食の相性と理解

パートナーとは食の相性が一番大切…かもしれないというおはなし。

元カレとのやりとりを長々と。

誰得?な日記ではあるが、何かの参考にしてください。


わたしは食事をよく食べる方だが、いつも通り食べられると思っていてもたまに食べきれずに残してしまうことがある。空腹では食べられるものの、味が合わない等の理由があって食べられなくなる。好き嫌いは多少あるが、味が濃すぎるものや特に脂っこいものはすぐに頭痛がしてダメだ。

元カレAにはよく叱られていて、気をつけてはいたが初めて行く店では無難なメニューでも緊張してしまうようになった。元カレBと付き合い、このことを相談すると「残しても俺が食べたるから!」と云ってくれ、ほっとした。

Bは所謂、家系ラーメン(?)が好きでよく昼食に出かけた。わたしはあっさりしたラーメンが好きだが、たまにならと思って食べる。どろどろスープと太麺…半分まではおいしいのだけど、半分以上はもう食べられない。残してもBは喜んで食べてくれた。(ちなみにわたしは好きなラーメンだと替え玉できるくらいの胃袋)


わたしが体力仕事に転職してすぐの頃、どうしても焼肉が食べたくなりBに今夜は焼肉を食べに行きたい!と連絡を入れた。以前一緒に行ったハラミがおいしい焼肉店に行きたかったが「サムギョプサルの店が気になってて、そこでも良い?人気らしいから予約しとくわ」と云うので任せた。わたしはあまり料理に詳しくなく、サムギョプサルを知らず"韓国焼肉"と聞いて、辛いのかな?なんて思いながら勝手にプルコギのようなものと勘違いしていた。

いざ店に入り、副菜付きの食べ放題コースを注文。まず副菜が来て、キムチやナムル、チヂミ等おいしくいただいた。肉を焼く石が温められ、運ばれて来たものはなんと2/3が脂の分厚い豚肉!?わたしが肉の脂身が苦手ということはBには伝えているはずだが…(焼肉では牛タンと牛ハラミしか食べない。豚トロが一番苦手)

長さ20cm程の肉塊を何枚も焼き、おいしそうに食べるB。わたしはというと少し食べてはナムルに逃げ、サンチュで包んでなんとか食べてはみたものの案の定、肉の脂で頭痛がしてきた。肉を食べはじめて15分も経っていないのに、豚肉1切れ半でついに箸が止まってしまった…「おいしくないん?」と聞くBに「ちょっと脂がすごくて…」と返し、気分が悪くなりトイレへ。そこで少し吐いてしまう。どうしよう、もう帰りたい。おいしい焼肉が食べたかったのに、こんなはずでは…そう思いながら席へ戻り、少しずつ副菜を摘まんで誤魔化した。わたしの様子を見て、明らかにテンションが下がるB。「楽しくないん?」と聞かれるが「お肉の脂で調子悪くなっちゃって…」と伝えるが心配はしてくれない様子。気まずい雰囲気、ごめんねと謝ってみるが黙って不機嫌になるB。ナンデヤネン。

楽しい話題を振っても反応がないB。いい加減わたしもイライラし、Bが食べ終わったので帰宅することに。店を出て「なんでBちゃんが不機嫌になるの?」と問いただすと「俺はただ楽しんでもらおうと思ったのに…俺が選んだ店が悪くてごめん」と云うのだ。気の所為か後半が少し、嫌味に聞こえた。

この件はまぁお互いきっと本心ではない話し合いでとりあえず仲直りをしたのだが、この『楽しませたい・喜んでもらいたい』という気持ちがBは強かった。しかし実際のところそれは『やってあげてる俺が好き』だったのだ。相手の喜ぶことがどういったものかを考えず、自分の気持ちを押し付けるのが…今思えば、とにかくうざったかった。

