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ニンジャスレイヤーTRPGソロリプレイ【デッドリー・プレデターズ・イン・ザ・ダーク・コンクリート・ジャングル】前半

初めに

ドーモ、みなさん。nyamotomoです。また大分期間が開きましたが今回もニンジャスレイヤーTRPGをプレイしていきたいと思います。今回のシナリオはこちら。

ニチョームに出没する謎の殺人鬼を追うシナリオです。フリーランスが求められていますが手持ちにあまりいない為、組織のニンジャで一部読み替えて代用していきましょうか。


登場ニンジャ

・ブラックゾーン

◆ブラックゾーン (種別:ニンジャ)  DKK:0  名声:5   所属:ソウカイヤ
カラテ    3  体力   5
ニューロン  5  精神力  5
ワザマエ   7  脚力   4
ジツ     0  万札   0
攻撃/射撃/機先/電脳  3/7/5/5
回避/精密/側転/発動  7/7/7/0
即応ダイス:4 緊急回避ダイス:0
◇スキル
『●連射2』
『◉頑強なる肉体』、『◉トライアングル・リープ』、『◉知識:旧世紀地下道網』、『◉交渉駆け引き』
◇アイテム
オーガニック・スシ
◇装備
アサシンダガー、タカハシマスターツールキット

ソウカイヤに所属する下級ニンジャ。漆黒の装束の典型的なサンシタ。下水道に住んでおり、地下の道には詳しい。親交のあるアイアンヴァイスとは任務で知り合った仲である。

前回ついに成長の壁を突破しました!とはいえ装備やスキルも心許なく、一人前とは言い難いですね。

・アイスヘッド

ブラックゾーンと同じサンシタニンジャメーカーで生成。
◆アイスヘッド (種別:ニンジャ)  DKK:1  名声:6  所属:ソウカイヤ
カラテ    7  体力   10 
ニューロン  6  精神力  10
ワザマエ   6  脚力   5
ジツ     2  万札   14
攻撃/射撃/機先/電脳  7/6/7/8
回避/精密/側転/発動  8/6/6/8
即応ダイス:5  緊急回避ダイス:1
◇ジツ
『⭐︎謎めいたニンジャソウルlv2』
◇スキル
『●連続攻撃2』
『◉魅了』、『◉知識:現代的アート』
◇サイバネ
▶︎クロームハートlv1、▶︎生体LAN端子lv1、▶︎ヒキャクlv1
◇アイテム
オーガニック・スシ、ZBRアドレナリン注射器
◇装備
パーソナルメンポ
◇背景タイプ『反抗心や嫌悪』
◇生い立ち
⚪︎錠前破り

冷静沈着を信条とする強盗ニンジャ。ソウカイヤやラオモト家に対しても献身的に仕えある程度の信頼を受けているが、彼はあくまで自身のためのコネとしか見ていない。

公式のスゴロクめいた企画、カワイイヤッター2022にて無事にシックスゲイツ候補生となったニンジャです。装備やステータスは充実しており、ブラックゾーンと大体同じか少し強いくらいの強さでしょう。(上のログではクロームハートのことを忘れて伝統的ニンジャ装束を取っていますがなかっことにします。イイネ?)

二人ともソウカイヤとなってしまいました。ストリートニンジャも一人欲しいので生成しましょう。

・モンキャット

◆モンキャット (種別:ニンジャ)  DKK:0  名声:5   所属:ストリートニンジャ
カラテ    4  体力   5
ニューロン  4  精神力  4
ワザマエ   7  脚力   4
ジツ     0  万札   −12
攻撃/射撃/機先/電脳  4/8/6/4
回避/精密/側転/発動  7/8/8/0
即応ダイス:3  緊急回避ダイス:0
◇スキル
『●連射2』
『◉◉タツジン:ムチ・ドー』、『◉トライアングル・リープ』
『◉知識:ストリートの流儀』、『◉知識:オイランドロイド』、『◉知識:歓楽街エリア』、『◉交渉:共感』
◇サイバネ
▲スマートバイオサイバネlv0
◇装備
ムチ、光学迷彩ローブ
◇生い立ち
⚪︎キング・オブ・アーケード
◇その他
ネザークイーン親密度1

根無草の流浪ニンジャ。ソウルの影響で猫の耳と猿の尾が生えてきており、それらの動物的反射力を用いて高速軌道戦闘を行う。現在はニチョームに居着いており一宿一食の恩を返すため、そして安易な衝動買いで増える借金を返すため、常に新しいビズをさがしている。モータルネームはエンビョウ。

新しく16ポイントスクラッチビルドで作成しました。一応タツジンを持っており、装備も整っている為戦力にはなるでしょう。

ではいよいよシナリオスタートです…。

本編

◆プロローグ

ネオサイタマの一角、ネオカブキチョ・ニチョーム。ここはネオサイタマでも極まった性的歓楽街、中でも特にマニアックな部類の店が軒を連ねるエリアだ。それゆえに余人には理解し難い信念を持つ者達の集う遠き異界であり、ありとあらゆる存在を受け入れる親しき故郷にもなりうる光と闇の街。その一角に、そこだけアメリカの西海岸から抜け出てきたかのような改造チョッパーバイクが店先に並ぶ、スポーツバーが存在する。

