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【短編小説】二つのクローゼット
今回は、短編小説を書いてみたいと思います!
書いた経験もほぼなくて、内容も文章もズタズタなんですが、暖かい目で見ていただけたら嬉しいです。
人生とは、クローゼットだと思う。クローゼットが人生で、中の洋服や帽子が思い出とか経験。そう言っていた、一人の女性の話。
私は今、クローゼットの片付けをしている。茶色く一色で塗られただけの雑な塗装に、いつついたのか分からない取っ手の傷。しばらくの間手をつけていなかったので、当然中は惨状と化していた。シワシワのシャツ、ダイエットが成功したら着るためのワンピース──今度こそ、と何回言ったことだろう──等、最後に見たのはいつだか判別も付かないような服が大量に散らばっていた。
私は常に新しいおしゃれな服を探している。ファッション雑誌を何種類も読み、暇があったら服屋に出向く。服に関してならお金は惜しみ無く使った。新しい服を買い、飽きたらクローゼットに放り投げる。それ以外ではクローゼットには見向きもしなかった。同じ服をずっと着回しているのは、ダサいと思っていたから。クローゼットの掃除をするなんて、時間の無駄だと思っていたから。
自分が放置してきた、もう手の付けようもないクローゼットの前で、途方にくれるしかなかった。
私は、新しいおしゃれな服を見つけては友達に自慢をしていた。友達には自分の自慢話しかしていなかったと思う。私の友達は、一人づつ去っていった。私はそんなことなど気にもせずまた新しい友達を見つけ、自慢をした。当然そんな私を受け入れてくれる人などいるはずもなく、同じような結果を残して行った。その当時は友達に捨てられたと、思っていたが、今なら友達を捨てていたのは自分だったとよく分かる。自分を認めてくれない、都合の悪い友達は捨て、見向きもせずに新しい友達を探す。そもそも、ほとんどの人が私を友達だなんて思っていなかったのだろう。それが私だった。
結果的に、私の人生のクローゼットも、手の付けようもないほどくすんでしまっていた。
全て、やり直そう。服も友達も。
彼女は二つのクローゼットを抱え、リサイクルショップへと向かった。
心機一転、新しいクローゼットを買いに行こう。とはいっても、お金はあまりないので近くのリサイクルショップで妥協しよう。そこにあったのは、一つの大きなクローゼット。茶色く一色で塗られただけの雑な塗装。取っ手についている傷も前使っていた人の面影があってなんとなくいい。
さあ、私の新しい人生の始まり。
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