月とライカと吸血鬼感想 〜最強ではない吸血鬼〜

前から気になってたやつ。

※ 核心を突くようなネタバレは無いです。どういう所が良い作品か解るぐらい

あらすじ

1950〜60年代のソ連の宇宙開発をベースとしたお話で、架空のソ連っぽい国家が出てきます。主人公は宇宙飛行士候補生、ヒロインは人間から虐げられている種族、吸血鬼(ノスフェラトゥ)。有人宇宙飛行に向けた実験体として、人間の身代わりとして選ばれた彼女は、無事宇宙にたどり着けるのか・・・

感想

この作品が気になっていた理由… すばり、自分が美少女吸血鬼が大好きだからです。将来の夢は美少女吸血鬼か狐耳美少女になることと言っても過言ではありません。

例に漏れず、月とライカと吸血鬼も手にとってしまったわけですが、この作品の吸血鬼観はよくある他のラノベ作品と結構違うなと思いました。

まず、ファンタジーな世界観に登場するものではなく、現実世界の吸血鬼・ノスフェラトゥであること。これは、まぁ普通といえば普通なんですが…w
一時期、なろう小説が圧倒的に流行ったときに、ハイファンタジーの一種族として吸血鬼が出てくることが多々ありました。自分の中では割とそれが定着してしまっていたので、逆に新鮮に感じました。

次に、(これが一番言いたかったのですが)、吸血鬼が最強種族ではないことが挙げられます。
吸血鬼といえば、太陽に焼かれたり銀の武器に貫かれたりしない限りは死なない無敵系種族と描かれがちですが、今作はそんなことはありません。吸血鬼の「吸血」という要素とその他のごくわずかな要素を除いて、限りなく人間に近い種族として描かれています。

そう、弱いのです。イリナちゃんは。
書き忘れて言いましたが、吸血鬼の彼女の名前はイリナちゃんです。
かわいそうはかわいい。

そんなこんなで人権がなく可愛そうなイリナちゃんなんですが、主人公のレフの管理下で訓練を続けているうちに、段々と心をひらいていきます。その2人の関係性の変化を楽しむのが醍醐味かなと思いました。
登場人物も1巻の段階では限られているし、無駄に展開を引っ掻き回すような事もなく(物語に必要な展開はある)、そういった意味で安心して読めるところも良かったです。

2巻もポチったので続き読むぞー

まとめ

* ヒロインが吸血鬼かわいそう可愛い
* 宇宙はロマン
* 主人公とヒロインの関係性を楽しめる
* 適度なカタルシスが味わえる
* 無駄な展開がなく、スッキリしていてプロって凄い

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