ある晩、Bが夕飯を作ってくれることになった。「手料理、食べてもらうん好きやねん」と云う。献立は鰤の塩焼きとほうれん草のお浸し、味噌汁といったシンプルなものだった。ありがとう、いただきます、と食べはじめるが鰤の生臭さがすごい。白米と味噌汁で流し込むも味噌汁が濃くて喉が渇く。箸休めにお浸しを食べてみると刺身醤油の味しかしない。それでもBの性格を知っているわたしは何も云わない。云うとまた不機嫌になるのだ。おなかがすいていると云った所為で、たくさん盛り付けられている…しかしすぐにわかった、半分も食べられやしない。味が濃いのでお茶ばかり飲んでしまう。

「もうおなかいっぱいだから、あとは明日の朝ごはんにするね。おいしかったよ、ごちそうさまでした」と云うと不機嫌になるB。ナンッデヤネン。

「なんで残すん?腹減ってんねやろ」と。「うん、でももうおなかいっぱいになった」と云えば「人が作ったもん残すなんて信じられへん」等と怒り出すので「捨てるわけじゃないよ、また明日食べるってば」と申し訳なさそうにしたが内心、こんなレベルの料理で偉そうにするなと吐き捨てた。

よく聞くと『出されたものはなんでも全部食べるのが当然だと思ってたから常識を疑う』とのこと。わたしの実家は食卓に品数や量を多く出しても、食べきれない分は翌日のお弁当や夕飯に回すのが普通だった。色々と口うるさかった元カレAも、家で残す分には「また明日に」と云っていたし、わたしはおかしなことではないと思っていた。

実家のことを伝えたって、Bが常識を疑うとまで云うのだからたまらず料理に口出ししつしまう。「鰤の下処理した?お浸しってこれ刺身醤油じゃん…お味噌も濃かったよ」と云ってみると「下処理って何?別に全部、味濃くないし」と云い出す始末。「塩揉みしたり、酒や熱湯をかけて魚の臭みを取るんだよ。照り焼きじゃなくて塩焼きにするなら尚更、下処理は大事」「薄味が好きなわたしにはどれも濃かったから全部は食べきれん。でも今無理して全部食べるより、明日の朝またおいしく食べたいと思って残した…捨てるわけじゃないのに」と説明しても『出されたものを残すなんて』というところに固執し続けた。

これもまぁお互いきっと本心じゃない話し合いでとりあえず仲直りをした。以前、Bの翌日の夕飯にと作り置きをして帰り、翌週まだ冷蔵庫に忘れられていたものをわたしが黙って捨てたこともあるのになんて都合の良い。


店選びや手料理以外にもBは『してあげたい』をしてくれたが、わたしがBの理想通りに応えられなければわたしが悪いことにされる。『喜ばそうとしてくれたことは勿論嬉しいよ。でもこれで全てを喜んでしまえば、今後それがわたしの好みとして扱われることになるから、きちんと伝えるようにしてるんだよ』と云っても理解はされなかった。

Bは、"目的の為の手段"ではなく"手段そのものが目的"の人だった。


食の相性というよりそもそもの性格が合わなかっただけなのだろうが、Bとの食関係で最も理解できなかったことを最後に綴る。

おやつが大好きなわたしに比べ、Bはほとんど何も食べない。ある日の夕方、B宅に備蓄しているわたしのおやつをおなかがすいたから食べると云うとBは突然「飯の前におやつ食うな!」と怒り出した。まだ2時間くらいあるけど…と面食らっていると「俺は飯の前におやつ食うのが一番許されへん。にゃもちゃんがポイ捨て許さへんて云うんと同じや!!」と続けて怒られる。え?これ犯罪なの??と戸惑うわたし。

結局のところ、Bはご飯を残さず食べる為に間食をしないということなのかもしれないし、それは間違っていないと納得できたが…犯罪と同等に扱うことがモヤモヤした出来事であった。


※主観なのでBを悪く書いてしまったが、わたし自身、素で話すことを面倒に感じて建前で接していたのが良くなかったと思います。


おしまい。


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