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一口エッセイ:好きなインターネットの話

 インターネットがテーマのゲームを作ったので、好きなインターネットの話をする。
 僕が初めてネットに接続したのは小学校低学年の頃で、おもしろフラッシュで仮面ライダー龍騎のパロディが大流行していたんですよね。クウガもアギトも勿論カッコいいけど、龍騎の必殺技に合わせて「ファイナルベント」って機械音声が流れる要素は、あまりに童心を刺激しすぎる革命だった。

 既にネットにはライダーオタクが蔓延っていて、正義であるはずのライダー同士の殺し合いに、大きなお友達は大興奮。まさか12人もライダーが出てくるなんて。しかも、同時期に流行したシスプリの妹数も12。どこもかしこも龍騎とシスプリで盛り上がり、両者を掛け合わせたパロも氾濫したのです。
 ビックリでしたね。大人がこんなにアニメや特撮に真剣になり、まるで教室で騒ぐガキのように語り合っている。この頃のネット民は、場合によっては小学生より口悪い。大人を先生や母親でしか知らない時期だったので、この衝撃は凄まじかった。
 「大人がアニメや特撮に盛り上がっていいんだ!」という興奮は、僕のネット観の原体験となりました。現実世界でオタク性を抑え込む大きなお友達のために、神は狭いパソコンの中に秘密の楽園を創造したのだと解釈した。
 なので、僕はどこまでいっても、「漫画やアニメの話をするのが好き」である前提は崩して欲しくないんだ。どんなに荒れたり、狂ったって仕方ない。人間だから。でも、好きな作品の話をしている時だけはみんな仲良く語り合っていて欲しい。どんなネットを見ても真に願っているのはそれだけです。

 毎日のエッセイをまとめた同人誌を販売中です。僕の日記も、ネットを覚えたての方の救いになっていたりするのでしょうか。

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