『砲声と犬』とタフで、それでいてムーディーに筆記体でショドーされた看板の掲げられたこの店は『退役軍人パブ』であり、電子戦争経験者から湾岸警備隊隊員、マッポ、そしてそういった者たちとお近づきになりたいラフな雰囲気を好む若者たちで常に騒がしい。

今日もご多分に漏れず、カウンター席を占領しトビッコ・ギムレット一杯で何時間も粘りながらウェイトレスを口説く電子戦争退役軍人や、玉突き台でこれでもかとタバコをふかしながら下品な『軍隊』ジョークまじりに歓談する湾岸警備隊兵などがいるが、その中で四人のニンジャが一つのチャブ・テーブルに座っていた。勿論談笑などが目的ではない、油断ならないビズのダンゴウだ。

「集まってくれたのは…三人か。ご足労感謝する。では早速始めようか。」話し始めたのは、湾岸警備隊のジャケットにジーンズという格好のタフな女性で、そのきびきびとした所作や装い、筋肉のつき方などから一目でおそらく軍人であろうと容易に察しがつく。「まずはアイサツだな。ドーモ、ダイアウルフです。」

◆ダイアウルフ (種別:ニンジャ)
カラテ    10  体力   12
ニューロン  6  精神力  12
ワザマエ   6  脚力   5/N
ジツ     6  万札   10

◇装備や特記事項
 カスタム・ハンドガンx2
 『●連続攻撃2』、『◉頑強なる肉体』、『◉トライアングル・リープ』、『◉◉グレーター級ソウルの力』
 『☆ヘンゲヨーカイ・ジツ』、『★肉体切断』、
 『★★グレーター・ヘンゲヨーカイ・ジツ』、『★★異常再生』

「まず俺たちからだな。ドーモ、ブラックゾーンです。」「ドーモ、アイスヘッドです。」黒装束のニンジャと額に「冷静」の刺青を掘ったサイバネニンジャがアイサツした。「まずあけすけに言うが私達はソウカイヤだ。例の事件の犠牲者には系列のモータルも居る訳で、緩衝地帯の事件といえども全くの無視は難しい…というコトだ。」そういうと二人は懐からクロスカタナ、ネオサイタマ最大の犯罪組織ソウカイヤの紋章を取り出した。

ダイアウルフは頷いて応えた。「ここはニチョーム、外でのゴタゴタに関しては不問だ。今回の事件への協力ありがたい。失礼、アイサツを中断してしまった。君もアイサツを」ダイアウルフに促され、そのやりとりを少し怯えた顔つきで観察した四人目、ネコめいた耳を生やし、キョートのハイ・スクール学生めいたコスプレイに身を包む中性的ニンジャが遅れてアイサツする。「ドーモ、モンキャットです。と…いうことはフリーランスからはボク一人かな?ア、アハハ…」

ダイアウルフは見慣れないニンジャ、モンキャットを観察する。耳はバイオサイバネだろうか?その背中にはロープめいた毛皮の尾が揺れ、腰には得物と思われるムチ。一見軟弱そうだが細やかな動きを見る限りある程度の実力はありそうだ。「ドーモ、モンキャット=サン。多少は名を聞いている。活躍を期待しているぞ。」「は…ハイ!」モンキャットは、すでに数時間前に聞き入れたもう一つの依頼を若干後悔し始めていた。

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数時間前!ニチョームの店の一つであるゲイバー『絵馴染』で、カウンターを挟み2人のニンジャが顔を合わせていた。「いやァー!ありがたいな、最近金欠気味なもんでね!ハイデッカーだのソウカイヤだの、窮屈な世の中になってるよねぇ…」カウンターのモンキャットはチビチビとグラスを傾け、チロチロと酒を飲む。それを聞いた店主ザクロは和かに笑った。彼女はニチョームの守護者ネザークイーンの名を持つ手練ニンジャでもある。  

「それもそうだけどアータ、最近中古のアニメ・ビデオやゲームにハマってるらしいじゃない?店主が毎回毎回大量に買っていくって言ってたわよ。ヤメナサイなんてツマラナイお小言言わないけど、サイフの中身も考えなさいよ」「え…えへへ、そんなことないですよ。というか客のプライパシーは如何に!?」モンキャットはコレクター気質かつ方々に興味の湧く感性のせいで、刺激の多いニチョームでは常に無駄遣いして金欠なのだ。

「い…いやぁ、まぁそんなトコでザクロ=サンのお慈悲はまさしくブッダだね。重ね重ねアリガトウゴザイマス!」「あら別にタダじゃないわよ」「えっ」モンキャットは捨てられる子猫めいて絶望と驚愕の混ざり合った表情をした。ザクロは苦笑する。「あらやだ、オカネじゃないわ。お仕事の斡旋。といっても少し複雑だけどね。」

