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永野護デザイン展

 永野護デザイン展へ行きました。展示会は当然、人が少なければ少ないほど一枚の絵に集中できるうえで、今回は僕の一まわり二まわりも上のオタクたちで賑わうと予想し(実際、恐らく僕が最年少くらいに感じた)、彼らの青春を若輩者が邪魔しないよう人が少ない平日朝を狙う。当然、僕が午前中に起きて電車に乗るなぞできるわけもないため、前日の夜へ埼玉へ向かいホテルで一泊。チェックアウト時に叩き起こされ会場へ。要するにそれだけ気合いを入れてきたのだ!
 結果……。


 あああああああああ!!!、!!!!、!
 もちろん現地で大声は出さないが、心の中では驚愕と感嘆が無限に反芻し、圧倒的なメカのディテール、大胆なのに繊細な細さのデザイン、ファティマたちの美しいファッション、そのすべてに気が狂いそうになる。

 長物好きなんだよ……。ゴツい背負い物にほんと弱くて、わかりやすくガンダムで言うならデンドロビウムがコンテナから細々とした武器を次々繰り出す出撃から3分くらいまでの間を延々とリピート再生していた。ディープストライカーも大好き。今回のSEED映画でデスティニーがクソ長いランチャーを構えていたのも最高。それらに比べると少し長さは物足りないが、原体験としてはウィングゼロカスタムのツインバスターライフルのせいだろうか。この「長さ」をそのまま展示されている時点で発狂。


 写真に関してはInstagramなどに貼ったので、気になったらそちらへ。もちろん現地へ行くのが一番ですが、この日記を投稿時なら次の日しか余裕がない。残念ながら最終日はめちゃくちゃ混むでしょう。それでも行った方がいいが。
 解説込みで見ると、独特の耽美なキャラクターデザインの源流がロックであることを知った。ファティマくらい尖るとわかりづらいが、たしかにエルガイム時代は妙にロックスター的なファンキーな男女だらけだった……。改札内書いてはいないけれども、そこへギーガーなどの影響も混じったのでしょうか。どんどん線が複雑に、薄暗くグロテスクなまでに繊細な背景やデザインが唯一無二の「美」へと到達する。


 そりゃ富野由悠季ですら手放しでコントロールできなくなるわけだ。ここまで圧倒的なセンスのキャラデザ、メカデザインを突きつけられたら、エルガイムを実質彼の作品としてプレゼントせざるを得ないだろう。その点、メカにだけ抑えたZガンダムは両者のバランスが最大公約数のように成立している奇跡だったのでしょう。ハマーン人気も相まってキュベレイが前面に出され易いですが、僕はZならハンブラビの異形さとスマートな変形機構の両立が一番好きだ。スムーズに変形していくメカニックな描写はZガンダムの華だろう。

 やばい! 永野護のデザインへの感動に、富野由悠季の話まで広がると、こんな日記じゃ尺が足りない。しかし、僕の文章なんてカイザリンやオージェのデザイン、立体物の前ではチリに等しい。だから、これくらいでいいのだ。みんなもただFSSやZガンダム、エルガイムやダンバインの没案を見れば全てわかるのだから。永野護版のZZガンダム没デザインいいよね……。
 複製原画もたくさん購入してしまった。どうしても部屋に飾りたくて。届くのが楽しみだ。そして、いつかゴティックメードをディスクに圧縮できる時代がきたら、延々とカイゼリンの起動シーンを流しながらファティマたちの絵画を眺めるのだ。

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