2019.2.8 おとこのこのざいあくかん


相変わらず橋本治を読んでおり、積ん読していた『蓮と刀』を読み終わって心の底から心ふるえる。読んでいて読んでいてふるえるってやつである(ネタが古い)。

こちらは橋本治が亡くなる前から読んでいて、なぜかというと上野千鶴子がこの本のことを絶賛していたからだ。どの本で言及してたのかはちょっと忘れたんだけど。……というとこないだの日記で「橋本治は研究者に参照されないのだ」と述べていたのはどこいったんやという話なんですが。上野千鶴子思いっきり参照しとるやないかい、と。

でもでも、読んでて分かった、この本はそら参照されるわ! なぜなら参考文献・オブ・参考文献の書、つまりは「先行研究をなぎ倒す!」が目的のきわめて正統派アカデミック本だからである。もちろん文体が「幼児語(by橋本治)」なので論文とみなされないんだろうけど、でも、根っこのところは同じである。だってこれやってることほとんどセジウィックやんけ、と読みつつ思った。ちなみにセジウィックの『男同士の絆』が1985年、『蓮と刀』が1982年。ひええー3年はやい。でも今から30年前くらいか、ホモソーシャルとかホモフォビアって意外と最近の概念なんだよなあ。すごいな。

ここから先は

2,677字
この記事のみ ¥ 200

いつもありがとうございます。たくさん本を読んでたくさんいい文章をお届けできるよう精進します!