【ラ・リーガ】若手が躍動!試合もジェットコースター!!【第18節 バルセロナ対エルチェ】
いつも記事を読んで頂いたり、スキして頂いたり本当にありがとうございます。
今回はラ・リーガ、バルセロナ対エルチェ戦を観戦しましたのでレビューを書きたいと思います。
今節は若手主体で臨んだだけあって、展開がジェットコースターのようで安心感がかけらもなく、とてもハラハラして楽しい一戦となりました。
ちなみに両チームのスタメンはこちら。
今節はバルセロナの最前線、9番の位置にL・デ・ヨングやデパイではなくカンテラ上がりのジュグラが先発起用されました。
また後述しますがアルバが偽SBとして新たな境地を拓こうとしたり、デンベレが攻撃で少しずつ片鱗を見せ始めたり、安心感のかけらもない試合でしたが、チャレンジしていることは分かる試合でした。
・若手FWのフェラン・ジュグラ、またバルセロナに才能が現れた!!
最近のバルセロナは、巧いパスワークやボールを即時奪回したとしても基準点となる、ポストプレイや裏抜けに長けたFWが居らずに怖くない攻撃に終始してしまう時間帯がありました。
デパイは元々ウイングなのでサイドに開いてボールを貰う事が多く、その際に真ん中を空けてしまう悪癖がありました。
L・デ・ヨングについてはポジショナルプレーを理解できてないのか、ボール回しに全く加わることが出来ていない状態です。
純正の9番、いわゆる点取り屋がいないことでパスワークやフィニッシュの場面、ひいては守備面にも影響を及ぼしていました。
実際、低い位置でのビルドアップに詰まった際に裏抜けする9番がいないことで出し所がなく、ボールを取られたりすることが前節までに散見されました。
また、ガビやニコ、F・デ・ヨングのセントラルMFにボールが入っても9番の位置にプレーモデルを共有できていない、またそもそもその場にいない選手がいたら、攻撃をフィニッシュすることが出来ません。
そこに現れたのがフェラン・ジュグラ、カンテラ上がりの点取り屋でした。
ポスト役にはほぼ入りませんが、代わりに裏抜けやポジショニングに非常に長けており、またシュート体勢を作るための準備にも長けているのでボールが入る回数が少なくても確実にシュートまで持っていけますし、体勢が準備OKの状態で撃つので枠外にシュートを外す事が少ないです。
また、カンテラ上がりなのでポジショナルプレーも習得済み→パスワークにも加わりながら一気にゴールを陥れる動きも可能です。
解説も感心していましたが、上記のようにかなり本格派CFなのでE・ガルシアからのロングフィードで一気に裏抜けを狙ったり、アブデとデンベレの両ウイングからのクロスの狙い所にもなってくれるので、バルセロナの攻撃に明確な意図が生まれ、それによるプレッシャーをエルチェに与えることが出来ました。
・新境地、セントラルMF・アルバ
ここまで書きましたが、スタメン表を見ると分かるように左SBにジョルディ・アルバが復帰しています。
ただ、将棋でいう香車のようなサイドを上下動するSB像から離れる、新境地を拓くプレーを今節ではチャレンジしていました。
まず左SBでセット、スタートはするのですが、ビルドアップ→ポジショナルな攻撃(ビルドアップを完了させ、攻撃のスイッチが入った状態)にモードが移行するとブスケツの左横にポジショニング、左ウイングのアブデへの左斜めとポケットへのパスコースを確保。
動き直し等でアルバにボールが入ったら、アブデ目掛けて一気に強いパス、これが第一目標。
それが難しい場合はブスケツにボールをつけるか後ろのラングレやE・ガルシアにバックパス、というのが攻撃時のタスク。
攻撃→守備への切り替え時はまずハーフレーンを予防的守備でケアしつつ後退、左SBの位置まで下がる、ここで守備時のポジショニングはセット完了です。
アブデに過剰なサイドでの守備はさせることなく、サイドの深い位置のスペースをケアするのがアルバの守備時のタスク、ということになります。
ここが初めての試みだったことで守備が不安定になったこと、今節はピケが欠場していたことからゲームを守備面から落ち着かせるリーダーが居なかったこと、これがこの試合がジェットコースターのような展開となった原因と、私個人は分析してます。
分析と同様、個人的にはアルバが偽SBに挑戦することでフィリップ・ラーム(元バイエルン、元ドイツ代表左SB)がペップ・グアルディオラ監督がバイエルン在籍時代にトライした偽SBへのトライによる新たな才能開花と選手寿命の延長が見込めるのでは、と考えて、シャビがこの危機的状況でここまで考えてトライしてたら恐ろしい名将になる予感しかしません✨
・ニコのゼロトップがエルチェに止めを刺す
ジュグラも頑張ってはいましたが、初スタメンで頑張りすぎたのか後半からガス欠気味に…ここでニコ・ゴンザレス投入となります。
位置はジュグラと同じ9番の位置。
これがまた、エルチェからしたらしんどい選手交代となりました。
ゼロトップとしての動きをし始めたことで後半途中から、しかも交代枠をある程度使った状態だったのでそれにアジャストする守備組織を即座に構築することも出来なくなったエルチェ。
これが遠因となり、ニコがアブデからのマイナスのクロスを突き刺して、決勝点となりました。
これもジュグラが9番としてのタスクをこなしきっていたからこそニコのゼロトップが活きた、ともいえます。
結局、3-2でバルセロナの勝利。
FWにフェラン・ジュグラというまた新たな才能が現れた、ベテランのアルバも新たなトライを始めたことで、バルセロナは息を吹き返した、とは言えなくとも逆襲への糸口は掴みつつあります。
・おわりに
報道ではドルトムントのハーランドやマンUのカバーニと言った本格派CFを獲得しようと、バルサフロントは奔走しています。
また、台所事情を改善しようと銀行などの金融機関とも交渉を継続しています。
ピッチでは選手が、監督が、スタッフが、フロントはフロントとしての仕事を全うし始めたことで着々と『強いバルセロナ』を取り戻そうと奮闘中です。
ここからまた、シャビが率いる面白いバルサが見れるのではないか、と思うとドキドキしてしまいます🤩