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味噌の好み

味噌の好みというのは、本人の出身地に左右されると思います。信州味噌、仙台味噌、名古屋の赤味噌、京都の白味噌。生まれたときから(まあ、離乳食が始まってからでしょうけれど)食べてきた味噌が、好みになる。味噌汁を作ってくれた母親や祖母の出身地の味噌に、慣れ親しんだという場合もあるでしょう。

旅先や外食で、いつもと違う味噌を使った味噌汁を食べるのも面白いけれど、毎日食べるなら、慣れ親しんだ味がいい。ほっとするというか、体の中に自然と溶け込んでゆくような感覚があります。

母の実家は商家で、年に一度味噌職人さんを呼んで、多量に味噌を仕込んでもらっていました。その味噌をもらってきて、母が味噌汁を作ってくれていたわけです。ある時から、その味噌の味が落ちてしまい、母は味噌を買うようになってしまいました。職人さんが世代交代して腕が落ちたのか、実家の台所を預かっていた義伯母が味噌作りの代金を値切って、いい材料でなくなったのか、今となってはわかりません。

当時、私が氣にいっていたのは、塩竃の太田屋の味噌。宮城出身なので、仙台味噌です。味噌豆の風味が好きで、潰して漉したりしないように、豆のままで味噌汁を作って貰っていました。「あんまり、上品な食べ方ではないんだけど。」と母がこぼしながらも、作ってくれていました。

昨年、無印良品の諸国良品で太田屋の味噌の取り扱いがあるのに氣がつき、お取り寄せをしました。しっかりした骨太の旨味のある、大好きな味のままでした。子供も、美味しいと大喜びしていました。

又、取り寄せしようとしたら、一品ごとの送料との表記に変わりました。2袋買って送料倍は、ちょっと高いかと思います。実家の両親は高齢なので、頼んで送ってもらうのは、申し訳ないです。帰省した折に、立ち寄ろうと思っていたら、このコロナ騒ぎ。当分帰省できません。

帰省の楽しみにと待っていようか、日々の楽しみに買ってしまおうか、迷ってしまいます。諦めるという選択肢がないのは、食いしん坊の性でしょうか。

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