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なぜかおもしろい絵本:『だるまちゃんとてんぐちゃん』


だるまちゃんとてんぐちゃん

『だるまちゃんとてんぐちゃん』
作/絵:加古里子
福音館書店 1967年

 この本の作者は加古里子(かこ・さとし)さんという男性なんですが、正直言って絵はあまりうまくありません。文も『ぐりとぐら』作者の中川李枝子さんのような言葉のセンスを感じさせる文章ではありません。でも、絵本としてはすごくおもしろい。子供たちにも人気がありますし。どうしてなんでしょうか(聞いてどうする)。

 ひとつ言えるのは、ストーリーの積み上げ方がうまいということ。加古さんは工学博士でもあるんですが、その理系の脳ミソのせいか、話の展開に非常にメリハリがきいてるんです。サクサクって感じですね。

あと、絵の細部まできっちり描くのもおそらく理系だからでしょう。話の中にいろんな種類の靴や帽子が山のように出てくるんですが、それぞれ丁寧に描いてあります。子供はそういう細部を意外によく見てたりするので、それも人気がある理由のひとつなのかもしれませんね。

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