ザクロは顔をシリアスに歪める。「あなた人狼事件は知ってる?」「え….ええ、もちろん。現場も今の家に近いしボクも心配で…」『新歌舞伎町引き裂き殺人事件』。このところネオカブキチョ近辺で立て続けに発生している怪事件であり、4件の犯行が行われ5人が死亡、1人が重傷を負っているが、この事件の異常性はその被害者たちがまるで大型獣に襲われたかのように爪で『引き裂かれている』事につきる。

目撃者の証言で『狼人間に襲われた』というものもあったことから別名『新歌舞伎町人狼事件』とも呼ばれ、このところネオサイタマのゴシップ誌の格好のネタとなっているのだが……。「今ニチョームのお仕事掲示板でニンジャ向けの依頼としてこんなのが出てるのよ。」ザクロはIRC端末を取り出すとモンキャットに見せる。

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『ネオカブキチョにおける連続引き裂き殺人事件調査の依頼』

依頼主名:ダイアウルフ
依頼傾向:調査および護衛
報酬:万札20+危険手当込み

このところネオカブキチョ近辺で立て続けに起こっている
『連続引き裂き殺人事件』の調査を個人的にお願いしたい。
依頼の承諾がありしだい、ブリーフィングを行う。

ネオカブキチョの退役軍人パブ『砲声と犬』のB2テーブルに20:00に来てほしい
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ダイアウルフと言えば多少は聞いたことがある。湾岸警備隊に属する手練のニンジャだ。ここ最近ネオサイタマではニンジャ同士の衝突が多く、自然と強者の情報がニンジャ達の間で共有されつつある。彼女もそうしたネームド(名付き)の一人だ。モンキャットは内容を傭兵特有の注意深い目で見ると首を傾げた。「ニンジャネーム…?湾岸警備隊名義じゃない…?」

当事者であり風評被害を被るであろうネオカブキチョの町会やニチョーム自治会などからは類似の依頼が既に出回っているかもしれない。しかし、ニンジャとはいえ直接関係ない個人がこうした依頼を出すというのは珍しい。「何となく察してくれたと思うけど依頼人が少しクセモノなのよねぇ…。そのせいか来てくれるニンジャもいないらしくて相談されて、お仕事の紹介と思ってやってきてくれない?」

「なるほど…実質的な監視役ってワケだ…」モンキャットは目を細める。ニンジャネームを見る限り、彼女もまた狼めいた特徴を持つ可能性が高い。自作自演の依頼の可能性もあるのだ。「ダイジョーブ。あなたの実力も知ってるし、ダイアウルフ=サンはそれ以上の凄腕よ。それに相手が何であろうが、いざと言うときには駆けつけるわ。」

ネザークイーンはウインクしてサムズアップする。彼女のカンは実際良く当たる。「…わかりました。うけましょう!」モンキャットは笑って頷くとグラスの酒を一気に飲み込んだ。

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(一杯の恩と思って気軽に参加したけど…思ってより大変そうだなぁ…)モンキャットもズブのドサンシタではない。依頼主であるダイアウルフは勿論、同じビスを行うことになった2人のソウカイ・ニンジャもまたそれなりの手練であることを察知していた。高位ニンジャの例に漏れず戦局把握やニンジャ第六感に優れているであろうダイアウルフがこれだけの戦力が必要と察知しているのである。

「では、早速だがブリーフィングを開始させてもらう。依頼文でも軽く触れたが、君たちは『新歌舞伎町引き裂き殺人事件』について、どこまで知っているかな?」ダイアウルフの問いかけに3人は各々答えるが、大体は似たり寄ったり、報道されている範囲内の情報だ。「……なるほどな。正直なところ、私も君たちが知っている情報に毛が生えた程度しか知りえていないんだ。だが、私にとっては大問題でね」

そういうと、ダイアウルフは周囲の様子を見計らい、ウェイトレスなどが近くにいない事を確認してから…「私は『オオカミ・ニンジャクラン』のソウルの憑依者なんだ」そういって、ジャケットをまくり自分の右腕をヘンゲさせた。すぐさま右腕は固い皮膚と毛皮に覆われ、爪は鋭く硬質化する。ほんの数秒でそれは元に戻ったが、彼女のソウルの力を理解するには十分だった。

「なるほど、端的に言えば疑われているという訳か。」アイスヘッドは得心する。ダイアウルフも目尻を下げて頷いた。「……ニチョームはニンジャ緩衝地帯になっていることは君らも知っているだろう? ニチョームに近いここ、ネオカブキチョもその色が濃いし、何かあればニチョームのニンジャ・バウンサーたちに監視される」ニンジャ緩衝地帯。いわゆる『不戦の掟』にしたがって、ニチョームとネオカブキチョの一部では敵対組織どうしのニンジャが出会っても穏便に事を納めなければならないとされている。

