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九州MaaSが始まったので、my routeアプリをレビューしてみた

さて、2024年8月1日、九州MaaSなるものが始まったらしい。
この新規サービス、なかなか便利そうだったので、その概要やアプリの使い方について、まとめてみました。
ユーザー別のおすすめの使い方や、便利機能にも言及してますよ。


九州MaaSとは?

サービススタートとのことで、各メディアに取り上げられてました。
以下、NHK、日本経済新聞、長崎経済新聞の記事リンクです。

ざっくり各記事を要約すると、「九州の各県や交通事業者、そして経済団体あわせて約100者が協働しているサービス。専用のアプリを利用することで、便利かつお得なチケットを購入できる。複数の交通機関、交通手段をまたいだチケットも購入できるので、ユーザーの利便性が向上する。一方で、交通事業者側も利用履歴をもとによりよい時刻表の作成にフィードバックを得られるなどの利点があるとのこと。また、一部のお得なチケットは既に販売開始している」といったことだった。

MaaSについて補足

記事にあわせて補足をすると、サービス名にもなっている「MaaS」とは、「Mobility as a Service」の略称だ。直訳すると「サービスとしての交通機関」といった感じ。要は、点の存在だった各交通機関を一元管理することで、点と点が繋がり網目状に地域を網羅することができ、ドーナツ化+人口減少した社会でもうまく対応していけるね!ということだ。

MaaSに関して、わかりやすく解説しているNote記事があったので、MaaSや九州MaaSの理念について、詳しく知りたい方はこちらもぜひ。


なるほど、長崎移住1年半の九州ビギナーには、なかなか便利そうなサービスだ。市内には、移動手段として、電車のほか、路面電車も路線バスもあるが正直使いこなせていないので、これを機にマスターしてついでにお得にお出かけもしてみたい!
ということで、さっそくアプリをダウンロードして使ってみました。

※サービス名が「九州MaaS」、使うアプリは「my route」

ところで、早速要注意事項ですが、九州MaaSといいつつ、アプリ名は「my route」(マイ ルート)です。お気をつけください。

さて、気を取り直して。
小一時間my routeアプリを触ってみたまとめはここからです。せっかく九州MaaSと謳っているので、自分が住む

my routeアプリの主な機能

アプリの主な機能はこんな感じ。

  • よく使う駅、バス停などmy station登録

  • my station 遅延通知機能

  • マップ上での検索機能
    →各最寄り交通機関検索・ルート検索・お出かけスポットなど

  • お得なチケットの検索・購入

  • 位置情報に合わせたおすすめスポット・記事の表示

所感としては、乗り換えアプリとグーグルマップの合体強化版
いままでアプリを跨いでいた機能が一元化されているので、個人的にはなかなかありです。

ニュース上では、メインの扱いをつけていたお得なチケットのページはアプリ上だとあくまで一機能であってあまり目立ちませんが、なかなかいいチケットがありますね。長崎市民としてはペンギン水族館とセットのチケットが気になりました。

右下のお得にお出かけボタンをタップ
様々な交通機関・エリアのチケットが出てくる


おもしろいなーと思ったのは、位置情報に合わせておすすめスポットや記事が表示されるところ。
記事のサムネにも、現在地からの距離まで表示されてます。広告主としても、より有効な相手に表示されるし、ユーザーとしても使いどころは何パターンかありそう。

アプリトップ画面をスクロールすると表示される
各情報は現在地からの距離とセット
(位置情報初期設定につき、東京駅周辺が表示されている)


九州以外でもアプリは使える

そしてここが一番大事なんですが・・・
別に九州限定のアプリじゃなくて全国で使えるアプリ! ここ大事
各ニュースでは、九州という部分にかなりフォーカスされていたので、今回のニュースから入った人は地域限定と思われたかもしれません。ええ、私のことです。
※後で調べてわかりましたが、my routeアプリ自体は既に存在しておりました。九州MaaSのサービス展開先として選ばれたような流れでしょうか。

おすすめ機能

しばらく触ってみて気付いたおすすめ機能はこのあたり。

  • バス停検索

  • 時刻表検索機能

  • マルチモーダル機能の個別オンオフ

my station登録

自分の通勤通学先など、よく使う駅などを登録することができます。アプリを開いて最初の画面に表示されます。時刻表と連動してるので、次の発車時刻や遅延情報もここから確認できます。
複数登録もできるので、病院や子どもの習い事などでよく使う場所は登録すると便利ですね。

