見出し画像

会社員と店主の二足の草鞋を3年経験して思うこと

9月18日は、3年前にお店を開いた日。横浜・白楽に「Cafe 酒 にゃらや」という看板を掲げて、コーヒー屋とも定食屋とも酒場とも言えるようなお店をやってきた。しかも、会社員だから開けるのは土日だけ。それでも、結構一生懸命にやってきたら3年がたっていた。いろいろあったし、大奮闘だったけれども、過去を眺めてみればあっという間。

そのあっという間の中にも、区切りというか点みたいなものはあって転換してきたなと思うので、これを機に振り返ってみようと思う。本当は2年のタイミングで書きたかったけど、なんかその時は余裕がなかったなぁ。

最初は2年と思ってはじめたお店

やるなら、2年は何がなんでも休まず辞めずに続けてみる。根拠もないけど、それが決めていたこと。毎月お店の家賃はかかるんだし、売上がなかなか上がらなかったとして、貧乏生活を耐えられる、体力的にも休まず続けらるのは2年かな?なんて、考えていた。

漠然と立てた目標だけどこれはなんだか正しかった気がして、土日はいつも開いている、土日だけだけどなんかお店ができたよっていうのは知ってもらえたんだと思う。続けることは重要なことだけど、2年経ったら自分は辞めてもいいという条件も決めておいた。だから、ひたすら走るんだと思って頑張ってこれたんだと思う。でも、疲れ切って気絶したようにカウンターで寝てる日とかもあったな。

お店をひとりで切り盛り中

2年の間でどうなっていくのか

コロナ禍から回復の兆し

2年やってみたら視界がすこしだけ開けた気がした。1年目は、コロナで酒場的な役割は少なかったけど、途中からだんだんと変わってきた。最初は、カフェごはんとケーキ、たった3つくらいおつまみメニューだった。そこから、おばんざい的なおつまみを増やしたり、肉じゃがとか、煮豚とか、ちょっとお腹にたまるシンプルな家庭料理をつくりはじめた。

料理はごく普通の家庭料理

ほっとできる、家に帰ってきたような感じとかおばあちゃん家とかが店のコンセプトになっていたし、無理に頑張りすぎて凝ったものを作っても息切れしちゃうと思った。無理をするかしないかの瀬戸際で、うまく走り抜けている気がする。

特徴と意外性を求めて、市場にいってみる

それから、想定していた以上には料理をやりつつ、やっぱり特徴はほしいし、もっとかっこよくやりたいと思うようになった。お店をはじめて1年半が経つころ、近所のながーいことやっているお店(あべちゃん)に、「市場に行ってみたいから連れてって!」とお願いしたら、横浜の中央市場を案内してくれた。当時は、魚ってどう捌くのかもわからない状態で、習ったその瞬間に手を切る的な不器用さを発揮していた。でも、やりはじめるとくやしくなって、お魚に向き合いはじめた。お魚への興味もそうだけど、市場という場所もは日々の会社員生活の場と違って面白かった。それから今の今まで、毎週土曜の朝に市場で仕入をするようになった。仕入れもあるし、効率をよくするために、念願の車も購入したので、助手席にお父さんみたいなあべちゃんを乗せて毎週市場に行っています(笑)

お魚がんばって捌く、これはシマアジ

にゃらやにお刺身登場!というのは市場に行きはじめたのが理由。なんでカフェと言っているのに刺身あるのって反応をされたりもするけど、合うからいいでしょと思っている。市場も通い始めてもう1年半がたつ。あら、はやいもんで。

お刺身と日本酒

3年目で変わったこと

カフェらしさはどうするか

最初はカフェをやるというところからスタートしたのに、いつのまにやらお刺身と日本酒の店に…もはや焼酎もウイスキーも増えたりしてる。でも、やっぱりカフェ的な気軽さとか、お酒を飲まない人も飲む人も関係ない場所というはわたしの中でずっと軸にあるもの。だから、コーヒーを使ったメニューも増やしたいし、ちゃんとしたものを出したいと思っている。そんな矢先に焙煎機を置く話が舞い込んだ。やってみないとわからないし、気になってはいたので「置きたいです!」と返事をして、昨年末に店の裏のスペースに置いた。まだまだわたしは使いこなせてないけど、教わりながら勉強していけたらと思っている。

裏の狭いスペースなら無理くり置く

お休みの大切さを知る

やりたいことをやっていながらも、2年間お休みなしにやることには流石に身体か悲鳴をあげていた。お店としてはお休みに見えるけど、平日は働いているんだから当たり前だ。もう少しいけるかもと思って、それから半年休まずに営業をしたときに風邪がなかなか治らず、盛大に体調を崩した。2年間は休まず頑張るという自分との約束は終えて、身体が約束の期限切れだよと発したのだと思う。頑張ろうと思えば頑張れたかもしれないけど、深呼吸して4月の予定していた営業を休むことにした。そうすると身体はまた言うことをきくようになった。