「例の『切り裂き事件』が起きて以降、ニチョームのニンジャはかなりピリピリしてる。まぁ、無理もなかろうことだが……あきらかにN案件だからな」N案件。マッポなどの間で使われる、ニンジャの関与を意味する隠語である。ニンジャによる抗争や殺人自体はよくあることだがここまでハデに、なおかつニチョームで行うような愚か者はそうそういない。

「で……それだけならまだよかったが、どうもニチョームの連中は私を下手人の可能性があると思っているらしい。たしかに狼人間がどうの……と言われれば、わたしを疑うのもわからないはないがね。一度任意の『取り調べ』を受けたよ」ダイアウルフの顔が曇る。彼女もまた所謂職業殺人者と呼ばれる部類の存在だが、身に覚えがない殺人の容疑は心地よいものではないだろう。

「当然、私は犯人ではないし、『取り調べ』でもそう主張した。奴らも表向きは無罪ってことで私を返したが、まだ怪しんではいるようでね……カウンターの一番奥、見てみな」カウンターの一番奥の席には、さえない中年の男が一人、炙ったイカを肴にサケを煽っている。しかし注意深く見れば、男の右手小指はケジメされてサイバネ置換されており、腰にはこれ見よがしにチャカガン…それもコケシマートやその辺の露店で買えるものではなく高級なオノミチ・カスタムだ。

「ほぉ、オノミチ?珍しいものを使ってるな」会話を静観していたブラックゾーンが目を見開く。オノミチは実際最高級のチャカガンであり、ネオサイタマ中のヤクザの憧れの的だ。「ありゃ、ニチョーム自治会のバウンサーだよ。自治会はニンジャだけでなく、元ヤクザのバウンサーなんかを多く抱えてる。監視が下手なのは助かるが……こうもされちゃ、こっちも堪らないんでね」

ダイアウルフはため息をつく。「生憎、この店は馴染みだし他にいくつもりもない。なら、ひとつこの手で潔白を証明してやろうかと思ってね。だから、その調査を手伝ってもらうために君たちを雇う事にした、という訳だ」ダイアウルフは一呼吸つく。「……改めて依頼をしよう。作戦目標は『切り裂き殺人犯』の捕縛だ。殺してしまっては申し開きができないからな。で、報酬は一人当たり万札20枚。恐らく、N案件だから危険手当も払える限りは払う…どうだ? 受けてくれるか?」

「当然、俺たちはそのために来たんだ」「同じく、慌てず緩まず解決に尽力することを誓おう」まずブラックゾーンが力強く頷き、アイスヘッドも続いた。モンキャットも胸を張り応える。「何やらヤバそうですが、ここで見捨てるのは貴方の為、己の為、そしてフトコロの為にもならないね!このモンキャット、ご依頼お受けします!」ダイアウルフは3人の答えに満足げに頷いた。

◆事件捜査

「いい返事だ。ありがたい。では、早速捜査に入りたいところだが……無策、というわけにもいかないだろう。ゴシップ誌の切り抜き程度だが、比較的信ぴょう性の高そうな記事をスクラップしてきた。参考にしてくれ」3人はダイアウルフが手渡したスクラップノートを回し読みする。知ってる情報も多かったが改めての情報確認だ。

今回の四件の事件は全て今月中かつネオカブキチョ内で起こっており、犯行時刻は主に夜、死亡推定時刻は発見から1時間経っていないこと。いずれも遺体が大型獣に引き裂かれたような状態であったことや、生存者が『狼人間にやられた』と証言したことなどがセンセーショナルに報道されていること。被害者の素性はサラリマン、無職、ゲイマイコと風俗ライター、大学生カップルなど様々なこと。ダイアウルフのメモによると、ニチョーム自警団がネオカブキチョ町会と協力し、捜査に当たっているらしいこと。

「この死んだ奴らのうちダイダイ商事のサラリマンと風俗ライターがそれぞれソウカイヤの元協力者だったわけだ。さして重要度は高くないらしいがな」アイスヘッドは無感動に言う。同じソウカイヤ関係者ではあるが強い繋がりがある訳でもない。あくまで彼の信条は冷静さだ。「だがこの記事を見る限り、ランダムの襲撃にたまたま選ばれた可能性の方が高いな。第六感もそう言っている。まぁケジメは逃さぬがな」

アイスヘッドは冷酷さと容赦なさを隠そうともしないヤクザの声色だ。「残虐極まりないが、同時に何とも混沌とした事件だな。まぁネオサイタマらしいが」ブラックゾーンが記事を拾い読みしながら眉根を寄せて呟く。「そうだな。だがモータルの目撃者が残っているあたり、プロフェショナル傭兵の可能性は低いな。ニンジャだとしても野良か?にしては尻尾が掴まれてない…」アイスヘッドは呟きながら考え込む仕草。

「では、おおよそ資料も読み終えたことだろうしどこから始める?」ダイアウルフの言葉にモンキャットが首を傾げながら応えた。「やっぱり文章だけでは細部はわかりないですね。現地に行って一度調査すべきでしょう。少々ニチョームの方々に怪しまれるかもしれませんが… まぁボクは顔を覚えられてますからある程度の交渉はできますよ」ソウカイヤの二人も異論ナシのジェスチャー。「私も賛成だ。ではまずは事件現場の検証から行こう。」ダイアウルフが頷く。方針決定だ。

