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一口エッセイ:ウルトラ怪獣モンスターファームと、モンスターファーム2に捧げた僕の人生


 『ウルトラ怪獣モンスターファーム』が発売しました。僕の大好きなモンスターファームとウルトラ怪獣が合体した、夢のような一作。本当に、こんな嬉しいことがあっていいのでしょうか?
 システム的には基本はモンスターファーム2を踏襲しつつ、エッセンスとしてウルトラマンが混じった世界観。もう何もかもが百点満点。モンスターと違って怪獣はスケールがデカいので、日常会話すら圧があるアングルで面白い。不意にウルトラマンゼロまで出てきてくれて、まるで子供みたいに目を輝かせてしまった。嬉しすぎる……。


 思えば、僕の小学生時代は『モンスターファーム2』『テリーのワンダーランド』『サガ・フロンティア』のおかげで成立していたと言っても過言ではない。ろくに学校に通わず教科書も開かなかった僕にとって、「算数」の概念を理解する術はゲームにしかなかった。まずは、ゲームボーイのテリーのワンダーランドのおかげで、配合システムによる「組み合わせ」を覚え、そしてモンスターファーム2で時間や戦闘の「管理」を覚えた。最後に、それらの応用をサガ・フロンティアに活かした。この三作を通して、ゲームというか「遊び」を満喫するために必要な要素を覚えていったわけです。
 特に、モンスターファーム2は最重要でした。まず、目に見えないステータスも数多く存在し、数値の増減も頭に入れなければならない。ドラクエやFFのようにレベルとともに上昇するわけではないのですね。さらに、モンスターには寿命があるため、限られた期間の中でいかにムダなく行動できるか「効率」を知る必要がある。謎解き要素こそ無いものの、けっしてガムシャラにプレイしてクリアできる難易度ではない。というか、小学生がプレイするには重すぎるほど難しい。この複雑さは僕に多くの思考回路を組み込んだ。
 そのため、たくさんの攻略本を買いました。どのCDからどんなモンスターが誕生するかの図鑑すら買った。数冊の攻略本を片手に、次々と「効率」を学んでいく様は、皮肉なことに教科書以上に、にゃるら少年へ知恵をもたらした。学校の勉強以上に確実な恩恵があったのである。テストと違って「ゲームクリア」という遠い目標があった分、もしかしたら通学している同級生より本を眺めた時間は長かったかもしれない。それほどモンファー2に半生を捧げたのです。
 いまこうしてある程度の効率的な動きができるのも、そもそも自分がゲームなんて複雑な概念の常識を覚えてクリエイターになれたのも、すべてモンスターファーム2にハマった結果。ヘンガーが、コルトがいなければ、コミュニケーションできたかも怪しいレベルの大人になっていた。そんなゲームの新作が、大好きなウルトラ怪獣とコラボしたのだ。これほど嬉しいことはない。繰り返しになりますが、本当に夢の中に居る心地です。ありがとう、僕はいま、とてつもない幸福に包まれております。

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