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2021年6月の記事一覧

「たゆたえども沈まず」原田マハ 読書感想

初版 2020年4月 幻冬舎文庫 19世紀後半、栄華を極めるパリの美術界。画商・林忠正は助手の重吉と共に流暢な仏語で浮世絵を売り込んでいた。野心溢れる彼らの前に現れたのは日本に憧れる無名画家ゴッホと、兄を献身的に支える画商のテオ。その奇跡の出会いが“世界を変える一枚”を生んだ。読み始めたら止まらない、孤高の男たちの矜持と愛が深く胸を打つアート・フィクション。 (アマゾン商品紹介より) マハさん得意の半分実話の中にフィクションをぶっこむ アートフィクションシリーズです。 今

「流浪の月」凪良ゆう 読書感想

初版 2019年8月 東京創元社 ~~ネタバレ考察含みます~~ あらすじ 小学生の家内更紗(かないさらさ)は大好きな両親と平和に暮らしていた。 自由奔放な母と寛容な父。(ちょっとジョンとヨーコを思いだす) 近所の人や学校の友達からはヤバイ家族と噂されていたけど。 更紗自身も常識や規律に縛られない性格で、そんな両親との暮らしは最高に幸せな日々だった。 しかし、父が病死。それを機に母も蒸発。伯母の家に引き取られる。 そこは「常識」に満ちた窮屈な空間だった。 さらに大嫌いないと