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Photo by kuma_chronicle

"新しいVを探す"という行為自体が無意識に出来なくなっていた話

にゃん五郎

ふと動画を見た時に思った。
いつしか僕はYouTubeとXの奴隷にになっていた、と。

YouTubeやXには最近"オススメ機能"というものが存在している。AIが直近で見ていた作品を元に、本人が好きそうな関連作品を調べずともセレクトしてくれるという昔夢見た素晴らしい仕組みだ。

元々良くも悪くもミーハーで雑食の僕は最近ずっとオススメ機能のままにXやYouTubeを見ながら動画や流れてくる漫画を読んで過ごしていた。それこそ1時間2時間とオススメのままに。

ただ、この状態で流れてくるVtuberはいいねやRTをある程度得ていたり、再生回数がとても多いVtuberだったりと、良くも悪くもバズっているVtuberなのだ。

元々Vtuber黎明期に少しのアングラ感と物作りがしたい、というクリエイター達の熱意が気に入ってVtuberを見始めた身としては、流れてくるVtuberはアングラのアの字も無い正統派アイドルばかりに見えていた。

そんな時｢たまには懐かしい感じの動画勢Vtuberが見たい！｣とYouTubeを検索。しかしタグの文化と検索機能がほぼ崩壊しているYouTube君は古い順やコメントの少ない順などが標準で無く、どれ程新しく、どれ程視聴されているか、に重きが置かれすぎていて、本当に再生回数が多くないVtuberを検索することが困難だった。
しかも途中からは"関連する動画"という名の全く関係ない動画を勧めてくる始末。

そこで初めて困った。見たいものが見れない。

え、今まで僕が見ていたものは何だったんだ…？

確かに見たくて見ていたとは思う。ただ、今までの僕は"流れてくるのが当たり前"になっていて
"自力で新しい物を検索しなくなっていた"のだ。

｢これはやばい！｣本気でそう思った。最近満たされない理由がようやく顔を出してきた。

太古の昔、まだVtuberが流行る前のニコニコ動画を見ていた時代。カオスという言葉がちょうどいい様な情報過多な世界が好きだったあの頃。

最初はお気に入りの漫画キャラの名前から検索し始め、そこからどんどんタグを漁り上級者向けタグが付くような深淵を覗いては喜ぶことを繰り返していた…筈だった。

いつしか僕はニコニコランキングを見ていた。それこそ多種多様なジャンルから引っ張られてくる面白コンテンツ。思えばその辺から既に"探す"ではなく"見る"になっていたのかもしれない。

Vtuberを見始めた結果、YouTubeを見るようになって、それはより顕著になった気がする。沢山あるオススメにより表示されている動画を取捨選択することに夢中になって、いつしか僕は自分で好きなジャンルを調べることが無くなっていた。何故なら勝手に流れてくるからだ。探す時間の方が惜しい。そんな気持ちすらあったかもしれない。

その後YouTubeにshort動画が登場。突拍子もない動画のオススメがスワイプするだけで流れてくる。あれ程の流動食があっていいのだろうか。そしてそれを永遠に飲み下していたのは紛れもない僕だ。


そんな現状を打破するべく、僕はXとYouTubeにとある動画を上げた。

2年前には｢Vtuber動画を作ってくれ見つけられない！｣という動画。そして今月あげた動画は｢大手じゃない尖り散らかしたVtuberはいいねしろ！見に行くから！｣という旨の動画だ。

するとあれよあれよという間に今まで目に入れてこなかった沢山のVtuber達が見えた。嬉しかった。しかしそれと同時に自分がどれ程Vtuberを見つける努力を怠っていたのかということも身に染みていた。そして反応を貰えたVtuberを片っ端から見ていた時に見つけたもの

｢ぽんぽこ24CM応募動画｣だ。

"ぽんぽこ24"とは年に一度開催される個人動画勢の祭り的ポジションの配信で、個人Vtuber甲賀忍者ぽんぽこさんとオシャレになりたいピーナッツくんさんが主催しているVtuber版24時間テレビの様な物だ。(別にお涙頂戴とかは無い)

24時間立て続けに企画・コラボ配信が続く為、準備中の幕間としてCM動画が毎年募集されている。
そして今年はCM応募の多さからか審査員会が別途設けられ、時間内に入れられるだけに厳選されたCMが放映される、というスタイルだった。