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ニンジャ達は、一番近い第1の事件の現場に訪れた。ロドリゲスと言う洋食屋の裏……だが、路地と言うよりはほとんど雑居ビルなどの隙間のわずかな空きスペースと言った風だ。「……ここが第一の事件が起きた場所だ。もうだいたいの証拠はマッポやデッカーが持っていったと思うが、何かしら聞き込み程度ならできないものかな」

四人は揃って洋食屋から流れる素晴らしい料理の匂いを堪能したあと(ダイアウルフにいたってはヨダレすら垂らしかけた)いよいよ事件現場に突入した。しかし事件現場はすでに血や遺留品までも排除され、マッポやニチョームのバウンサーたちによってあらかた調べつくされており、時間がたっていることもあって特段の証拠などは残っていない。

現場にニンジャソウルの残留があるか調べたいという場合はニューロン+ジツUHで判定させる。

ブラックゾーン ニンジャソウル反応検知4,6,5,1,1,、成功

ニンジャソウルの痕跡を感知していたブラックゾーンも首を横に振る。「おそらく捜査に来たニチョームの連中だな。複数の痕跡が入り混じっていやがる。おまけにそれらも微かで追跡困難。ここから探るのはほぼ無理筋だな。」いきなり出鼻を挫かれた形であるがダイアウルフは意外にも平気な顔をしていた。「まぁ仕方ない。戦場でもプラン通り行くことは稀だ。では次はどうする?」

四人は顔を見合わせる。考えられる行程はいくつかある。まずこの場に残って聞き込みを続けること、事件現場近くの監視カメラをハッキングしてみること、そして事件の生存者にインタビューすることなどだ。「手分けするべきだろうな。一箇所に全員で当たるのはそれこそ非効率的だ。」アイスヘッドが淡々と告げた。3人も異論なく頷く。

一分ほどの議論の末、この場での聞き込みはホームレス出身で下層民との繋がりが多いブラックゾーン、監視カメラのハッキングは生体LAN端子を持つアイスヘッド、生存者の女学生への聞き込みは見た目年齢の近いモンキャットと社会的信頼のあるダイアウルフが向かうこととなった。ニンジャ達はそれぞれの役目を記憶するとブラックゾーンを残して散じた。

色付きの風がモータルに知覚もさせずビルの屋上を駆け巡るのを見届けてからブラックゾーンは聞き込みを開始した。普段から複雑怪奇な地下水道を出入りし、そこの殊更に奇怪な住民達を相手に取るブラックゾーンにとって、見知らぬ土地でのインタビューはむしろ得意な条件であった。

難易度NORMAL程度で交渉判定をさせても良い。
ブラックゾーン、交渉判定4,2,4,6,3,4,1,成功

一分後!ブラックゾーンは件の洋食屋の店内で店主とカウンターを囲んで会話していた!「ウチの裏で殺人とかさァ、勘弁してほしいんだよね。猟奇殺人でしょ?客足も遠のいちゃって困ってんのよ。人の出入り?いやあ?たまに暴れる酔っ払いをボコって転がしとくことぐらいはあるけどさあ、基本的に裏のとこなんて誰も入ってこないよ。俺もゴミ捨てるときぐらいだし」

「なるほどな、もぐもぐ。続けてくれ。」ブラックゾーンはステーキ定食をかき込みながら話を促す。客のテイで懐に潜入し、営業の不審を引き合いに出しながらの駆け引き戦略で証言を聞き出す作戦だ。もちろん素晴らしい料理の匂いに小腹が空いたことも事実である。「入ってくるのはゴミの回収に来る業者と……ホームレスかなァ。ほら、残飯とか漁りにくんのよ」「まぁこれだけ美味しければな」

(フーム、やはり大したことは知らないか。いや残飯漁りのホームレスの中に下手人が混じっている可能性も…)「ゴチソサマ」「あいよ、また来てね」ブラックゾーンは綺麗に食べ尽くされたステーキの皿と置いた飯代を後に足早に店を出る。その後、周囲を周りさらに聞き込みをしたものの出てくる証言は店主のものと大同小異であった。(ここは手詰まりだな、他の皆は上手く行ってるだろうか…?)ブラックゾーンは不安げに顔を曇らせた。

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同時刻!アイスヘッドはニチョーム中の監視カメラの間を飛び回り、自身の生体LAN端子を差してデータを吸い上げていた。幸い、ハッキングでアクセスできる程度のセキュリティ下にデータは置かれているようだ。

ハッキング判定HARDを行う。
アイスヘッド、ハッキング6,1,5,6,3,6,3,6成功

やがてデータを収集し終えたアイスヘッドはシークレット・レンタル電算室を借りるとディスプレイに映像を映し出し犯行が行われた日付前後の録画データを重点的に確認した。(だが犯人に直接つながるような映像があるなら、とっくにマッポやデッカーが犯人をあげているだろうよ……望みは薄いかもしれないな…)そう思いきや、アイスヘッドは怪しい人物が『すべての映像』に移りこんでいるのに気づいた。

