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東京について

雨の音がうるさい。
音にかなり敏感な僕は基本的に耳栓とアイマスクをしながら寝ていた。
最近、なしでも眠れるようになったがそれでも雨のポツリポツリという音は耳障りである。

何やら驚異的なペースで日記を書いている。
これとは別個で毎日日記を書いていたりする。そっちはとても人には見せられないものである。
とにかく、頭の中を文字がぐるぐるしていてアウトプットしないと溢れてしまう。
そんな個性を持っているのだ。

今日のテーマは、そうだな。
"東京"について書こう。

アーティスト各位がこぞって"東京"についての曲を書いていて羨ましいなと思っている。

みんながみんな、きっと希望を追いかけて"東京"に来て、絶望や挫折を味わったり、喜びや楽しさを見つけたりたくさんの感情が生まれる特別な場所なんだろうなと推察する。
覚悟を持って遠くから来た人しか味わえないその情景を僕はとても羨ましく思うのだ。

と言うのも僕は横浜生まれの横浜育ち。
行こうと思えばすぐ東京に行けるのだ。

加えて人一倍、郷土愛が強い僕はあまり東京に住もうとか憧れとかがあったりするわけではない。特段思い入れがあるわけでもない。

じゃあ逆に大阪に行くかとか、福岡に行くかとか思うかと考えると多分有りえない。
それほどまでに首都圏というのは色々整っている。
仕事もたくさんあるし。

多分遠くから来た人にとっては僕みたいな首都圏育ちは結構なアドバンテージだったりするのかも(そうでもないのかもしれないが)

会社の上司なんかは福岡の人なので長期連休があると帰るのが大変そうである。

僕も東京ほにゃららみたいな曲を書いてみたいなと思いながら、東京についての思いを少し。

元々は専門学校を辞めた後、神奈川県内でライン工をやっていた。こんなんでも汗水に塗れて作業着に工具ぶら下げて働いていた時期があったりした。
ただし、やっぱり職場の人間関係的なところでうまくいかず(体育会系の職場ってプライベートや価値観にズカズカ踏み込んでくる。あれが嫌)ホワイトカラーであるIT企業に転職したのだった。

それが僕と"東京"の話。

所謂SESという形態でお客様先に行って仕事をする僕はいろんな街に赴いた。
その時はリモートワークなどなかったので普通に出社していた。
大井町、水道橋、丸の内、門前仲町、中野。
いろんな場所のオフィスにいたのである。

"東京"で働けるのは何やら一端のエリートにでもなったような気がして嬉しかった。
どこどこの居酒屋が美味しいとか、どこどこの夜のお店の誰がかわいいとか。
東京の遊び方もだいぶ覚えた気がする。
毎日毎日くたびれたように電車で一時間半。
立ったまま眠れるようになったり、駅では限界を迎えたサラリーマンが喧嘩をしていたり、おそらく彼氏に振られたであろう女子が街の隅で大泣きしていたり。
いろんな経験や人間模様が見れる街が東京だ。

僕が、というより夢を持って入ってきた新卒が激務や技術職で向き不向きがあったりクセの強い人に当たり散らされたりで次第に元気がなくなり、死んだ魚のような目でPCをパチパチやってるのをたくさん見てきた。
中には音信不通になってしまう人も。
何人もそんな人たちを見てきたのだ。
そして見送ってきた。

諸々見て思った。
僕は"東京"って魔物に喰われないようにしなければならない。

かぶれたくないのだ。
横浜に生まれた人間としてライバル心みたいなものがある。
きっと煌びやかな体験を夢見て、現実とのギャップにやられて東京を去った人たちも星の数ほどいるのではないかとも思う。
そしてその人たちが去った後にまた新たに夢を見てくる人たちがいて。
僕が直接的に東京に焦がれることは今後ともないだろうが。
恐らく目を輝かしている人たちを受け入れて、見送って多分その繰り返し。傍観者なのかもしれない。
偉そうに上から嫌なこといってますが、立ち位置としては事実そうなのだ。

だから東京には好きと嫌いという両方の感情が入り混じっている。

そして僕はその覚悟を持ってきた人たちに対して劣っているなとも思うのだ。
だからそこで戦う彼ら彼女らは美しいし、とても尊いと思うから。
すごく羨ましいのだ。覚悟を持てるという行為に対してリスペクトがある。

だから僕はその美しさを間近で見ていたいのだ。

それが僕にとっての東京
人の憧れが集まる美しくも醜い場所。

これからもいろんなものを見て聞いていこうと思う。

ばいちゃっ。

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