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お米グルメになろう

「豊芦原みずほの国の」というのを枕詞にして、「米を粗末にしないように」と、学校の先生に教わったと、戦中派の母が言っていました。日本の主食は米!!と言う時代だったのです。

私の学生時代のお弁当も、米が主食でした。育ち盛り、食べ盛りの私には「パンだと夜までもたないから」という感じがしましたので、「お弁当箱が横向きになっても、ご飯が偏らない位、ぎっちり詰めてね」とリクエストして。戦中派の両親は、夕食の主食も米、という主義だったのか、夕飯の主食も米でした。

小学校と中学校で学校給食の時は、パン食がほとんどだったので、朝はしっかりごはんでした。お弁当を持つようになって、朝と重ならないようにと、朝食がパンになったのです。まあ、母がお弁当を作っている間に、子供達がトーストを焼いたり、飲み物を用意できるので、母の負担が減る、ということもあったのでしょう。

私の食生活で、パンの比重が高くなったのは、東京で就職してからです。理由は、何よりも東京のご飯が美味しくなかったから。宮城では、親戚に一人や二人米農家がいます。新米の季節になると、親戚筋から美味しいお米が届きます。みんな米グルメに育っています。宮城の米屋は、利益を取ろうと味のいまいちな米とブレンドしようものなら、お客様にばれてしまいます。客離れが起きてしまいます。

お米や豆腐は、色でいうと白。味も白。色々なおかずと合わせても、違和感なく馴染みます。和風、洋風、中華風、なんでもござれですね。ですが、そのものに味がないのではないのです。お米本来の味、大豆本来の味、それがきちんとあるのです。これがわかるかどうかは、普段の食生活に関わってくるのです。あまりに濃い味付けの料理や、スナック菓子等ばかり食べていたら、豆腐も、白いご飯も味がないと思ってしまうでしょう。美味しいごはんや、豆腐は、そのまま食べても美味しいのですよ。

東京は、あちこちから来た人達の集まりだから、米の味の煩くない人達も少なくないのか、住んでいた地区の人達がお米に煩くなかったのか、美味しくなかったのです。その代わりと言ってはなんですが、パン屋さんのレベルが高かったのです。あちこちのパン屋を訪ね、美味しいパンを買って朝食にするようになり、病膏肓で、本を読み漁っては自分で作るようになりました。

昔は、米農家の方の知り合いがいないなら、自主流通米という形でしか産直の美味しいお米は手に入らなかったのです。今は、米の販売を規制していた食管法もなくなり、様々の銘柄のお米が、産地まで指定できて買えるようになっています。新しい銘柄も色々でてきて、これはなかなか楽しい。昔は、美味しいと聞いても、島根のお米なんて手に入りませんでしたから。

もう、若い頃の様に沢山は食べられないから、少しでいいから美味しいものが食べたいのです。お米は5Kとか10K単位の販売がほとんどだから、買ってから、好みじゃなかったら、悲しいですよね。数年前に近所に出店したakomeyaという和食関連の品揃えのお店で、1合や2合でパックになっているお米を見つけました。少しお試しをするのに、丁度いいサイズ!!

そして去年、面白いものを見つけました。炊飯器と米のサブスクリプションなのです。米は2合が一袋になっていて、これが3袋で1セット。毎月3セット選びます。全国各地の銘柄米を選べるのが、なかなか楽しい。炊飯器はリースで、2年過ぎたら返却でも、買取でもいいのです。この炊飯器が只者じゃないのです。炊飯器画面でお米を選ぶと、お米の銘柄によって、炊き分けをしてくれるのです。しかも、固め、柔らかめ、ふつう、と固さも選べます。銘柄米の値段を考えると、リース料もついて4000円弱と言うのは、リーズナブルだと思います。

問題は、お米の水分が収獲年度によってちがうから、毎年データが炊飯器に送られてくるため、炊飯器の初期設定をしなくてはならないこと。「美味しいものを食べたいけれど、量は食べられない」という年配の方々には、ハードルが高いです。こういう方々こそ、こういう炊飯器とお米の価値をわかってくださる潜在顧客なのですが・・・。

より操作が簡便で、年配のお客様にも扱いやすくなったら、この炊飯器とお米のサブスクリプション、ヒットすると思います。外出自粛のご時世で、旅行もできないから、せめて自宅で美味しいものを食べたい、という需要はありますから。

年配の人ばかりに、この美味しさを独占させてしまうのは、もったいない。私達も、当たり前に食べていたごはんの美味しさを、再認識したいですね。

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