反出生主義者なりの反核・反戦宣言

1945年8月6日に広島市に、8月9日に長崎市にそれぞれ原子爆弾が投下されてから79年になります。この2都市での急性死亡者数は15万人~24万6千人と推定されています
この2都市での惨禍から現在まで、核兵器保有国は懲りもせずに核兵器の開発を進め、また非保有国であっても多くの国が原子力発電所の建設を進めてきました。
核兵器は、広島・長崎での戦時大量殺戮および各地での核実験により多くの人を殺害し、また生存者にも原爆病や差別による著しい苦痛を強いてきました。
原子力発電所も、多くの被害を生じています。チョルノービリ(チェルノブイリ)原子力発電所4号炉爆発事故での被曝による癌での死者数は2万~6万人と見積もられています。それだけでなく、

チェルノブイリ事故が人々にもたらした災厄全体を議論しよ うとするなら、こうした「間接的影響」を無視することはできない

チェルノブイリ原発事故:何がおきたのか 今中 哲二, 京都大学原子炉実験所(2007年3月), 第8回環境放射能研究会.

と言えるでしょう。今なお原子力緊急事態宣言が発出されている福島第一原子力発電所事故を含む東日本大震災での災害関連死の死者のうち、特に2011年3月11日当時福島県浜通り地方にいた人々のなかには他県の被災者より長期化した避難生活のストレスが影響した人が含まれるでしょう。

さらに、人類以外の生物に対する影響も甚大なものです。

これらの現実を直視し、湯崎英彦広島県知事の言うような「真の現実主義」の立場に立つのであれば、たとえどんなに困難な過程であったとしても、我々人類には核兵器と原子力発電所を全廃することを目指すほかの選択肢はありません。

核戦争・核実験や原発事故が人類を完全な絶滅に追い込むかどうかは関係ありません。ただそれらが多くの生物を殺害し、生存した者にも多大な苦痛を強いるという点のみにおいて、我々人類は核兵器と原子力発電所を否定しなくてはならないのです。


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