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20年後の自分へ書いた手紙

高校三年生の時、20年後の自分へ書いた手紙を勝手に高校の敷地内に埋めた
先生にはもちろん秘密で。
何故かひねくれた女子高生だったので10年後なんてつまらないから20年後の30すぎた自分たちへ書こうとペンを握った
あの頃の私たちは無敵だった
未来には希望しか無かったしどこにでも行けるし何にでもなれると思っていたのかもしれない
高校を卒業する
教師に縛られることがない、自分で選択出来る世界が待っている、待ちわびた自由
あの時から10年くらいそろそろ経つ
何故かふいにあの頃書いた自分への手紙のことを思い出した
手紙が埋められたあの土地から何百キロと離れた場所で生きている私を、あの頃の私は1ミリも想像していなかった
手紙になにを書いたのか全くもって思い出せない
卒業に対してセンチメンタルになるどころか地元から離れられるという開放感が勝っていてもう二度とこんなところ戻ってくるもんかと思っていた

自由とは何かを選びとる権利があること、そう思っていた
その権利はもう既に私は生まれ落ちた瞬間から持っていた
選びとる勇気、それが足りなかった
勇気がないと自由にはなれない
私はずっと知らなかった
自由を渇望していた10代の頃から数年たち、自由を手にしてもそこから動く勇気も希望もない20代前半
女子高生の頃夢を見た20代にはなれなかった
でも私はそれを悲観してはいない
常に行き当たりばったりの生活をしてきたけど自分に素直に生きてきた
嫌なことは嫌だしやりたいことはやってみる、10代の頃描いたものとは別物だとしても面白い人生を謳歌しているよと女子高生の私へ伝えてあげたい

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