「これは…?」同じ服装をした……おそらくホームレスめいた男で、どの映像でも具合が悪そうにふらふらと千鳥足めいて歩いているため多少目立っている。「なるほどホームレスなどはネオカブキチョに多い。ある意味ではそういうのを見慣れているニチョームの者たちは不審に思わなかったのだろうな、しかし…」アイスヘッドは自身のニンジャ第六感の冴えを感じる。

「やはりこの男、怪しいな……すべての犯行現場の近くに、犯行時刻近くにいるとは……」少なくとも有用そうな情報は手に入った。アイスヘッドは頷くとスタッフルームの裏口をこじ開けて、しめやかにレンタル電算室を抜け出した。

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同時刻!ダイアウルフとモンキャットは事件唯一の生存者、カナモト・コミチをインタビューすべくネオサイタマ中央病院を訪れていた。ネオサイタマ中央病院は、カスミガセキ・ジグラットにもほど近い治安のよいカチグミ・エリアに存在するネオサイタマ医療の中心地だ。そこに収容されているという事はコミチはそれなりに良い所の子女なのだろう。とはいえ、別段VIPルームなどに収容されているわけでもない。

実際湾岸警備隊の上級隊員証の提示で十分なようで、ナースは二人にミコチが入院している部屋を教えてくれた。「へぇー、やっぱりある程度社会的信用があるって便利ですねぇ」「そうだろう?お前も入隊するか?歓迎するぞ」二人はそんなやりとりをしつつ廊下を進み件の部屋に到着した。静かに扉をあけ中にエントリーすると包帯が痛々しい女性がベッドの上から見知らぬ二人に怪しげに目を向ける。

「あ……えっと、あなた達は……?」その言葉にモンキャットは懐から名刺を取り出して手渡しながらモータルネームでアイサツした。「ドーモ、エンビョウです。」名刺には「傭兵」「バウンサー」「実際良心的」とある。「まぁ何でも屋ですよ。こちらは湾岸警備隊の方です。」ダイアウルフもオジギし名刺を手渡す。コミチの警戒が多少解かれた。

「……故あって事件のことを調べている。ちょっと聞きたいことがあってね。話せるか?」ダイアウルフは気遣うような口調で、コミチに話しかける。「……マッポや、デッカーさんたちに既にお話はしましたけど……一体、わたしから何を聞きたいのですか?」コミチは少しうんざりしたように、だが、答えてはくれるようだ。

(……コミチ=サンからダイアウルフ=サンへの反応はなし…と。)モンキャットは心の中で呟く。洋食屋のステーキの匂いに目を輝かせるなど、ダイアウルフも冷酷なマシーンではない。しかしある程度のフレンドリーさを見せるその瞳の奥に輝く無慈悲な猟犬の気配をモンキャットのニンジャ感知力は確かに捉えていた。注意深く観察しておくことに越したことはないだろう。

コミチは途切れ途切れになりながらも大体の事件のあらましを教えてくれた。「午前0時…くらいかな?…ネオカブキチョのクラブからの帰りで遅くなったので近道を使用と路地に入ったところを襲われんです。彼氏のカンダが路地の暗闇から飛び掛かってきた…何者かに…組み伏せられて、噛みつかれて…それで」コミチは思わず涙ぐむ。「…辛い話を何度もさせて申し訳ありません。お嫌ならこれ以上は…」モンキャットの言葉に無言で首を振りコミチは話を続けた。

「いえ、ここまできたら最後まで…恐怖のあまり、その場に尻もちをついた自分に、さらにソイツは飛び掛かってきました。カタナやナイフといったものは持っておらず、素手だったと思うんですけど…実際は腹を切り裂かれらしいんです。…あっ、そういえば、服装はホームレスのように見えました。」「ホームレス?」「それもそうですが…彼女記憶が…?」ダイアウルフはモンキャットと顔を見合わせた。ホームレスというのも気がかりだが、何より不思議なのは記憶が案外はっきりしているという点だ。

通常、ニンジャに襲われたモータルはNRS(ニンジャ・リアリティ・ショック)を受け記憶が混濁する。ここまで詳しい証言が出るのは無いわけではないが極めて珍しい。N案件の確率が高いにしては不自然だ。二人は新たな疑問を抱きながらもコミチに礼を言いその場を離れた。一度情報を吟味してみる必要性がありそうだ。
 
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ダイアウルフとモンキャットはソウカイヤの二人と合流する前に、更なる調査として集合場所のニチョーム周辺でも聞き込みをしていくことにした。ニチョームは歓楽街で、本来はネオカブキチョの一部だが、ザクロを筆頭とするストリートニンジャの自警団が納めている。とはいえヤクザのようにケツモチやアガリを求めたりせず、奥ゆかしくニンジャとモータルが共存しており、『不戦の掟』というルールを公布し各組織公認の元、施行している。

