マガジンのカバー画像

読書感想文

44
運営しているクリエイター

#原田マハ

読書レビュー「風神雷神Juppiter,Aeolus上・下」 原田マハ

初版 2022年11月 PHP文芸文庫 マハさん得意のアートフィクションです。 今回は架空の人物は登場しません。 登場するのはすべて歴史上、実在したとされる登場人物です。 主人公は俵屋宗達。その実像は謎に包まれているそうです。 マハさんはあえてそこに着目したんじゃないかな・・。 同時代に生きていた歴史上の人物、しかし、実際の関りは確認されていない人物たちを 縦横無尽に絡ませていきます。 狩野永徳。織田信長。天正遣欧使節。カラバッジョ。などなど。 いやはや、壮大な歴史ロマン、

「たゆたえども沈まず」原田マハ 読書感想

初版 2020年4月 幻冬舎文庫 19世紀後半、栄華を極めるパリの美術界。画商・林忠正は助手の重吉と共に流暢な仏語で浮世絵を売り込んでいた。野心溢れる彼らの前に現れたのは日本に憧れる無名画家ゴッホと、兄を献身的に支える画商のテオ。その奇跡の出会いが“世界を変える一枚”を生んだ。読み始めたら止まらない、孤高の男たちの矜持と愛が深く胸を打つアート・フィクション。 (アマゾン商品紹介より) マハさん得意の半分実話の中にフィクションをぶっこむ アートフィクションシリーズです。 今

「リーチ先生」原田マハ 読書感想

集英社文庫 初版 2019年6月 好いものは好い。 そう感じる私たち日本人の心には、きっと“リーチ先生”がいる。 日本を愛し日本に愛されたイギリス人陶芸家の美と友情に満ち溢れた生涯を描く感動のアート小説。 第36回新田次郎文学賞受賞作 若きイギリス人芸術家バーナード・リーチ。 ロンドン美術学校で芸術を学ぶも、ルネッサンスを継承するような貴族中心のきらびやかな西洋美術にはどこか違和感を感じていた。 やがて、ジョン・ラスキンの自然派芸術論に影響を受け、ラフカディオハーン(小泉