サノスが登場する学園ラブコメミステリ『僕が答える君の謎解き2』を読んだ
(本記事には『僕が答える君の謎解き2』のネタバレは含まれていない……と思います)
皆さんは「アベンジャーズ インフィニティー・ウォー」という映画をご覧になったことがありますでしょうか。
インフィニティー・ウォーといえば、アベンジャーズシリーズの大ボスであるサノスがどういう人物でどういう恐ろしさがあるのかをめちゃくちゃなスケールと緻密さで描いていることで有名な映画です。
自分を正義だと信じて疑わず、増えすぎた生命体を半分にすることで宇宙の秩序を守らねばならぬと盲信して、宇宙各所で大暴れしまくるサノスの暴挙やメンタリティに心底震えた観客も多いでしょう。
私は愛娘として手塩にかけて育ててきたガモーラをインフィニティストーンの生贄に捧げておいてガチ泣きしてるシーンが最高にキモかったです。
さて、なんでラブコメミステリ『僕が答える君の謎解き2』の話をするのにサノスの話をしたかというと、この作品にサノスと近しいヴィラン(犯人ではない)が登場するからに他なりません!
『僕が答える君の謎解き』シリーズがどういう作品か簡単に触れておくと、過去の事件から「推定無罪」をモットーにする主人公・伊呂波透矢と事件の真相を瞬時に理解するヒロイン・明神凛音が色々なちょっとえっちなラブコメイベントを経ながら、カンニング事件とか体育館倉庫閉じ込め事件とかを解決していく学園ラブコメミステリです。
学園ラブコメミステリなので、人は死にません。
人が死なず暴パートもないようなラブコメミステリにサノスが出てくる余地がないと思うかもしれないのですが、2巻で出ます。本当に出ます。
秩序のためならあらゆる手段であらゆるものを犠牲にし、目的に向かって驀進する虚無の申し子が。
しかもあらすじには一文たりともその存在が書かれていないので、サプライズサノスじゃねーか!
流石にインフィニティストーンで半分にしたりとかそういう力技は使わないのですが、目的と精神性がサノスとほぼ同じな、事件の黒幕として振る舞うやべーやつ(これは本編で最初から明示されているのでネタバレにはなりません)を突然学園ラブコメミステリに入れてきてどひゃー!となったのでうっかりこの記事を書いた次第でございます。
ちなみに特に「2」はミステリ界隈で絶賛されており、30人以上いる登場人物をフル回転させながらクラス全員の偽証を暴いていく推理パートは本当に曲芸のようで面白く、「そりゃ界隈で絶賛されるわな……」という気持ちで読んでいました。
「学園ミステリ」の一つの到達点、という評価もむべなるかな。
また、変則的な館ものとしての要素も含まれており、館系のマニアにもお楽しみいただけるのではないかと思います。
ただきっちり論理を追いながら読みたければ、登場人物の把握とメモを取ることを強くオススメします。
私は電子書籍で読んだのですが、多分本文を追うだけでは論理を追いきるのは難しいのではと思います。
そんな感じで割とミステリとしては大真面目かつ大変出来が良いなのですが、サプライズミステリサノスのインパクトがとにかくすごいので初読は正直本題の謎解きよりもミステリサノスの一挙手一投足ばかり見まくっていた気がします。(不真面目!)
ちなみに本作に登場するミステリサノスが気に入った方は、メルカトルや三途川シリーズといった悪辣探偵ものを読むといいと思います!
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