ロト6の攻略方法を見つけたという話

ロト６という宝くじがある。

知らない人のために解説すると、1から43までの数字の中から異なる6つの数字を選ぶ「数字選択式宝くじ」である。

1等は最高2億。キャリーオーバーが発生すると6億にもなる。もはや国家予算だこれ。

寛大なことに6つ全部当てろというわけではなく、最低3つ当たればいいという。その場合に相当する5等は1000円である。

けれどロト6をやる人間は1000円程度のしょぼい金目当てでやらない。

欲しいのは1等の億単位の金である。貧乏人からすれば億という金は国家予算のそれであり、自由が約束されているようなものだから。

かく言う自分も2億以上の金が欲しい。

ドシンプルにもう働くのに疲れたから。

そう思い立って数年前から定期的に宝くじ売り場を見つけては、鉛筆の黒鉛に野望を乗せ、領土を広げるが如くマークシートを塗りつぶしてはいるが、天下統一する夢を果たすどころか夢を果たす前に死んでいる状況が続いている。

自分の好きな数字、過去の傾向から見た数字……色々思案して6つの数字を選んできたけど、思えばその数字を抽選するのは球を転がすだけの機械なのだ。そんなもんに傾向とかあったもんじゃない。

けれど無作為には無作為を。俺はある攻略方法を見出したのだ。

クーちゃんだ。

宝くじ売り場には大体置かれているクーちゃんその人に俺は目を付けた。

知らない人のために解説すると、このメカは希望する宝くじのロゴを押すとそれに対応した数の数字を無作為に選んでくれるのだ。ちなみにPUSHボタンを押すとクーちゃんがしゃべってくれる。けれど欲望むき出しの俺にはアイツが何言ってるかは1mmも覚えていないが。

そもそも当たるように数字を思案することが愚かであり、それならば最初から運任せで行った方がいいという結論に落ち着いた。

一等を引き当てる確率は1/6,096,454。途方もない数字だが、不可能ではない。

それを……クーちゃんに託すことにしたのが事の顛末。

うおおおおおおおおお！！行くぞアスラーダ！！！！

追記

外れました。クーちゃんを信じるな。