漢字を書かずに書けるようになる、どんぐり倶楽部のイメージフィックス法

「漢字は何回も練習しないと覚えられない」というバイアス

皆さんは小学校の頃、漢字を覚えるのに、どのような練習をしましたか?自分は小学校、中学校時代は漢字ノートに何度も同じ漢字を書き続け、反復練習を通して記憶をしていきました。

うちの子供たちは、アメリカで日本語を学んでいるので、必然的に日本語に触れる機会が少なく、習った漢字を目にする機会は日本で生活する子どもたちと比べ、圧倒的に少ないです。日本に住んでいれば、当たり前に、街から漢字やひらがなの入った日本語が目に飛び込んできます。こういった環境も無い状況で、漢字を習得するのはかなりハンデがあると言えるでしょう。

子供たちに日本語を十分に使いこなせるレベルになるよう、日本語補習校に通わせていますが、漢字の習得は、どの生徒も大変苦労しています。補習校での学習で、鬼門とされるのが3、4年生。漢字の学習はさらに厳しくなり、一年間で200文字覚えないといけません。(小学校で習う漢字1,026字一覧)

ただ、小学校や海外の補習校では、40年前と変わらず、反復練習で学ぶ仕組みになっています。40年以上も変化しない教育法は、効果が立証されているからなのか、バイアスがかかって、誰も疑わないのか、どちらなのでしょうか。

現段階で、自分は「漢字は何回も練習しないと覚えられない」というバイアスがあると考えます。そこで、数年かけて、より効率的に学べる方法を探ってきました。

一回も書かずに、漢字を覚えるイメージフィックス法

以前紹介した石井式漢字教育は、幼稚園児も難しい漢字も読めるようになるので、とても重宝していました。本記事では、反復練習をせず、より効果的に漢字の書きを覚えるイメージフィックス法を紹介します。提唱者はどんぐり倶楽部の糸山泰造(いとやまたいぞう)氏。

イメージフィックス法のやり方
いきなりですが、以下の通りに試してみてください。

次の漢字は、なんと読みますか?


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答えは「うつ」です。うつ病の「うつ」ですね。

これを、今これを読んでるみなさんにも覚える実験をしていただきます。やり方は次の通り。

漢字を書かずに書けるようになる方法:
1. できるだけ、大きく書いた漢字一文字を用意します。ホワイトボードに書いても、A4かLetter sizeの紙に印刷しても、パソコンでも、スマホの画面でもいいです。ただし、筆順がわかるようにしてください。

2.筆順の通りに、目でなぞります。指も、鉛筆も使いません。

3.目を閉じて、頭の中で筆順の通りに覚えてる限り、脳裏(目)で書きます。

4.わからなくなったら、目を開けて、わからなくなった部分だけ集中して部分を確認します。

5.また、目を閉じ、頭の中で漢字を書き、わからなくなったら、また目を開け確認し、最後まで頭の中で漢字が完成するまで続けます。

6. 再度目を開けて、頭の中で書いた漢字が正しいか、細部も確認します。

7. 最後、目を閉じて、最初から最後まで漢字を脳裏で書いてみます。

以下は、有料コンテンツになっていますが、探せばインターネット上に情報はでてきます。膨大なリサーチ時間をかけたものなので、どうぞよろしくお願いします。

一回も書かずに漢字を覚える記憶実験
それでは、やってみます。筆順をふった「鬱」を用意しました。

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いかがでしたたか? 自分も含め、5人の大人に試してもらいましたが、全員「鬱」という字を5分もかからずに、脳裏に焼き付けることができました。漢字の反復ではなく、視覚を利用して覚える。漢字の成り立ちとかではなく、とにかく漢字の形をイメージとして脳裏に焼き付ける方法は、どことなく石井式に通じるものを感じます。


ビデオで学びたい方はこれを参照してください。

リンク先が動いてない場合はこちらを。

イメージフィックス法の説明

興味がある方は、どんぐり倶楽部の公式のイメージフィックス法の説明も御覧ください。

更に詳しく学びたい方は:どんぐり倶楽部のイメージフィックス法についての動画です。
動画1
動画2

また、イメージフィックス法の理論に関してはPDFが出ていますので御覧ください。

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参考サイト
どんぐり倶楽部漢字学習
どんぐり倶楽部オフィシャルページ


糸山泰造(いとやまたいぞう)氏のインタビュー記事
インタビュー記事1
インタビュー記事2
インタビュー記事3


サポートしていただけたら、嬉しいです。 少しでも海外で(そして日本国内でも)日本語教育がスムーズに行くように、リサーチ目的に使わさせていただきます。