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トマトの仕事

真赤なトマトが、美味しそうに店頭に並んでいます。今ならば、路地ものでしょうか?

「畑のもぎたての野菜が、何より美味しい」と、家庭菜園をしている方や、農家の方がおっしゃいますが、トマトに関しては、嘘です。(偏見入り)

夏の暑い日に、もぎたてのトマトをかじったら、生ぬるい果肉が口中に広がり、これでもかというトマト臭を感じました。私は、好きじゃないです。生ぬるいトマト。トマトを生で食べるなら、よーく冷やしてください。

トマトには旨味成分であるアミノ酸がたっぷり。トマトソースがおいしくなるのは、このアミノ酸の働きです。

余談ですが、旨味というのは、そのままUMAMIという英語になっています。旨いという、英語はなかったのでしょうか? 民族にとって必要な言葉は、語彙数が多いそうです。アラスカのイヌイット族には、雪の降り方を表す表現がいくつもあり、タイには辛いを表す表現がたくさんあるそうです。作家の米原万理さんによれば、世界で一番悪口の表現が多いのは、ロシア語だそうです・・・・

日本には、味覚についての表現が多彩にあるということですね。今、イタリア語を勉強中ですが、イタリア語の味についての表現は、日本語ほど多くないようです。日本語で四つくらいの言葉を、一語で表現というのが多いです。「これとあれは同じじゃない」、という日本人の几帳面さが出ているのかもしれませんが。

トマトは、あまり主役にはなりませんが、味のポイントとなる役割を果たします。トマトソース、インドカレーのカレーベース、ラタトゥイユなど、トマトがないと味が決まらない料理ばかりです。

品種改良が進み、リコピン豊富とか、味が濃いとか、色々なトマトが店頭に並びます。味が濃い方が、生でも調理しても美味しいように思います。

三十年位前に、ハイポニカという水耕栽培で育てたトマトが話題になったことがありました。一株で1700個のトマトが実ったそうです。知人の話では、あまり美味しくなかったとのことですが、これが美味しくなるよう技術が進むと、食料危機に苦しむ時に役に立つのではないか、と思います。



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