今年最強のソフビが決定してしまった
鳥も 魚も どこへ行ったの
トンボも 蝶も どこへ行ったの
というわけで映画怪獣(一部ウルトラマン)ソフビシリーズであるムービーモンスターシリーズの新作であるヘドラを入手しました。
ヘドラのムビモンはFWの頃もあったのですが、今回は50周年を記念して初代がモチーフ。つまり完全新規造形という気合いの入りっぷりです。
そのクオリティの高さは一目でわかるでしょう。作った人のヘドラ愛・怪獣愛がひしひしと伝わってくるようです。
眼だけクリアレジンで艶出しをしていますが、お顔は何ともユーモラスながら憎たらしい仕上がりに。汚染物質を吸い込む象の鼻のような管はぐねっとスイングして造形されています。
目玉のギザギザは省略されているので、気になる方は面相筆なんかで塗装してあげるといいかも。
何気に胸部分の赤色も押さえているのもGJポイントです。
流石に塗装コストの兼ね合いか、下半身はグレーの成型色になっていますが、実にヘドラらしい汚らしい色合いが出ていると思います。
頭頂部のひび割れもきちんと造形されており、ヘドラという怪獣の歪さを表現しています。
背面部はこのような解釈がなされています。
尻尾の表面まで銀塗装が吹かれているのがすごい。
フィギュアによって解釈が違う心臓のような背中は、どことなく腐りかけの花をイメージさせるようなカラーリングに。
よく見ると、気泡の様な造形も確認できます。
良く見ると尻尾の裏側にもモールドがあることがわかりますでしょうか。
デフォリアルのヘドラと並べると、フィギュアごとのヘドラ解釈の違いがより鮮明に浮き出てきます。
でももしかしたら……不定形な公害の化身であるヘドラに完全な「正解」はなく、受け取り手ごとに様々な解釈がなされるからこそ長年愛されて、そして憎まれてきたのでしょう。
解釈、といえばどんよりとした体表に反して手の裏は鮮やかな黄色に塗装されています。ここの黄色み加減はフィギュアごとに色々な解釈がなされていて、落ち着いたものからこのようなビビットなもの、そもそも黄色に塗らないものまで幅広く存在しています。
手は軸可動して若干腕を上げたようなポーズを取れるのも良いですね。
「公害」という不定形な概念の化身だから、受け手にとって見た目の解釈が異なり続ける異形の怪獣・ヘドラ。
今回のムービーモンスターではヘドラファンの最大公約数的なヘドラのパブリックイメージを取り入れつつも、ところどころで「オレにはこう見えた!」という解釈が窺えたのが楽しかったですね。
単純なフィギュアのクオリティ的にも十分、というか「これこの価格で売って本当に大丈夫!?」と思うほどヤバいくらい高く、ムビモンG1ガメラやイリスに並ぶマストバイのソフビに仕上がっていると思います。
次発のモンスターアーツではどのような解釈がなされるのか、楽しみです。
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