、足利事件は免罪だったが、飯塚事件の犯人は正しかった、という意見もある)



ドキュメンタリーなので、役者さんが滑舌よく話してくれるわけではない。  
役者ではない方が方言で話す。
正直福岡の方言がわからなくて、会話の三割ほど何を言っているのかわからなかった。
受験勉強で英語の長文を読む時、前後の文脈から判断しましょうとよく言われたあのやり方で話を把握していった。
欲を言えば標準語バージョンの字幕をつけてほしかった。
とはいえすごく興味深かった。
生の声が聞けるのは、本と映画の決定的な違いだ。
繰り返しになるが、本でも警察の言葉に重い気持ちになったが、顔を見て声を聞いて放たれる言葉の破壊力が桁違いだ。

冤罪だったかもしれないのに、
警察はそこを突っ込まれると、
「自分の無力さが悔しい」と言う。
お、そんな心もあるのか、と思ったのもつかの間、
「(死刑囚は)一度も反省してますと言わなかった。言わせられなかった自分が無力だ」と。

飯塚事件の捜査で大活躍した元刑事が現役刑事(なのかな?みんなリタイア後かもしれない)仲間に囲まれて食事をとって、褒めそやされていた。
チヤホヤされた元警察官は、
「おれはスピードが早いから。普通の人が一ヶ月かけて捕まえるものをおれなら一週間で捕まえる」
みたいなことを仰っていた。なるほど仕事の速さが自慢なのか。なるほど。
地域の方々からの信頼も厚い。

生き生きとしていた。

もちろん冤罪をうまず、正しい捜査だけしていたなら、それでいいのだ。
市民を恐怖から救ってくれたなら、英雄だ。
飯塚事件についてもわたしは、「真犯人はほかにいる!あの逮捕、起訴、求刑は間違っている!冤罪だ!」と思っているわけでは、ない。
犯人だったのかもしれない。
要するに、わからない。
ただ、検察と警察の動きが正しかったのかは、疑問が残る。
追記 →  目撃証言者が、証言は警察に強要された、修正を求めたけど聞き入れてもらえなかった、とニュースでやっていた

そして、この件を担当している弁護士さんは華やかではない。
毎朝ポストを確認して再審の知らせを待つ姿に涙が出た。
死刑が執行されてもまだ事件は終わってないのだ。
彼こそスポットライトを浴びて尊敬される生活を送っていてほしい。

私の残りの人生は、スポットライトを浴びなくていいから、清水潔氏やエルピスのプロデューサーやこの映画を作った方や飯塚事件の弁護士さんのように使いたい。

何が言いたいのかよく分からなくなったのでとりあえずここで終わるが、また追記すると思う。
いい映画だった。
こんな事件がありました、真実は?正義は?と投げかけてくれてありがたい。

あなたにとっての『羅生門』

というキャッチフレーズたったが、私的には『藪の中』であった。

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