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にゃるらが良いと思った曲2023年5月

↑前回の。

 なんか今回は特にテクノ多め。

・The  Camera/カール・バルトス

 元クラフトワークのカール・バルトスのアルバム。
 曲単体として大好きですが、この曲の趣は、クラフトワークから独立してなお、『The Camera』なるシンプルなタイトルと題材でテクノをやっていることでしょう。
 クラフトワーク時代から、ロボットとか電卓とか、「機器のシンプルさ」が好きすぎる! このアルバムはジャケットまでシンプルだ。そのうえで、クラフトワークの曲からちょっとだけ色気がでている。この変化に独立の意味がある。
 いい……。本当に頭の隅から隅までテクノな人間の一曲だと感じます。こうありたいものだ。

・ヴィデオ・ボーイ/ムーンライダーズ

 YMO時代のテクノ系バンド。YMOよりはもっとボーカル寄りだけれども、あの時代特有の電子へ夢見た曲作りのニューウェーブな感覚が共通していおり、ゲーム内のようなSEが小気味良い。
 初期のシンセサイザーらしい素直なサウンドも魅力。タイトル通り、ビデオゲームがテーマですが、注目すべきはその歌詞。ゲーム小僧ののめり込みを肯定も否定もしない。なんというか、そのままテレビにかじりつくキッズのゲーム中毒をそのまま書いている。「四角の箱の中の夢」というフレーズがいい。そう、ゲームには夢があり、ゲーム内のデジタルなピコピコ音はテクノだ。
 四角い箱の中に夢を感じて電波中毒になるのは、ブラウン管からスマートフォンになっただけで、今も昔もかわりはしない。

・Whip It/ディーヴォ

 YMOが、なにかのインタビューで「先にテクノをやっていたのはクラフトワークとディーヴォ、僕らは三番目」と答えていたので、ずっとディーヴォのことは気になっていたものの、満を持してようやく聴き始めた。「もう絶対好きだろうな」と確信していたのでタイミングを伺っていたのだ。
 感想としては……大好き!!! なんだこのサムネ。良すぎるだろ! 電子のサウンドとユーモアの融合。ああ、まずクラフトワークとディーヴォがあってYMOにつながるんだなと、聴いてすぐ理解できる。このちょっと間の抜けて親近感を覚えてしまうのに、自分なんかと比べ物にならないカッコよさとセンス。良い……。
 悲しいかな、ディーヴォまで聴いてしまったら、それこそ僕がテクノの源流を辿る旅が終わってしまう。ポジティブに考えれば、次は現代へと進んでいくのか。それもまた良しだな(前向き)。

・クロニック・ラヴ/中谷美紀

 やくしまるえつこ + 砂原良徳のカヴァーの方で聴いたことがある人も多いのではないでしょうか。有名ドラマの主題歌ですが、99年の作品なので僕らはそっちでは馴染みがないかも。『ケイゾク』ですね。
 作曲は坂本龍一。この曲、90年代後半だからか、坂本龍一なのに途中から小室サウンドっぽくなるんですよね。無意識か意識してか、そもそもそういう時代かはわかりませんが。ギターにSUGIZOが参加しているので、いつもの坂本龍一とは聴き心地が違うせいもあるかもしれません。
 個人的には、この変化が大アリで、こういうのも……いいね! と手放しで絶賛。前半のザ・坂本龍一な静けさも堪能できて、一粒で二度美味しい。

・あなたは世界の終わりにずんだを食べるのだ / なみぐる feat.ずんだもん

 ふと気づくと、なみぐるさんの曲を紹介している率が高い。無意識でした。かなり好きなボカロPなのでしょう。
 界隈曲+ずんだもんの組み合わせにより、琴葉姉妹ともまた違った仕上がりに。琴葉姉妹の場合はセンチメンタルになりすぎるきらいがあり、もちろん界隈曲のあり方としては正しいし、大好き! けれども、ずんだもんの場合はどうしても少し気が抜ける。そして、それがいい。ちょっぴり間の抜けた感じと切なさとかわいさの塩梅がちょうどいい。
 界隈曲特有の、意味深ながら説明を放棄した歌詞に、「ずんだ」が加わることにより、これまた独特の雰囲気を形成している。界隈曲のシリアスさに対してずんだもんのシュールさが一摘み。名曲だ。

 別の方の曲ですが、こちらの『ポストずんだロックなのだ』も(キタニタツヤにオススメしてもらった)、歌詞のシリアスをずんだもんの「なのだ」で薄めることで、曲の完成度を上げている。
 ずんだもん、これからも歌手としてボカロ曲の裏でひっそりと頑張るのだ。

・悪霊/TOOBOE

 TOOBOEさんのことは、チェンソーマンのEDで知ったくらいで、その曲以外に聴いたことがなかったのですが、たまたまこの曲が耳に入ったうえで、絵画のようなジャケットがカッコよく、一発で気に入った。洒落ているぜ。
 短くテンポよく、好きなだけ暴れて過ぎ去っていく感じが、Offspringみたいで良いですね。音楽詳しい人からすれば全然違うのかも知れませんが。

 MVも当然かっこいい。けれども、所見が上のジャケットだったこともあってか、抽象画のハイヒールの方が自分にはしっくりきます。第一印象って脳内イメージにだいぶ影響するね。

・Juanita 2022/Underworld

  トレイン・スポッティングの主題歌などでお馴染みのUnderworld。
 聴けばわかる、本物の音楽。

・星屑/FictionJunction

 元は『ビロードうさぎ』なる絵本のテーマソング(星屑はセルフカバー)なので、優しい世界観が曲全体で表現されています。読み聞かせのような安心感があり、聴いていると暖かく眠りに誘われていくようで心地よい。
 歌詞自体も、眠れない夜の場面から始まっているので、深夜に交感神経を鎮めるために最適。梶浦由記さんの曲を聴くと、どうしても数々のロボアニメの戦闘シーンが脳内で再生されてしまうことだけがネックですが……。




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