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陰謀論者(19):参政党のトンデモ(国際情勢編)

前回は食と健康をテーマに参政党が主張する医療や農業に関するデマや陰謀論を取り上げましたが、今回はディープステートなどの国際情勢にまつわるデマや陰謀論について取り上げます。


2020年米大統領選をめぐって

篠原常一郎(引用:YouTube

初期におけるボードメンバーの一員であった篠原常一郎氏は2020年米大統領選で不正があったと主張する動画をYouTubeなどで投稿しています。

これらの動画の中には「フランクフルトのサーバーを押収した際、銃撃戦となり、米軍やCIA双方に死傷者が出た」というトーマス・マキナニー元米空軍中将の主張(参照)を取り上げた内容も含まれているみたいです。とはいえ、この内容についてはフェイクニュースであることが判明しています。

一方、KAZUYA氏は個別の不正やミスはあったかもしれないが、選挙結果を大きく変える状況にはないと否定していたりとボードメンバー内においても不正があった主張する側となかったと主張する側との対立があったみたいです。

あの勢力

参政党はディープステートのことをあの勢力と呼んでいます。ちなみに、『参政党Q&Aブック 基礎編』(青林堂)によるとあの勢力はユダヤ系の国際金融資本を中心とする複数の組織の総称のことで欧米社会を影で支配し、数百年前から日本を支配下に置こうと画策していると主張しているが、陰謀論にすぎないと思います。

とはいえ、「国際金融資本によるグレートリセットが作り出す新世界秩序」と戦う唯一の政党と宣伝したりと参政党の主張の根幹をなしているのは事実だといえます。

ちなみに、神谷氏は演説で「ユダヤ資本の手先となって国を売る」というあの勢力を意識した発言をしたことがあります。これについては人種差別的なレトリックであると駐日イスラエル大使館のバラク・シャイン報道官が指摘しています。

なお、虚構とは言え、国会の場で発言したら外交問題に発展しかねないこともあってか、あの勢力については「国際金融資本や多国籍グローバル企業のことを指している」と修正したりと明言するのを避けているみたいです。

プーチン擁護

元参政党員の松田学氏が宇山氏の対談で「ロシアからの一方的な侵略でなく、プーチンが西側との軍事対立を避けようとしていた」と述べているが、デマです。

プーチン氏は南オセチアを巡ってジョージア国に侵攻したりと意に沿わない国を力でねじ伏せた過去がありますし、スピーチで征服であることを暗に認めていることから一方的な侵略であることは明白だといえます。ちなみに、松田氏はこれ以外に「ローズヴェルトが日本を戦争へ引き込んでいった経緯はグローバリストがプーチンをウクライナ侵攻へ引き込んでいったと似ている」(参照)とプーチンは悪くないような内容をポストしたことがあります。

ウクライナに平和を求める会によるデモ(引用:X by 金密

また、2023年5月18日に銀座で行われた「ウクライナに平和を求める会」のデモにおいては松田氏をはじめ、我那覇真子氏や小名木善行氏など参政党関係者が多数賛同しました。なお、このデモは反戦デモという体裁をとっているものの、「メディアのロシアの一方悪者論はフェイクニュース」などとプーチン擁護とみられる主張をしたりと一般的な反戦デモとは毛色が違うものでした。

なお、セルキー・コスルンスキー駐日ウクライナ全権大使はこのデモについて、「ロシア寄りで日本の世論を混乱させる挑発行為である」と批判しています。

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