アプリのトップ画面 登録したバス停の情報も
my stationの一覧 ここからタップすると各時刻表にとぶ

バス停検索

バス停って、どこにあるかよくわからないし、同じ停留所名でも、複数個所あってどこから私の行きたい路線が出るのかわからない。どこが最寄りのバス停かいまいちわからない。なんて事ありますよね、私だけでしょうか。

地図で探すのトップ画面


マップ検索のトップでまず最寄りの駅やバス停サイクルシェアポートなど複数の交通機関情報をボタンひとつで横断できます。MaaSっぽい機能で良いですね。

時刻表検索

マップ検索で選んだ停留所から、そのまま時刻表に飛べます。特にバスのこれ!非常にありがたい。場所によっては複数のバス会社さん路線が走ってたり、時間帯によって終点が違ったりなれていない場所だとなおさらわかりにくいんですよね。
普段Googleマップでルート検索するんですが、別のサジェストはみれても、時刻表には飛べないので痒いところに手が届いて嬉しい。

マップ上で検索したバス停
そのまま時刻表に飛べる

マルチモーダル機能

これまたMaaSらしい機能ですが、ルート検索上にマルチモーダル機能があります。複数交通機関をまたぐルートの表示機能です。さらに、対象機関をこまかく設定できるので、用途や予算に沿った検索が可能です。
某乗り換えアプリは、乗る予定のない新幹線やら出てきて場合によってはちょっと邪魔だったりしたので、個別オンオフは個人的にかなりアリ。
カーシェアや高速バスなど、ニッチな選択肢もあります。

マルチモーダルを選ぶとこんな感じ
マルチモーダル機能の設定画面


シチュエーション別のおすすめの使い方

おすすめ機能に関してはこんな感じでしょうか。
状況によって、使い方も変わるでしょうから、そんなのも考えてみました。

普段使い

通勤通学でよく利用する駅やバス停などの登録しておき、遅延情報を取得しておくのがやはり一番使う方法でしょうか。バスと電車を使い分けたり、複数乗るような方には、MaaSアプリって便利でしょうね。かくいう私も都内で働いていた頃は、電車遅延してると混雑が解消するだろう頃まで残業してから帰ったりしてました。

都市部住まい

都会って交通手段がありすぎて、なにが一番便利なのか、よくわかんない時ありませんか?特に出先。
駅だけでも複数路線あるのにそこにバスまで加わったらもうパンク。しかも意外とバスの方が乗り換えなしで自宅側まで走ってたりするんですよね。 
マップ検索で、あなたの街の利便性を更新しましょう。

出張者

宿泊先のホテルや訪問先を事前登録しておくと、ルート検索の時にスムーズで便利そうですね。出張ってあまり行ったことないですが、相手先との時間の約束もあって妙にドキドキするし、交通手段はなにがあるのか調べるところから始まるし、その辺りが時短になると、準備が楽で良さそうです。

旅行者

お得なチケットをみてから、旅行を組み立てるなんていうのも楽しそうですね。九州周遊チケットなんてものありましたので、点の旅行だけでなく県を跨いだ旅行も計画しやすくなっていそうです。
個人的には九州温泉巡りがしたいこの頃です。
旅先のお出かけ予定先を登録しておいて

迷子

会員登録が必要ですが、myスポットとして、自宅  も登録できます笑 プロ迷子さんにおすすめ

改善点

最後に少しだけ、改善点について2点挙げてみました。

ロード時間

既存サービスと比べるとルート検索時など、少しロード時間長め。横断する情報が多いから仕方ないのかもしれませんが、やっぱり少し気になりました。

外国語対応

難しいのはわかってはいるんですが、インバウンド対応のため、外国語対応してるといいよなーなんて。長崎は観光地なので、道案内をすることもしばしば。ガイドブック片手に移動してる人もよくみます。便利なアプリでもっとたくさんの場所を回ってみてほしいなーと思ったり。

とはいえ、やはり便利なアプリであることには変わりありませんでした。

結論:TOYOTAがモビリティ関連アプリの覇権を獲りにきた

報道の通り、九州MaaSという名前に引けを取らないよきサービス、そしてよきアプリでした。
うまく使えば交通各社の効率化にもつながっていきそうです。しかし、アプリ内の広告収入はトヨタファイナンスサービス社が全部獲りするんでしょうか。うまくいけば、プラットフォームって儲かるんですよね。
脱車社会が進むほど、公共交通機関は市民の足であり、その土地の財産ですから、できるだけ多く長く存続してもらうためにも、還元される仕組みって大切ですよね。
私自身もこのアプリ、使っていきたいです。
九州MaaS、いずれ日本MaaSへ広がっていくことを期待しています。



疑問点や質問事項があれば分かる範囲で追記します。
コメント欄などにお寄せください。


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