銀魂 THE FINALを観て「執念」と「愛」を感じた話

うっす〜いネタバレあります。

やっぱり流行には乗らないとなと思いまして、見に行きました、鬼◯の刃。
とても良かったです。特に煉獄さんが親指を立てて溶鉱炉に沈んでいく場面は涙がちょちょぎれました。

嘘です。こっちでした。あと別にパロディ方面でも煉獄さんは出てきません。念のため。

週刊連載では終われず、ジャンプGIGAでも終われず、公式アプリ内でようやく完結させるという、最後の最後まで醜態を晒し続けた「銀魂」。そんな原作の最終巻をアニメ化したのが今回の作品。

観た率直な感想は「スタッフさんすげえ」だった。
登場キャラも、専門用語も盛りだくさんという原作終盤のエピソードを2時間弱にぶち込むという荒業を見事に成し遂げていた、しかもご丁寧に「これまでのあらすじ」を添えて。ここまでやれたのはひとえにスタッフさんの愛…というか「ぜってえこれで終わらせる」という狂気じみた執念の賜物だと思う。

そして内容については、原作者である空知先生の、自分のキャラへの愛の深さを感じた。銀魂の特徴として、メインを張るキャラはできる限りその過去が掘り下げられ、見せ場が与えられる。よく「銀魂はキャラ人気で持ってる漫画」という意見を見るが、実際のところキャラクターの掘り下げの深さが長期連載に繋がったのだから、あながち間違いではない。

それ故に時に話のテンポが阻害されたり、間延びしているような感覚に陥ったりすることも正直あった。でもそれでも空知先生は描き続けた。描いて、描いて、遂に全員を「救いのある結末」へと導いた。万事屋、真選組、攘夷志士、鬼兵隊、そしてラスボスとなった松陽先生も救ってみせたのだ。おかげで散々かき回してくれた割にはすごく綺麗に着地したなと思う。

そんな、愛と執念が詰まった物語を締め括ったエンディングテーマの映像、これが個人的にめちゃくちゃグッときた。おそらくテレビシリーズのED曲の映像をオマージュ的に取り入れた演出。銀魂の主題歌はとにかく名曲が多く、自分の音楽遍歴に間違いなく影響を与えているので、最後に思わぬところからボディーブローをくらったような気持ちになった。効いたぜこれは…

今回の映画で、改めて銀魂にハマっていた頃の自分を思い出した。銀魂に出会ったのが中2の頃だからもう10年…10年!?
と…とにかく離れていた時期もあったけど、こうやって終わりを見届けられたのは少し寂しいけど嬉しくもある。
正直これ以上終わる終わる詐欺をやられてもくどいので、いい加減これでゆっくり休んでほしいけど、また忘れた頃に馬鹿騒ぎしてくれないかなと、少しだけ期待しているのも事実。

本当にありがとう。銀魂は永久に不潔です。

挿入歌となったDOES「道楽心情」のレビューをこちらでしています。よければどうぞ↓

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