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青い目と茶色い目~The eye of the storm

皆さん こんにちわ!

NYAO先生です。

本日は、ネットで最近再度話題に上っている、こんな動画のご紹介です。

今から50年も前にアメリカの小学校で行われたとある授業の映像。
ここで行われた「差別は絶対にいけない」という先生からのメッセージ、その授業の本質は、時を超えて私たちに訴えかけてきます。

この映像を見る時間のない人向けに簡単にこの授業の内容をご紹介。

場所はアメリカ・アイオワ州の白人しか住んでいないのどかな街。

白人しかいない場所。

教室でエリオット先生が子供たちに語り掛けます。

先生「今週は National Brotherhood week ですね。どんな週ですか?」

生徒たち「近隣の人に親切にする週!」

先生「そう、他人に対しても自分の兄弟のように親切にするってことね。では、アメリカには兄弟のように扱われていない人たちはいますか?」

生徒「いるよ!黒人!

先生「ほかには?」

生徒「インディアン!」

先生「黒人や黄色人種やインディアンね。それはなぜ?」

生徒「だって、彼らはばか(damn)だから」

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先生「・・・・大都市では、有色人種はどのように扱われているのでしょうか?」

生徒「社会に全然受け入れられてない!」

先生「なぜ?」

生徒「だって、見た目が違うから!」

先生 「見た目の違いで、人からそのように扱われるのは、どんな気分かしら?みなさんは、そういうこと(差別)を経験したことはありますか?ないのですか?
実際に経験してみなければ、そうやって扱われている人の気持ちはわからないわよね?・・・・では私たちの中で、どこか見た目が違う場所ってあるかしら?」

生徒「目!目の色は違うよ!」


そこからエリオット先生の、リスクをおそれない、「魂の授業」が始まって行きます。

先生「ではこのクラスに青い目の人はいますか?茶色い目の人は何人いる?今日は目の色の違いで人を判断する、という興味深いことをしてみましょうか。やってみたい?」

生徒「やってみる!!」

無邪気に子どもたちは、エリオット先生の提案に乗っていきます。

そこで先生がまず行ったのは

「今日一日は、青い目の人が茶色い目の人よりも優秀である」

という設定で過ごすこと。

「Blue eyed people are the better people in this room」

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青い目は茶色い目よりも優秀であるという設定を子供たちに語ります。

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とある青い目の生徒に語りかけます。

先生「あなたのお父さんは、茶色の目だったかしら?この間あなたは、お父さんに蹴られたっていっていたでしょ?それはお父さんが茶色の目だからよ。青い目のお父さんだったら蹴ったりしないわ」

自分は青い目で父親は茶色の目。その父親のことを悪く言われ、混乱する生徒。

先生の口調は一貫してゆるぎなく、青い目がいかに優秀かという話を進めていきます。
そして、青い目の生徒を次々と優遇していきます。
例えば

・青い目の生徒は茶色の目の生徒よりランチを先にとってもよい
・休み時間に青い目の生徒は校庭の遊具で遊んでよいが、茶色の目の生徒は使用不可。
・茶色い目の生徒は青い目の生徒と遊んではいけない

などなどの規則を提示。
ちょうど昔のアメリカが、黒人と白人にあからさまな差をつけて暮らしていたように。

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そしてその教室では何が起こっていったか。

青い目の子供たちは優越感に浸り、茶色の目の子供たちはどんどん沈んでいきます。そして勃発するけんか。

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「茶色の目ってバカにされた!」

見た目が違うという理由でけんかをする子供たち。

明らかにこの状況下で子供たちの性格は変わり、日常も変化していきました。


そして翌日。
先生は子供たちに

先生「昨日、先生は青い目の人が優秀だといったけど、先生はうそをついていました。本当は茶色の目のひとのほうが優秀なのです」

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すると、一気に明るくなる茶色の目の子供たち。

そして昨日優越感に浸っていた青い目の子供たちの表情は一変し、暗くなります。そして、先生は昨日茶色の目の子供たちが経験したこと全てを青い目の子供たちに経験させていきます。

その日は、先生は容赦なく青い目の子供たちに伝えます。

「茶色い目の子は優秀ね。字も綺麗。それに比べて青い目の子をみて!字もきちんとかけないのね!」

テストの成績にもその差は歴然と現れるようになります。
本当は優秀と言われた茶色の子たちは、不当に扱われた昨日と比べて計算の時間さえも半分に短縮され、青い目の子は、優遇されていた昨日の倍以上の時間がかかってしまいました。

子供たちは見た目の違いだけで不当に扱われることの意味を、たった2日で感じ取っていきました。

3日目、振り返りを先生は行います。この2日間、みんながどのように感じたのか。何が行われたのか聞いていきます。

「人を見た目で判断するべきでしょうか。」

こどもたちは力強く

「NO!」

「今後、町で違う肌のいろの人を見つけたら、皆さんは指をさして笑ったりしますか?」

すると再度子供たちはいっせいに、力強く答えます。

「NOO!」

「肌の色が違うと、何か人間としても違いがあるのでしょうか?肌の色の違いで人の良し悪しが決まるのかな?」

「NOOO!」

「この授業の前と後で、皆さんの考えは変わりましたか?でもこの実験は簡単なことだったでしょ?」

「NOOOOOOO!」

実験が終わり、もとに戻った子供たちは3日前よりも本当に多くのことを学び、ひと回りも二回りも大きく成長を遂げることができたのです。そして差別のなくなった教室に戻った子供たちの笑顔がなんと輝かしいことか。

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詳しくはぜひこの映像をご覧いただければとおもいます。

あくまでこの実験は学校の保護者に理解と許可を得たものであり、社会状況も今とは違うので、一概にこれが今の学校で受け入れられるのか、今の社会全体に受け入れられるのかはわかりません。当時もかなり勇気のいることで本当に様々なリスクが考えられる授業であったでしょう。でもこれはアメリカだけではなく、すべての人がこの授業で行われたこと、そしてその先生の勇気を知っておいてもよいのでは?と思うのです。

このビデオは私がアメリカの大学で学んでいたとき、文化人類学の授業で見せてもらいました。アメリカ文化を考えるときに、みるべき「古典」として、紹介されたのですが、見終わったときのその衝撃は今でも忘れられません。

NYAO先生が人と接する仕事を行うときに信条としていること、それは
人種やその人の持つ背景、性別や年齢、様々なことにとらわれず、一個人としてフラットに接していきたい。

ということ。


この授業を受けた子供たちはもうよい年になっているでしょう。そして今のこの社会状況をみてどう感じているのか。

そんなことに思いをはせるNYAO先生なのでした。

FACEBOOKにこの映像を「今見るべき!」と、アメリカ人の友人が投稿しており、「!!懐かしい!」と二人で盛り上がりましたので、今回このnoteに紹介してみました!

ということで本日ご紹介の英単語は

Discrimination 差別(名)

Discriminate で差別する、区別するという動詞となります。

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Discriminate between A and B
AとBを区別する

こんな状況は起ってはいけないし、今後も起ってほしくないですよね。。。

現在アメリカで起っていること、世界で起っていることに対して,今私ができることは何かな?と考えたとき、このような昔の授業があることを知らない人も多いので、ご紹介することで何か役に立てるかな?と思いました。

今回はここまで!

最後までお付き合いいただいた方、ありがとうございました😃

また遊びに来てくださいね~♪ NYAO先生でした!


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