ダイアウルフは疑われている自分が彷徨くのはあまりよくないだろう、と近くの店で待機している。監視はされているだろうが多少はマシだろう。モンキャットが周囲で聞き込みをしているとセーラー服姿の少女が歩み寄ってきた。ニンジャだ。「ドーモ、ヤモト・コキです」

「ドーモ、ヤモト=サン。モンキャットです。」モンキャットは頭を下げる。ヤモトは自警団のニンジャだ。モンキャットはザクロの知り合いとして、ヤモトを初めとするニチョームのニンジャ達とは多少の面識がある。「話は聞いています。ダイアウルフ=サンが自身の潔白を証明するために独自に事件を捜査しているとか」

「おお、なら話が早いね!ボクも調査に参加しててね。何か話せる情報とか…ないかな?」ヤモトは少し考えてから話しはじめた。「……ニチョームとしては、ダイアウルフ=サンは黒ではなく灰で……あくまで、ニチョームはかろうじて均衡の上で成り立っている街だから……どうしても、センセーショナルに報道されている以上は厳しく対応せざるを得ない……です」

どこか、もともと覚えていた文章を読み上げているような感じがする。モンキャットは交流があるとはいえあくまで外様、あまり情報を渡さないということだろうか?しかし交渉の余地はありそうだ。

PCたちが情報を聞き出そうとしたばあい交渉判定NORMALを行う。成功した場合以下の情報を読み上げる
モンキャット、ワザマエ3,2,6,5,4,5,3,成功

「そこを何とか!ボクの見る限りダイアウルフ=サンが嘘を言っているとは思えない。これ以上の犠牲者を出さないためには、ヤモト=サンの力が必要なんです!」モンキャットはアニメ・ショップや酒場で鍛え上げた懇願の声色でヤモトを追い落としにかかる!「ううん……」交渉成功か同情か?ヤモトは少し悩みながらも、奥に引っ込み、一枚の写真を持ってきた。

「これ、最初の事件で亡くなった方が握ってたモチヤッコの缶バッジの写真です。結構貴重な物らしくて、もしかしたらこういうのでなにかわかるかなって思ったんですけど、今のところ聞き込みではなにも……」
モチヤッコは人気キャラクターであり、もちもちしたヤッコみたいなやつだが色んな限定パターンがありコレクターもいる。

週刊誌にも残留品の一つとして白黒で写真が載っていたが、これは高精細でおそらくマッポなどの現場検証写真などを横流ししてもらったものか何かだろう。これほどはっきりしていれば、何かの役にはたつかもしれない。「フム…確かに気になるなぁ。ありがとう!今度是非何か奢らせてよ!」モンキャットは人懐っこい笑顔でヤモトの手を掴み振った。

「アッ…ドウイタシマシテ…」ヤモトも油断ならない手練、本来ならば捜査に協力してもらいたいがこれ以上迷惑をかけるわけにもいくまい。恥ずかしげに顔を赤らめたヤモトとはその場で別れ、モンキャットはモチヤッコ缶バッジの写真を手に入れた。しかしいつのまにか大分時間が経っていたらしい。ダイアウルフと合流するころにはいつの間にやらニチョームの曇天の空は暗みを増していた。

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「なるほど、割合色々集まったな」ニチョームの路地裏ベンチに集合した四人はそれぞれの情報を交換する。「手分けして見回った3箇所全部でホームレス風の男の目撃情報…コイツがクロ、もしくはそれに近しい存在なのは間違いないな」アイスヘッドはコメカミに手を当てて呟き、ダイアウルフも頷く。「ネオカブキチョ近辺のホームレスのたまり場というと『北公園』にホームレス村がある。私も一度湾岸警備隊で炊き出しをやったことがあるから行ったことがあるよ」

「そこにインタビューだろうな。俺も元ホームレスだから奴らの流儀勝手はある程度わかる。限定品のモチヤッコ缶バッジなんて持ってたやつがいれば、誰かにそれを自慢するか嗅ぎつけられるかしているのが相場だ。」ブラックゾーンはヤモトから譲り受けた写真を眺めて話す。ダイアウルフも頷くが言葉を続ける。「とはいえ……今日はもう遅いな。調査はいったん切り上げて、明日改めてホームレス村を訪れてみることにするか……」

「もう夜の9時を回ってるしね。今からホームレス村を訪れても、向こうも煙たがり心を閉ざされるかも。ボクも賛成です」モンキャットの同意にソウカイヤの二人も追従した。「では、今日はこの辺で解散とする。また明日正午に『犬と砲声』で……」ダイアウルフが、そう切り出した時だった。

あなた達は全員ニューロンNORMAL判定を行う。
この判定に失敗した場合、正体不明の存在からアンブッシュを受け1点のダメージを受ける

ニューロン判定normal 
ダイアウルフ 4,6,5,3,2,2成功
ブラックゾーン 2,4,2,4,6,成功
アイスヘッド 5,2,6,2,3,5,5成功
モンキャット 5,6,4,1成功

「…ッ、上だ!」「GYAAAOOOON!!」アイスヘッドの警告とほぼ同時、鋭い声と共に何者かが闇を切り裂き降下!ニンジャたちに恐るべき爪攻撃を繰り出した!「「「「イヤーッ!!」」」」四人は側転してその場から散開!襲撃者は虚空を切り裂きながら獣じみて着地!「なッ……!?」「いきなし!?」ニンジャ達は、突如アンブッシュを仕掛けてきた存在に向けてカラテを構える!

