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【中華キット】設定が超重い猫型ロボットを作った

 久々の中華キットレビューは、「C.A.T-01 影」です。
 中国の新興メーカーXIAOTの第一弾商品となるキットで、2022年に発売されました。
 発売時に気になっていたんですけど、なかなか売ってなかったんですよね……。
 たまたまセール価格で売られていたので買ってきました。


 何はともかくこの外見を見てほしい。
 ほどよくデフォルメの効いたデザイン、ドラ〇もんをリスペクトしたとしか思えない配色。
 30MMやヘキサギアといった国内メーカーのオリジナルロボキットだとめちゃくちゃデフォルメされてかわいくなる路線かとにかくスタイリッシュにされる路線かのどちらかに振れることが多く、このようなキュートで、でも甘すぎずなデザインは海外メーカーならではといえます。

 後姿はこんな感じ。
 しっぽはリード線になっていて、自由に表情をつけることができます。
 一部ホイルシールで色を補う部分があれど、パーツ単位でホワイト・ブルー・レッド・グレー・シルバーの5色の色分けがなされています。
 また、細かなマーキングを再現する水転写デカールも付属しています。
 写真では耳のグレーとツインアイにホイルシールを貼っています。

 なお、シルバーのランナーは成型色ではなく、エクストラフィニッシュ(ランナー塗装)されています。

 1/60スケールということで、HGエアリアル改修型よりひと回りくらい大きいサイズ。
 そのためパーツが若干大きめになっていますが、組み立て難度は中華キットとしては平均的なものになっていると思います。
 中華キット全般にいえることですが、アンダーゲートの多さと全身ABSであることには注意が必要です。
 インストは中国語がわからなくても問題ない仕様ですが、パーツが固いので組み間違えのないように気を付けましょう。

 可動箇所は一般的なHGガンプラに肉薄する多さで、ダイナミックなアクションを楽しめます。
 インストにも記載されていますが、膝関節の嵌め込む穴を変えることで素立ち状態をロックできるようになっています。
 可動を楽しみたい場合は説明書記載の2番の穴にはめ込むようにしてください。

 軸接続が主ですが、肩の引き出し関節もあってなかなか柔軟にポージングできます。
 スーパーヒーロー着地も余裕でできます。

 もちろんかわいいポーズだってお手の物。

 オプションパーツを紹介していきます。
 苦無は接続ピンの付いた専用のハンドパーツに持たせることができます。

 分離したものと接続されたものが別パーツで用意されており、6つある刃パーツをくっつけて使うかたちになっています。

 ガンプラ用のウェポンディスプレイベースにつけるとファン〇ル風の必殺技も再現できちゃう。

 肩にマウントされた二振りの刀「電光石火」は武器持ち手を使うことで持たせることができます。
 ただ、この武器持ち手が非常に固く、装備と取り外しがなかなか大変なのでがっちり嵌め込まないようにするか接続部分を加工して取り外しやすくした方がいいかもしれません。

 ギミックとしては、本物の猫同様に足の爪を展開できるというものがあります。

 また、バックパック両側と腰・膝に3mm軸穴があるため、30MMやMSGのパーツを付けることができます。

 中華キットおなじみの説明書に一切書いていないボーナスパーツとして、ファブリック素材のスカーフがついています。
 こちらにも針金が入っているため様々な表情付けができます。
 ……このスカーフ、実は戦死した主人公の親友の遺品という設定になっています。

 そうなのです。
 このキットには設定と世界観がしっかりと存在し、かわいい見た目からは想像もつかないほどシリアスでハードなものになっているのです。

 世界観は、核戦争が勃発した後、文明が復興・進歩を遂げた惑星で「チョーゼン・ワン」と呼ばれる選ばれし人類がそうでないものを迫害しているという退廃的なもの。
 主人公たちは猫型ロボット「C.A.T.」シリーズに乗って「チョーゼン・ワン」と戦いを繰り広げています。

 こちらがパイロットのアンバーちゃん。
 バイオテック研究所で人体改造を施され、潜入工作を得意とする美少女です。
 要するに強化人士なのでマジで薄幸そうなのですが、大丈夫か。

 漫画やアニメといった「原作」は存在しないので、彼女とロボがどんな活躍をするかは組んだ人ひとりひとりに委ねられているのですが、こういういろいろありげな「設定」だけが投げられているとなんだか盛り上がりますよね。

 1/60スケールということで、ガシャポンで売られている近似スケールのミニカーとの相性は抜群。
 このキットを組んだなら、是非回して置いてみると世界観がグッと身近に感じられます。

 こうやって置くと「守ったんだ……私がこの街を……」ごっこが出来て面白いです。

 このほかにもC.A.T.シリーズは2023年に2弾と3弾が発売されています。「どーせコンパチでしょ?」と思うかもしれませんが、追加アーマーや武装でしっかり個性化されていて並べると一層映えそうです。
 組み立て難度も高くなく、初めての中華キットにもベストなのでかわいらしめなメカが好みならおすすめです!
 それはそれとして設定は超ハードですが……。

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