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家族の理解

今回は、レースに対する家族の理解について論考したい。

特に、妻という変数が存在する場合だ。
なぜか、レース予算に対しては引き締め方向にラチェット機構が存在する。
一度(怒らせて)下がった予算は戻らない。
贖罪しても予算が戻ることは無い。。。

理想はこうだ。

「あらあなた、まだタイヤ代にビビってるの? 
 そんなんだから勝てないのよ、バンバン新品タイヤ投入なさい」

妻をレースに巻き込むべく、様々な教育(洗脳)が必要だ。

順を追って説明したい。

1.レース用語の理解

瑞浪で観戦するなら、スリップの知識は必須。
早速、スリップストリームについて妻に教えた。
これで一層、レース展開への理解が膨らむであろう。

それから数日後、風が強く、寒さがしみる日だった。
妻がスッと私の前に出て、こういった。

「私のスリップ、使っていいよ」

それはどちらかというと黒い三連星

妻の優しさに触れることができた。


2.レースのドキドキ感 ~クラッシュもあるよ~

レースの帰り道、瑞浪から東京までは、約4時間かかる。
早く帰りたい気持ちと、中央道のレイアウトが、もっとアクセルを踏めとささやく。

ニャ
「ぶーん」


「危ないよ、事故したらどうするの?」

ニャ
「大丈夫!拙者のドライビングテクニックがあれば事故なんて・・・」


「ついさっき5コーナーで盛大に事故ってたやろ」

ニャ
「あ、はい、すみません。。」

3.情熱 ~オンボード研究~

久しぶりにAPGのレースに出た。
ホームコースなのに半年ぶりという絶望的な状況で、瑞浪王者「舟橋教授」のAPGオンボードを手に入れた。
当然、何度も何度も見る。
そして、ふと気づいた。

なるほど。
私もストレートは遅くない。

「後はコーナーだけだな」

やるべきことは分かった。

となると、オンボードでストレートを見ている時間は全くの無駄である。

ひらめいた!

「特に苦手な最終コーナーだけ繰り返す動画を作ろう」

使い慣れない動画編集ソフトを立ち上げ試行錯誤する。
そしてついに、延々と舟橋選手の最終コーナーだけが続く動画が完成した。

APG最終コーナー

深夜の自宅で延々と動画を見る。
何しろ、ずっと最終コーナーがリピートされる。
わかる、わかるぞ! 舟橋選手の動きが!!

私の中でバラバラになっていた何かが一つにまとまり、モチベーションが一気に高まる。

次のAPGで表彰台にあがる絵が浮かんだ。

その時ふと、私の後ろを妻が通った。

深夜に動画を見て研究する夫。
レースに対する情熱は、こうやって伝わっていくのだろう。
こんなに頑張ってるのだから、きっとさらに応援してもらえるはず。
妻からの「遅くまでおつかれさま」という言葉を期待した。


「なんでこの人、おんなじとこグルグル回ってるの!」

ニャ
「おんなじとこじゃねーよ、最終コーナーだよ!カツ兄すげーんだよっ!」


「なんでずっと最終コーナーなの! なにこの(変な)動画!」

ニャ
「頑張って作ったんだよ!カツ兄すげーんだよっ!」


「変態!」

情熱は伝わったかもしれないが、違うものも伝わってしまった。


※おしらせ
ニャンコネンシールつくりました。

貼った方からは早速「回転が伸びなくなった」「空気抵抗が増えた」「腰が痛くなった」などの声を頂いております。
たくさんあります。
もらってくれたらうれしいです。