『虎に翼』と家族制度について考える(最近考えている話・前編)
『群像』で「夫婦はどこへ?」という連載が始まった。
この寄稿からはじまった問いをもとに、
現代の「夫婦」について批評をとおして考える連載である。
で、ばればれだとは思うが、個人的には『娘が母を殺すには?』の問いを引き継ぐシリーズである。
https://note.com/nyake/n/n82c17dbdddfe
というのも、長年の謎だった「日本の母娘こじれやすすぎ問題」を考えていくと、そこには「夫(父)の家庭における不在」が浮かび上がってくる。するとやっぱり「夫(父)と妻(母)が家庭でディスコミュニケーションにならないためにはどうすればいいのか?」という問いについて考えたくなるのだ。個人的には『こっち向いてよ向井くん』というマンガ・ドラマについて2023年に深く考えたときから続く問いである。
そう、「どうしたら男性は社会(公)の欲望に従うことではなく、家庭(私)を欲望することができるのか? それは可能なのか?」みたいな話でもある(ちょっと語弊のある雑な物言いですみません、抽象的な話なので主語が大きいです……みんながみんなそうというわけではないです。すいません!)。
で、そういうことを考えると、問いを設定せざるを得ないのが、「家族という単位は本当にこの国に必要なのだろうか?」ということだ。
つまり最近の『虎に翼』の問題でもある。
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