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二度と戦争をしないために。検証・考察

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#戦争映画

映画レビュー「フルメタルジャケット」

製作 1987年 米 監督 スタンリー・キューブリック 出演 マシュー・モディーン    リー・アーメイ    ビンセント・ドノフリオ あらすじ ジョーカー(マシュー・モディーン)、アニマル・マザー(アダム・ボールドウィン)、<デブ>のレナード(ビンセント・ドノフリオ)、エイトボール(ドレイン・ヘアウッド)、カウボーイ(アーリス・ハワード)他、全員が地獄の新兵訓練所に投げ込まれ、情け容赦ない教官ハートマン(リー・アーメイ)に鍛えられる。 後半は厳しい訓練を終え、ベトナムに出

映画「キリングフィールド」~戦争報道と正義について思う事~

製作 1985年 英 監督 ローランド・ジョフィ 出演 ジョン・ウォーターストーン    ハイン・S・ニョール    ジョン・マルコビッチ 冒頭5分。 主人公の新聞記者の言動で、ちょっと否定的な見方になってしまいました。 「どこに行こうと僕の自由だ!」 「法で認められている」 「妨害は違法行為だ」 「あんたの一言一句を記事に載せるよ」 マスコミの、言論の自由を盾に、自分の正義を疑わない姿・・。 最近,やたらと目につくマスコミや芸能人たちの「正義の言葉」に辟易していて、タイミ

―ベトナム戦争から今を考えてみるー「天と地」映画感想

製作 1993年 米 監督 オリバーストーン 出演 ヘップ・ティー・リー    トミー・リー・ジョーンズ あらすじ O・ストーンが描く、ベトナム戦争をくぐり抜けてきた実在の人物レ・リー・ヘイスリップの真実の物語。1949年、フランス領インドシナ。ベトナム中部の小さな村キーラで、貧しい農民夫婦に女の子が生まれた。彼女の名はレ・リー・ヘイスリップ。物語は、ゲリラから娼婦となり、アメリカ軍人と恋に落ちて渡米。異なる文化圏での新生活を過ぎて再び夢にまで見た祖国の土を踏むまでの、彼女

「硫黄島からの手紙」映画感想

製作 2006年 米 監督 クリントイーストウッド 出演 渡辺謙    二宮和也    加瀬亮 これは軍国主義圧力に翻弄される主人公を描いた これまでの日本の戦争映画に多い典型的なタイプの作品。 軍上層部の個人的な見栄の張り合いで作戦を動かしていたあたりは 絶妙に描けているけど、実名を使っているので、その人物像の解釈に対して 実際の人物像とはだいぶかけ離れていると物議を醸しだしているようです。 僕はその点に関しては勉強不足でよく知りませんのノーコメント。 アメリカとの戦い

「父親たちの星条旗」映画感想

製作 2006年 米 監督 クリントイーストウッド 出演 ライアン・フィリップ    ジェシー・ブラッドフォード    アダム・ビーチ 本作の主軸は、いかにもアメリカらしい 英雄をマスコットにしての国債集金キャンペーンの話です。 ほぼ制圧完了した硫黄島のすり鉢山てっぺんに 星条旗を掲げるのをちょっとお手伝いした3人の米兵が 英雄に仕立て上げられて、集金キャンペーンに利用され、 地方回りをする様子が描かれていきます。 一人は、自分は英雄なんかではないという罪悪感に精神を病み。

「あゝひめゆりの塔」映画感想

公開 1968年 監督 舛田利雄 出演 吉永小百合    浜田光夫    二谷英明    乙羽信子 ひめゆりの塔という映画はいくつもつくられているようで、 僕も名前は聞いたことあったけどちゃんと観たのは初めてです。 沖縄戦に動員され玉砕あるいは集団自決した女学生たちの悲劇。 かな・・・というイメージでした。 そのイメージ。そんなには間違っていなかったです。 いや。もうちょっとふわっとした話かと思ってましたが(吉永小百合。女学生のイメージから)中盤以降はかなり壮絶なシーンの連