体調不良で臨時休業した日

そこから、定休日をつくるために毎週土日(約月8回営業)の営業から2週目の土日休み(約月6回営業)に変更した。売上を考えると気が重かったけど、無理に開けてもダメだし、人を雇うなんてこともまだできるような頭はないから思い切って休んだ。休みのときに元気があればインプットもするし、ゆっくり休んだりもできる、いつのまにかそれがリズムになって、このところはうまく進んでいる気がする。ずっと休んでいた書道も再開して、お店以外のやれていなかったことや、止まっていたものが動き出した。休みのバランスは、心にも身体にも良い。

毎月1回友人と書道Dayを作って書き溜めて、月1回教室に持っていく

全部やってみるの精神

コーヒー、日本酒、お刺身など、なんだかわけわからん感じになってきてはいるものの自分の中ではやりたいことをやってきてみて、それがそのままお店のパーツになっている。

最近はドリンクも色々作ってみている

コンセプトというか軸みたいなものはあるけど、例えば珈琲や日本酒と決めて、それだけをプロフェッショナルになれるように追求しようという意思はそんなにない。

すごい好きになるものは少ないけど、嫌いになるものはあんまりないから、その特性を考えた時に受け入れられるものは全部受け入れてやってみるのが良さそうと思った。それがむしろ強みかもしれない。だから、まずはやりたいことを全部盛りして、だめならあとから引き算していくことを考えて今は動いている。トライ&エラーし続けるみたいな感じなんだろうか。

今のところ後悔していることはないし、むしろまだ自信がないままに放置されているものもたくさんある。楽しい程度に全部思いついたらやっていくという気持ちで4年目はやっていきていたいと思う。

3年経ったけど、これからどうするのか

肩の力を抜けるのか、黙って見ていられるのか

3年経ったけど2年目を終えたときよりも、達成感は実はあまりない。やりつづけると決めてきた2年と、その2年を終えたという気持ちで過ごした3年目の違いはあるのだと思う。休んでも休みを理解してもらえる、休んでもちゃんと休めた?と心配してもらえるわたしは幸せだ、ありがたい。いっそのこと誰かにお店をまかせても、たぶんうまくいくんじゃないかと思ったりもする。それくらい肩の力が抜けたほうが、ゆるっと過ごしやすい空間になるかもしれない。

月一のポテサラの日はエミリー(右)にお任せ

変わらないけど変わりたい

にゃらやってこんな雰囲気だよねというのを変わらずに、進化はしていきたいと思っている。それじゃないと店主が飽きちゃうから。変わらないけど変わるって難しい…「あの人、人が変わっちゃったよね」って、いい意味では使わなくて、悪い意味合いがほとんど。そうならないように、変わるってなんだろうなーっと悩んでいる。1人で走り抜けるんじゃなくて、もっと仲間とか師匠がいてお店をできたらいいなぁとも思っている。(今ももちろん支えてもらっているけど、またなにか違う形で)なんというか、修行に出たい気持ちです笑。自分がお店を出れないなら、誰かに来てもらうとか笑。

誰かを招いたにゃらやはたくさんやりたい

4年目スタート

スタート地点に立った気持ち

というわけで、自分の視点からだけ振り返ってみた。4年目はもっと人に頼りたいし、巻き込ませていただきたいし、わたし自身ももっと遊んだり自由にしたいなぁと思っています。良い意味でも悪い意味でも、お店の運営はエネルギーをたくさん使う。向き合いすぎて、人生設計忘れるくらい今に打ち込んでいる気がした。でも、お店も人生のパーツのひとつだし、もう少し、肩の力を抜きながら、先を考えつつ4年目をやっていきたいと思っています。でも、こうして先を考えられるのも、お店に来てくださるみなさんのおかげです。

山でゆっくりこの先のことを考えたりした

余談ですが…

何も記録もなく、綴ってもいなかったから、なにがあったんだっけと思い出せないことが多くて、なんだかもったいない気持ちになったので、これからはもっと記録していこうかなと思ったり。
Instagramも、店主の日々(@nyara_masu)とお店情報(@nyaraya_cafesake)に分けてみました。noteも日々の他愛もないことを書いていくのもありだなぁ。習慣化したりするの苦手だから逆にやろうとしないとな。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

▼Cafe 酒「にゃらや」概要
営業時間:土・日 15:00-22:00 ※二週目の土日&祝日休業
場所:横浜市神奈川区白幡町1020
(地図 https://goo.gl/maps/aqCoctxvgSUgfvVz8)
X(Twitter):@nyara_masu
Instagram:@nyaraya_cafesake




いつもてんやわんやで人生運転中で、まとまらない言葉も多いのですが、お読みいただきありがとうございます。サポートいただける方がいらっしゃいましたら、ぜひ。とても励みになります。