そのCMとして応募していたであろう動画を、僕は発見した。

思えば今年、僕はいつしかぽんぽこ24を見そびれていたな…と思い立ち、今回審査員を勤め、放映されたCMを全て纏められているレオン・ゼロミヤさんの再生リストを訪れた。

まず第一に思ったことは"衝撃"だった。
なんとそこにはあれだけ探して見つけにくかった古のクリエイティブな動画や尖った動画がわんさか存在したのだ。しかも今回未放映枠も自主性ではあるものの纏められており、合計したその数400本以上。濃厚豚骨スープの様な濃縮っぷりである。

そこから更に沢山のVtuberを見て、沢山チャンネル登録をした。沢山動画を見まくって、もうデビューして数年経過しているのに全く知らないVtuberさん等、新人でもなく表に出にくい本当に探しにくい人を沢山見ることが出来た。

そこで改めて思った。僕はYouTubeの奴隷だったのだ。
｢餌が出てくるボタン｣の存在を覚えた結果、自主的に餌を摂ることを辞めひたすらボタンを押し続ける様になる動物実験を思い出した。

昔はもっと貪欲に…なんて思ったがそもそも僕が古の沢山いるVtuberを知ったきっかけは、現在は本家が動画を消去してしまってみることの出来ない｢Vtuber詰め合わせセット｣という動画だ。様々なVtuberの動画を約30分のまとめ動画にして投稿しており、どのVを見ようか、と考えるキッカケになった作品群だ。

今や大手から個人まで様々な切り抜き等で溢れている時代、大手を見たら最後YouTube君は死ぬ程大手の切り抜きを流してくる。

自分に足りないのはオススメを振り切って知ろうとする努力だ。

これだけたくさんの個人Vtuberを見て、登録しても、YouTube君はオススメを辞めない。個人のVtuberで、特に僕が好き好んで見る様な動画勢は毎日動画を上げる訳では無いし、一つ一つが個別なので、ひとつの動画再生回数も少なく、表示されにくい。古のVおすすめセット、の様にまとめて出てくる訳でもないのだ。

となればあとはもう探す努力なんだろう。知る努力なんだろう。しかしこうも思う。

｢だから最近の個人Vtuberって最初から最強装備でアイドルなんだ｣と。

第一印象が良ければ見てもらえる時代は半分終わりを告げているものの、推してもらうには、見つけてもらうには、話題性に富んで毎日来てくれて好きになって貰う為には、まず見てもらう他無い。
見る側だって毎日忙しなく学び働きその片手間に日々膨大なコンテンツを食らうのに必死なのだから。

一般人はそもそも従来の僕と同じく流れて来たものを見る、という人が殆どで掻き分けて新居地に至ろうとする人間はほぼ居ないのだ。

ヌルヌル動くLive2D、洗練された活動内容、毎日配信は当たり前。歌って踊れて当たり前。目立って目立って表に立つ。そういう時代にしたのは、他でもないYouTube君なのかもしれない。

まとめ

今後僕はYouTubeのみならずXやニコニコ動画なども積極的に活用して僕好みのVtuberを探してみようと思う。

YouTubeの見る専アカウントを新設して個人Vを登録して見まくればもしかしたらオススメがそっちに寄っていくか？と思って試してみたものの、ほんの少しVに寄るだけで絶対YouTube君の判断するVtuber以外のオススメは流れてくるし、結局おすすめに流れてくるのは大手なので動画数と再生回数からは逃げられないのだ。

こうなったら自分で個人Vを探し出し、いつか自分の大好きな個人Vまとめ動画を作ってバク伸びさせYouTube君にわからせるしかない…古のリンクバナー集やサーチサイト的な役割を果たす動画を僕が作るしかない。

もしくは僕自身が宣伝塔となって個人Vが好きな人や僕が好きなジャンルを好んで見る人が来る様な動画を作り僕自身が広める為の影響力を持てる環境作りが必要だ。改めてぽんぽこ24は凄い。僕もああなりてぇ(目的が違い過ぎるけど)

自力で探したその工程や至った結論にもきっと意味があると思うので、今後探す事自体を楽しみにしていこうと思う。以前noteにおすすめのVをまとめた事もあるので、今後も継続していくというのもありだろう。いっそ作る？個人サイト。

もしおすすめの方法があればコメントください。
僕は貴方のオススメも知りたいし、貴方自身も見つけたいです。

猫缶代、いつでも待ってます。