「GRRRRRRRR!!!」獣めいた唸り声をあげるそれは……ホームレスめいたボロボロの衣服を着た男だった。目はらんらんと輝き、ぼたぼたとよだれを垂らす姿は明らかに尋常の精神状態ではない!そして肉体をバネめいて畳み込むと鋭い目に殺意をみなぎらせた!「来るぞ!!!」「ウガアアアアアァァァッ!!!!」つぎの瞬間、男はすさまじい速さで躍りかかってきた!

戦闘開始

◆ホームレスの男 (種別:モータル/ボス級の敵)
カラテ    5  体力   8
ニューロン  1  精神力  1
ワザマエ   2  脚力   3/N
ジツ     0  万札   1

◇装備や特記事項
◉痛覚遮断

イニシアチブ アイスヘッド→モンキャット5→ダイアウルフ2→ブラックゾーン

1ターン目

アイスヘッドカラテ 5,3,3,5/,2,5,6  男回避2/,1 残り体力6
モンキャット オボロゲ5,2,6,4,/3,6,1,  男回避1,/3 残り体力4
ダイアウルフ カラテ3,5,5,3,1/,3,3,1,3,5 男回避3, 残り体力2
ブラックゾーン フェイント斬撃2,3,6,6/,4,4,5, 男の体力0撃破

男は最も手近なアイスヘッドへと跳び込む!「フム、嗅ぎ回っていたことに気づかれたのか?イヤーッ!」アイスヘッドは小首を傾げた一瞬後、決断的迎撃トビゲリ!「GAA!!」だが何たる獣じみた機動力!男は体を逸らしてニンジャの攻撃を回避「イヤーッ!」「GYAA!?」できない!完全に避ける体勢に入った男に脚部サイバネのロケット噴射で軌道修正された回し蹴り!男はくの字に吹き飛び肉体が裂かれる!

「GYAAoo……」「フン、多少は動けるようだが今ので完全に…ム?」ナムサン!?ふらついて着地した男の傷がシュウシュウを音を立てて塞がっていく!コワイ!「……生半可な攻撃ではダメだ!一斉攻撃で一気に削る!」ダイアウルフの掛け声でニンジャ達は一斉に殺到!「這いつくばりな、豚野郎!!」モンキャットは先ほどまでと打って変わって残虐な表情からの容赦ない鞭打連撃!「アバーッ!?」獣人が痛めつけられ、ムチで拘束される!

「「イヤーッ!」」「アバGYAAAA!?」さらにそこにブラックゾーンのダガー連続刺突、ダイアウルフのマーシャルアーツキックがクリーンヒット!さらにアイスヘッドがトドメに飛び込むが…「GYAGOO!!」男はカッティングボードの上のロブスターめいて跳ね飛んで拘束脱出!アイスヘッドの頭上を飛び越えると、全身から煙を噴き上げながらビルの谷間の闇へと吸い込まれ消えていった。

戦闘終了

万札1ゲット

「い、今のが犯人…なのか?」ブラックゾーンはカラテを解き呆然とする。「……なるほど、人狼か……あの様子では確かに、な。しかしあれは……ニンジャなのか?」ダイアウルフが口に出した懸念はその場のニンジャ全員が抱いていたものだった。……あの男からはニンジャソウルは感じなかった。それなのに、ニンジャに匹敵する身体能力を持ち……特に異常なタフネスを誇っていた。

「バイオサイバネかサイバネか、その類の可能性もあるけど…」「ホームレスにそんな金あるわけがない。なによりあの異常な速度の再生の説明がつかんんぞ。」モンキャットの呟きにアイスヘッドがすかさず意見し、続ける。「となれば一番可能性が高いのはニンジャのジツの可能性だ。エンハンスだのグール・ジツだのその手の記録はいくつか聞く。あれはジツで強化されたモータルといったところだろうよ。」

ダイアウルフはシリアスに頷いた。「となればやはり…N案件か…」モンキャットの目に納得の光が灯る。「そうなるとあの人は下手人の可能性が高いが黒幕ではない、真の犯人はジツをかけたニンジャ…という構図になるね…」「まぁヤツが犯人にせよ、その操り人形にせよ、明日は真っ先にホームレス達にインタビューだな。」ブラックゾーンの言葉を合図に四人のニンジャは頷き合い解散した。明日も戦闘になる可能性は高い。ニンジャ達は早くにアジトへ戻り諸々の準備を進めに急いだ。

【デッドリー・プレデターズ・イン・ザ・ダーク・コンクリート・ジャングル】前半終わり、後半に続く。


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